統計検定準一級受験記録①

1. はじめに

1-1 自己紹介

初めまして、ゲンオオイワ(twitter : @gen_oiwa)と申します。
去る2023年3月2日、統計検定準一級を受験し、無事合格することができました。

勉強を始める前の事前情報では、
①単純に内容が難しい
②範囲が広くて覚えることが多い
とのこと。実際その通りだと思いました。

対象の範囲は一通り勉強したのですが、やはり範囲が広いため、最終的には自分なりに的を絞って本を読み返したり式を覚え込んだりすることになりました。その辺り、どういう勉強をしたのかとか、こうすれば良かったなといった反省等をこれから何回かの記事で共有できればと思います。

せっかく資格を取れたので、内容を忘れないように復習をという思いもあったり。

今回の記事では全体的なところを、次回以降はワークブックの章ごとにポイントと思われる点を書いていく予定です。
(ただし、専門的な解説や議論ができるほど分かってはいないので、あくまで受験対策的な内容になると思います。)

2. 合格までの勉強法

2-1 教材

・統計学実践ワークブック
・統計検定準1級公式問題集


もはや説明不要かと思われますが、この二つは必須です。
僕も勉強時間の9割はこれでした。あとは分からないところをネットで調べていく感じです。

よく調べた記憶があるのは
・行列の性質、定理
・行列、ベクトルが絡む微分
・直交表の解説
・ラグランジュの未定乗数法
など。ただ、この辺は深入りせずスルーするのもOKだと思います。

これらの教材の中でも、ワークブックの例題、章末問題、公式問題集の選択問題及び部分記述問題は確実に解けるようになっておきたいです。
優先順位は、体感で
①公式問題集の選択、部分記述問題
②ワークブックの章末問題
③ワークブックの例題

かなと思います。

2021年の過去問は難しいので最初は解けなくていいと思います。
論述問題については、少なくとも目は通しておきたいですね。解説を読んでいると、ワークブックに無い話も出てきて補完になります。

ちなみに、ワークブックの章末問題には過去問の類題が多数あります。これらは特に重要な問題であると思われます。

上記の①②③に自信を持って回答できるようになるには、ワークブックを熟読して中身を理解し、過去問等を解いて定着させていくループを繰り返すのが正攻法だと思います。ただ、ワークブックがとにかく難しいです。結構端折って書いてあったりするし。僕は3周しても理解が微妙でした。次回以降の記事では、自分的に重要だと思われる個所をワークブックの章ごとに挙げていこうと思います。

2-2 勉強実績

僕の場合、勉強開始の時点で統計検定2.5級程度の知識はある状態でした。
前にいた会社で統計の研修を受けており、区間推定や検定は知っているが多変量解析はよく知らないぐらいの知識。2級の資格は持っていませんが、教科書は通して読んだことがありました。
あと、大学は工学部で院卒。高校では数ⅢC履修。
大学数学の微積や行列の基礎知識はあるけど、突っ込んだところは抜け落ちているという感じ。

そこからスタートして、合格までの勉強期間は約半年。
基本方針は、できるだけ中身を理解し、問題を解くことだけが目的の勉強にならないようにすること。

こんな感じの大層な目標を立てたところで、以下のような感じで進めていきました。

2022年8月~9月
 ワークブックを取りあえず1週読む。例題、章末問題はやらない。
 以前の章で出た知識が、後の章での理解の前提になるパターンがあること
 を想定して、全体を通してどんな内容が扱われているかを先にインプット
 しておこうという狙い。
 2週目以降、「この式は後の章でも出てくるからしっかりやっとこう」
 みたいなやり方ができたらと思っていたが、結局2週目を始める時には
 何も覚えていなかった。
 
ただ、時系列解析とか分割表、ベイズ法、シミュレーション辺りが難し
 かったのは印象に残っていて、2週目の心構えにはなった。

2022年9月~2023年1月
 ワークブック2週目。今度はノートを使って、ワークブックの行間を埋め
 ながら進めた。例題、章末問題も全て解く。が、やはりこの進め方では
 進みが遅い。当初は11月受験ぐらいで行けるかと考えていたが、勉強が
 終わらないため一旦取りやめにした。すると今度ははっきりした締切が
 無いせいか、勉強がダレる日が続いてしまったりした。

 内容面では、じっくりやってみるとどの章も難しいと感じた。1週目は
 気づいてなかったけど、難しいのは時系列とかベイズだけではなかった。
 特にマルコフ連鎖、確率過程以降の章、重回帰分析、因子分析、
 分散分析、主成分分析、判別分析と中盤以降ずっと難しい。
 上記の方針通りにやっていたため、ここで大きく時間をかけることに
 なった。(方針自体は後悔してないし、間違ってはいないと思う)

2023年1月~2023年2月
 過去問に手を出してみるが全く解けない。あれだけやったのに・・・
 後で分かったが2021年6月の問題は特別難しい。これでかなり焦りが
 出た。ワークブックを見返したりした後、再度チャレンジ。結局、
 2019年以前はなんとか解ける難易度だった。
 これを読んでいる過去問未着手の方は、まずは2018年ぐらいから
 やってみるのをおすすめします(笑)

 こんな状態だったものの、最低でも3月には受験したいと思っていた
 ので会場を予約し、受験対策モードにチェンジ。

 まずはワークブック3周目を読みつつ、例題、章末問題だけを全部解き
 なおした
。また、過去問の選択問題、部分記述問題を一通り解いた。 
 あと、2週目の時は行間埋めを熱心にやったけど、式を暗記することは
 そんなにやらなかったので、各問題で頻出の式を順に暗記した。なんだ
 かんだ言っても、受験するとなったら覚えるしかない式はいっぱいある。
 
 最終的に過去問の論述問題までは手が回らなかった。試験前日ぐらい
 にサッと読んだだけ。おそらくこれは大して身になっていない。

本番当日
 試験直前は数式を頭に入れるだけの作業。
 試験会場に早く着いたらスペースを貸してもらえたので
 そこで30分追い込んだ。
 
 僕の場合、平日だったので自分一人の環境で受験できたが
 人によっては周りがうるさかったりする場合があるらしい。
 可能なら平日休みを取って受験した方がいいかも。
 (そういえばE資格の時は土日の受験で会場は人でいっぱいだった)

 あと電卓の扱いには慣れておくこと。
 計算用紙はマジックペンで書くので書き損じると意外とすぐに
 紙が埋まる。言えば別の紙がもらえるが、最初にもらった物は
 回収されるらしい。僕は最初の2枚でなんとかやりくりできた。
 
 試験が始まったら、分かる問題からとにかく解いていくこと。
 分からなければ「後で確認する」みたいなチェックを入れて
 飛ばしてしまう。1問にかけられる時間が短いので、分かる問題を
 確実に埋めていくことが大事。
 僕の場合、1問目から真っ白になってかなりパニックになったけど
 5分経過ぐらいで見切りを付けてなんとか冷静さを取り戻せた(笑)

3. 反省点などなど

・僕の場合、ワークブックをじっくりやりすぎた。かけられる時間には
 限りがあるので、過去問、例題、章末問題を何周も解いた方が試験対策
 としては効率がいい。

・受験時期は、使える時間と相談しつつ現実的な範囲できちんと決める
 べし。僕の場合だと、
 11月にでも受けよっかな ⇒ 勉強が追い付かず予定修正
 勉強し終えたら受けよう ⇒ 期限を決めなかったためダレる
 このままじゃ自信ないけど3月受験 ⇒ 直前で無理な詰込みに走る
 と、かなり計画無くブレていた。
 無理は良くないけど締切が無いのも気持ちに火がつかない。

・「分からなかったら飛ばす」は徹底した方がいい。
 1問目だろうと分からなければ飛ばし、まずは分かる問題を解いて
 リズムを掴むことが先決。
 
・勉強ノートを定期的にtwitterに投稿したけど、結構やる気になる。
 ほとんど自己満足だし、ちゃんと見てる人はいないと思うけど、
 自分のやりたい勉強スタイルはこうだというのを晒したくてやってた。

本記事は以上。

次回以降の記事では、ワークブックの章ごとに色々と書いてみたいなと思います。

ここまで読んで頂き、ありがとうございます!

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