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実写版アラジン観た

注意!この投稿は実写版アラジンのネタバレを含んだ内容です。未視聴かつネタバレ絶対殺すマンの方はまずはご視聴のうえこちらに戻ってきてくださいね。もう観たよ、ネタバレ平気!という方は長いけど是非読んでね。

実写版アラジン、マジ「SASUKE アグラバーステージ」。あとジャスミンは『月の影 影の海』。

正直なところ、アニメ版アラジンガチ勢過激派の私としては「そこはもうちょっとさぁ〜!」というところがいくつかあった。これだけを独立した映画として観たら、かなり良かった方だとは思う。特に映画館で観たら相当迫力もあるし、音楽も映像も超綺麗だしね。
なのでこれはオリジナル過激派だったばっかりに楽しみきれなかった私の愚痴みたいになるかもしれない。申し訳ない。あとドイツ語版を一度観ただけなので、私の語学力の足りなさによって聞き間違いがあったり、日本語版・英語版とは違う表現になってるところがあったりするかもしれないけど、それもご了承ください。あと私は映画に関して全然詳しくないので出演してた俳優さん達もウィルスミス以外知らなかったし、監督が誰々やからこのシーンはどうとかそういうちゃんとした感想は書けないので先に言っとくね。

まず、「青いウィル・スミスやなあ」って事前情報から思ってたのに、開始早々ただのウィル・スミスが出てきて笑った。ウィル・スミス純度100%やん。ジーニーの昔話から始まる枠構造は、アニメ版のオマージュなのかな?アニメ版でもアラビアンナイト歌ってる商人はジーニーが変身した姿という設定があるらしいし。

アラビアンナイト、めっちゃ壮大で良いね!鳥肌立った!ただ、ドイツ語だと、「アラビアンナイト」が“Arabische Nächte”(アルファベットをカタカナに落とし込むの好きじゃないけど、敢えてカタカナ表記するなら「アラビッシェ ネヒテ」)で、語呂が悪くてムズムズする。「アーラビアンナ〜〜〜イ」って最後のTの発音が砂漠の砂塵に紛れてしまうような響きがいいのに、「ネ〜〜〜ヒテ」って語末が強すぎて、ちゃうねん!なんかちゃうねん!ってなった。ドイツ版のディズニー公式YouTubeチャンネルで聴けるようなので興味ある方は是非。笑っちゃうと思うよ。
そこ以外は、よく意味も元の歌詞に近づけてかつ韻を踏めるなあ!と感激した。全ての小節がどこかしらと韻を踏んでるの。「ネヒテ」以外(笑)。ああそうか、だからここだけがなんだか浮いて聞こえるっていうのもあるのかな?今気付いた。

アグラバーの街、めちゃくちゃお金かかってんねえ!!街もそうだし宮殿もそうだけど、今まで構造がどうなってるのか分からなかった場所の中を見てる!って興奮したよね。宮殿のカタチがアニメ版と違いすぎるって言ってる人もネット上では居たけど、そこはしょうがなくない?サルタンもそうだけど、アニメそのままを表現すると実写では不自然な部分もあると思うし。

ただ、アラジンもジャスミンも、もっとさあ、もっとキツめな顔の方が良かったなあ……って思ってしまった。いや、二人とも超イケメンやし超美しいし演技も歌も踊りも上手で単独で見たらすんげ〜〜好きなんやけど、どうしてもアニメ版を求めてしまう自分がいて……。
二人ともめちゃくちゃ困り顔やん?アラジンは特にさ、なんやろ、例えるならアニメ版の方は、地方から上京してきて二時間で完全に方言が抜けてめちゃくちゃ標準語で喋るし、「え、俺?東京生まれ東京育ちアグラバーな奴は大体友達だけど?(笑)」みたいなこと言っちゃいそうな現金な感じが良さじゃないですか。実写版は上京してもこっちで友達ができてもどこか孤独……ホームシック……ォゥチ帰ろ。。。って感じじゃない??伝わる???

他の方の感想でも目にしたけど、「ならいっそジャスミンを主人公にして再構成した方が良いものになったんじゃないか」っていうのも思ったね。

あと俳優さん繋がりで行くと、アラジン役のメナ・マスードはエジプト出身で、ジャファー役のマーワン・ケンザリはオランダ国籍やけどチュニジアのルーツを持ってて……って中で、ジャスミン役のナオミ・スコットだけはお母さんがウガンダ出身のインド系移民という、「アラブ人とインド人を一緒にしないでくれる!?」とかいう声が上がりそうな(私の意見じゃないよ)人選なのどうしてかなーって思ってたんだけど、なるほど、ジャスミンの母である王妃様は東南アジアの出身という設定を追加したんやね。だからエキゾチックな雰囲気にしたかったんかな。
っていうかジャスミンさあ?サルタンになるためにたくさんお勉強してるのはいいんだけど、じゃあ、お金って知らなかった???
アニメ版は、王女なんてウンザリ、自由に生きたい、って言ってる世間知らずな箱入り娘だから「お金持ってないです……」でもまあまあまあいいけど、実写版では、「本に書いてなかったかな〜!?!?」って思っちゃった。知識としては知ってても実感が伴ってなくてウッカリ持って来忘れたのかな?侍女のダリアもさ、言ってやれよな。二人揃ってウッカリしてたんか???

これ、他の言語のバージョンでは台詞がどうなってるのかめっちゃくちゃ気になってるんだけど、ジャファーがアラジンに「お前の正体を知っているぞ」的なこというシーンあるやん?ドイツ語版ではあそこ、「お前の正体は分かっている……ところで(allerdings)、」ってジャファーが言うんだけど、「ダジャレ言ってる〜!!」って内心大盛り上がりしちゃった。allerdings(アーラーディングス)=アラジン(ドイツ語読みではアラディン)ってことね。

他の言語ではどんなダジャレ言ってるの……ジャファー……!

ていうかジャファー若ない?!?「俺も元はお前と同じコソドロだったんだ」って言うてますけど、え?十年やそこらで国務大臣まで登り詰めたの?早ない???もうちょーーーっと年が上だった方が現実味があってよかったのかなと思った。
あっそれから、ランプを手に入れたと思ったらアブーにスられてて「ナイーーーッ!」て絶叫するシーン、アニメ版だとドイツ語では“Nein, neeeeeeein!!!”だったのが、実写版では“Aaaaahhhhhhh!!!”になってたので、「アーじゃありません!きちんと言葉にしないと分からないでしょ!メッ!」って叱りたくなっちゃったな

あと「実はジャスミン王女でしたー^_^」って言うの、絶対そこじゃない!!!なあ!!!なんで本人がいーひんとこで言っちゃうわけ!!!バレたくなかったのに、助けるために仕方なく「王女としての命令です!」って正体を明かすのがいいんやん…?ジャファーそこで言っちゃうの?ねえ……ここ、わりと解釈違いだったポイントその1。

っっっっていうか、A Whole New World前の、例の史上最高の訳し方だった「僕を信じろ」の違いのところ、実写版だと一回目からもう“Vertraust du mir?”だったんですけど……え……無理……今回で最大の解釈違いなんですけど……

なんのこっちゃ?という方は先に一つ前のnoteの投稿を読んでネ。

ドイツ語だからこそできる、あまりにも美しい表現だったのに。ガッカリして、思わず映画館で「チョ〜イチョイチョイチョ〜〜〜イ!」って大声出しそうになっちゃった。勘弁してよ〜!こちとらめちゃくちゃ楽しみにして来てんだよお〜!VIP席っていう他より高い席予約して来てんだからさあ〜!ね〜え〜〜〜!!

A Whole New Worldは「逆になんで?」っていうくらいの歌詞のマイナーチェンジをしててわけわからんかった。日本語版くらいいっそガラッと変えるなら、まだ「翻訳の著作権で」とか言われても納得できるけど、ドイツ語版は単語が一つだけ変わってるとかそういうチェンジだったので、ただただなんで??って思った。変わったとこ書いてくね。変更後の部分が太字、()内は変更前の歌詞の和訳。

Niemals darfst du's vergessen,
tief im Herzen bist du frei.
心の奥深くでは君は自由だってこと
(心の中では君は自由なんだから)

Sieh dich einfach nur um.
Es gibt so viele Wunder.
Schau hinauf und hinunter.
Es ist fast wie Zauberei.
周りを見回してごらん
不思議なことはたくさんあるよ
あっちを見たりこっちを見たりしてみて
ほとんど魔法のようだ

(見てごらん、もう変化は起こってる
あっちこっち飛んでいるよ
まるで突然魔法をかけられたみたいに)

Kann ich auf Wolken geh’n
私は雲を越えて行ける
(貴方と一緒に雲を越えて)
und plötzlich seh'n,
dass deine Welt auch meine werden kann.
そして突然目の当たりにするの
貴方の世界が私の世界になっていくのを
(貴方の世界が私の世界でもあるってことを)

Flieg’ in diese neue Welt mit mir
僕と一緒に新しい世界へ飛んで行こう
(僕の世界が突然君の世界に!)

Bis hinauf zum Sternenzelt.
星の天幕のところまで
(星が一面に輝いてる)

Und es wird immer besser.
どんどん素晴らしくなっていくよ
(今からもう明日を楽しみにしていて)

Es ist, als sei 
die Welt nur für uns beide heut’ so schön.
まるで、今日は世界が私たち二人だけのためにこんなに美しいみたいね
(まるで、世界全体が一度に私のためのものになったみたい)

Zählt einfach nur das Jetzt-Und-Hier.
今ここのことだけを考えていて
(僕らの恋はうまくいくに決まってる)

二人:
Ich teile diese Welt mit dir
私と貴方でこの世界を
半分こ
(世界中が僕らのものになる)

あとは同じ。
ね?意図のわからんマイナーチェンジな上に元の歌詞の方がよくないか……?特に、「今からもう明日を楽しみにしていて」をなくして「今ここのことだけ考えていて」を入れたのなんでなん??元の歌詞の方が詩的で好きなんだが……つら……
しかも「ほとんど魔法のよう」って何?魔法ですけど???自分の跳躍力だけで飛んでると思っとんか???カードキャプターさくらじゃないんだから……
あっでも、魔法の絨毯の操縦を途中でジャスミンが奪ったとこは可愛かったね!

スピーチレスはすっごく良かった!アニメ版と比べる必要がないからかもしれんけど。ちなみに日本語版も英語版も聴いてみたけど、ドイツ語版が一番響きが強くてこの曲に合ってた気がした!
英語版でspeechlessの部分がドイツ語版だとschweigenだから、シュヴァイゲン!ってヴァとかガとか力を込めやすい音なのが功を奏したのかなと。よかったらこれも聴いてみてください。私は基本的に常にドイツ語贔屓だから公平な評価ができてない可能性もある(笑)

フレンドライクミー、日本語版の新しい歌詞どうよ?「こんな友達いるはずない」はあんまり良訳とは言えない気がするなぁ。
元の歌詞“You ain’t never had a friend like me”に寄せようとしたのは分かるけど、だとしたら「こんな友達他にいない」とかにした方がよかったのでは?「いるはずない」だと「こんな最高な友達はジーニーだけ!」って意味からズレない?
他の曲もだけど、アニメ版に比べて元の歌詞に忠実に訳そうとしてるよね。それは分かるんだけど、でもなあ……う〜〜ん。直訳感が否めないし、百歩譲って直訳でもいいとして語呂が悪くなっちゃってるのはいただけないなあと。
「プリンセス自由の花をホラ」を無くした罪は重い。(まだ言ってる!)

なんだかここまでブーブーしか言ってないようだけど、ジャファーとジャスミンの結婚式のシーンは良かった!何故ならキスしないから。小さい頃から「なんでキスしちゃうの!?しなくていいよ!」って思ってたので。キスしてほしくないからという主観的でしかない理由です。
ランプ奪ってバルコニーから飛び降りるやん?ここはまたSASUKE アグラバーステージで良かったんだけど、ここと対比させたいが為に、しょっぱな市場でアラジンに助けてもらって「向こうに飛び移るんだ!」ってシーンで「私、できないわ……!」とか弱い感じに変更したんじゃないの?って気がして嫌だった。
アラジンが橋を渡してあげようとしたらジャスミンはヒラリと飛び越えてドヤ顔してさ、それを見たアラジンが「肝の座ったやつだな……トゥンク」になるんやん?そこ、恋の一歩目というか、「おっ」と思う瞬間なわけやん。それを、対比に使いたいがために(と私が感じただけですけど)変えちゃうのは違うんじゃないのかと。ジャスミンの成長を見せたいならもっと他にやりようがあったと思う。

あと、ランプの魔人になってしまったジャファーがランプに吸い込まれる最中イアーゴを道ずれにするやん?あそこで、日本語版や英語版ではわかんないけど、ドイツ語版、「おいオウム、お前も来い!」って言ったのが……オウムって呼んじゃうの?イアーゴのこと?え〜〜〜〜〜〜?????(アニメ版でも呼んでたじゃんっていう方は教えてください)

あれもヤだった……ラストのラスト。ジーニーの願いは「自由になること」で、何が自由なのかという定義はいろいろあるとは思うんだけど、果たしてそれは人間になることなのか……?
例えば、例えばだよ、元々ジーニーはただの人間で、ジャファーみたいに力を求めすぎるあまりに魔人になってしまって、でも長い年月を生きる間にやっぱり人間に戻りたいって思って……とかいう設定が実写版で追加されてたらまだしも……(もしかして私が聞き漏らした?そういう説明あった?なかったよね?ドイツ語の能力が完璧ではないので一抹の不安はある)
魔人には魔人の「自由」があっていいと思うし、魔人でなくなって魔法を使えなくなることは彼にとってむしろ「不自由」なのではとも思うし、人間になって好きな女の子と結ばれて子宝に恵まれて、っていう結末を「ハッピーエンド」としてしまうの、なんだろうな、人間のエゴな気がしてしまったな……
ダリアもさあ、ジャスミンのお側を離れちゃうの?ダリアは明らかにただの召し使いではなくて、並んでベッドに横になったりドイツ語だとdu呼びしてたりするとこを見ると、いわば乳母子のような特別な関係なんじゃないの?おそらくは物心つく前から一緒にいたジャスミンと別れて、ものすごーーーーく悪く言うと「ポッと出の」ジーニーを選んで旅に出ちゃうの……?
描かれてないだけでそこの葛藤とかジャスミンに「あなたもあなたの人生を生きていいのよ」とか言われる場面もあったのかもしれないけどさ、それでもなんていうかこう、アッサリしすぎじゃない?っていう。
恋愛を軽視しろって言ってるわけじゃないよ、でもあからさまに友情を軽視しすぎじゃない??って思っちゃっただけ。
ジャスミンがサルタンになるという展開で男女平等を描くんだったら、「恋愛や結婚、出産はたくさんある“幸せ”のうちの一つで、そうじゃない“幸せ”もいっぱい存在する」っていうことだって描いてもよかったんじゃない?
みんなはどう思った?

ていうか魔法の洞窟が虎モチーフからライオンモチーフになってたこと全然気がつかなかった!ちょっとそれどころじゃなかった(?)。
ちなみに英語版では洞窟の声優さん、フランク・ウェルカーらしい。え、誰って?この人。

いやだから仕事熱心すぎやろ!(笑)
wikiによると声優神って呼ばれてるらしいwww

こんな声優いるはずな〜い。

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