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「謎に包まれたものを喜ぶ」文化よ起これ、みんなで作る怖い話テンプレ

最近放送されたエヴァンゲリオンド庵野監督密着キュメントにてあった、監督の「謎に包まれたものを喜ぶ人が少なくなってきてる」という発言が共感されているらしい。

オイ! だからってあのエヴァの最終回は許されねぇからな!

と俺は思ったのだが、しかし発言には確かに同意できるところもある。

昔、俺は2ちゃんのオカルト板、略してオカ板が好きだった。昔は”釣り”と呼ばれる、言わば創作の怖い話や体験をリアルタイムに書き込む人たちがいて、読む者たちも、それを薄々創作と思いながらも乗っかってみんなで楽しんでいた。

釣神様としてしられる「俺の先祖は恐ろしい人物かも知れない…」というスレは名作として名高いので一度読んで欲しい。

しかし、今これをやっても、嘘松の一言で終わってしまうのだろう。それはとても残念なことである。そういう流れをなんとか変えられないものか。

そこで今回は、もっとみんなで不思議を楽しもう、ということで怖い話を作りやすくするテンプレを紹介したいと思う。これらをアレンジすることで素人でも怖い話を作れるはずだ。

まずはよくあるシチュエーションから。

絶対に入ってはいけない場所

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目的地を用意しましょう。それは入ってはいけないと言われている場所です。最初はなぜ入っては駄目なのか理由はわかりません。でも古くからそう言われているのです。

単なる心霊スポットというパターンもあります。

もしオーディエンスから「俺も行きたいから場所を教えろ」などと言われても、もちろんそんな場所は存在しませんので「身バレが怖い」などと言ってはぐらかしましょう。

しつこく聞かれたら「東北の方」とだけ言うのがおすすめ。

あとは四国も良いのですが、四国はオカルト好きには「あそこはガチ」と思われている特別な場所。簡単に使ってはいけません。

使うときは軽く匂わす程度で。もし「ひょっとして四国?」と言われたら「よくわかりましたね」と言ってあげましょう。

次は登場人物たち。

行く気満々の友人A

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Aが提案者です。駄目と言われているところに行こうと言うのですから、ちょっとやんちゃなヤツです。

調子乗りのAが大抵いらんことをします。しかしそれは後に酷い目にあうための前フリです。

あそこはマジでヤバいから止めようと行ってくる自称霊感の強い友人B

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自称霊感が強いのがポイント。ただの怖がりでは説得力がありません。現地でまっさきに体調が悪くなったりするのもこいつです。

自称ですが、本当のパターンもあり。

基本は怖がらせ役ですが、コイツがAを兼任することもあります。その場合は、Bは嘘能力者で、他にガチの能力者を用意すると良いでしょう。

あんまり乗り気じゃないけどビビってると思われたくない自分

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自分は絶対にノリノリでは駄目です。基本、行きたくないという姿勢でいてください。なぜなら、バチが自分に当たってしまうと語り部がいなくなってしまうからです。バチが当たるのはAの役目です。

といって、行かなければ話がはじまりません。何か言い訳が必要です。ベタなのは「ビビってると思われたくなかった」から。

そしていよいよ現地に入ります。

何かを見る

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禁足地が山の場合、山の神的なものが出ます。ありがちなのは猿の体に人間の赤ちゃんのような顔を持ったものです。なにが初出か知りませんが、なぜか多いです。

想像力がある方はオリジナルの何かを用意するとなお良いでしょう。

何も出ないパターンの場合はAが何かバチ当たりなことをします。御神体っぽいものに触っちゃうとか。何かを持ち帰ってきちゃうとか。バチがあたる前フリですね。

おかしくなるA

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何かがあってからAがおかしくなります。気絶したり、意味不明な言動をしたり。禁足地に入ってしまったバチが当たるわけです。Bが巻き添えを食うパターンもあります。自分は助けなければならないので正気を保ってください。

そしてAを引きずってなんとか禁足地から帰ります。

普段は穏やかだが禁足地に行ったことを知ると激怒するじいさん

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お前、あそこに行ったんか!」これが決め台詞です。

どこかへ電話し始めるばあさん

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電話先は自分はわからない、という設定にしましょう。大抵は寺か神社か霊能力者です。

一目でヤバいと見抜くが力が足りずどうにもできない住職もしくは神主

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一目でヤバいと見抜く力がありながらどうしようもできない、と言って断ってくる住職もしくは神主。そんなにヤバいんだ、という印象をつけさせます。決め台詞は「ああ、それはウチでは無理ですね」。

一目でヤバいと見抜きなんとかしようとしてくれる住職もしくは神主

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断った住職ないし神主が紹介してくれた人。やっぱり一目でヤバいと見抜きます。決め台詞は「君たち、凄いの連れてきたね」。

はじまる除霊の儀式

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塩と酒が大事なアイテム。塩は振りかけられ、酒は飲まされたり口に含んだものを吹きかけられたりします。

あとはなんか神主さんなら白い紙が付いた棒、大麻(おおぬさ)を振り回したり、坊さんなら数珠など使ってそれっぽいことをしましょう。

そのへんの描写が面倒くさくなったら途中で気絶した、ということにすると良いでしょう。

手遅れなA

残念ながらAは助かりません。そういう役なので。自分は助かります。Bはどちらでも。祈祷師や霊能力者の決め台詞は「この子(A)はもう駄目だけど、こっちの二人はまだ間に合う」。

なぜか誰が来てもドアを開けてはいけない夜

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儀式が終わってもまだすべて解決したわけではありません。その夜にあいつが再びやってくるのです。

祈祷師はそれを何故か知っているので対策します。部屋に自分やBを閉じ込め、誰が来ても開けてはならぬと言うのです。

そんな夜を一晩過ごします。当然、あいつか来ます。ここが怖がらせるポイントなのでよく考えましょう。

壁や窓を叩かれたり、足音やら物音が聞こえたり、外から呼びかけられたりしましょう。

自分たちはガタガタ震えて耐えます。何もしなくても大丈夫。あいつは自分からドアは開けられないのです。なんでか知りませんが。

そのへんの描写が面倒くさくなったら途中で気絶した、ということにすると良いでしょう。

気がついたら朝

そんなこんなで、気がついたら朝です。なんとか自分と、場合によってはBは助かります。

どこかの施設へ入れられてしまうA

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Aはおかしくなってしまうので、どっかへ退場させましょう。今はどうなっているのかわからない、というのがポイントです。Aの近況を聞かれたら面倒なので。

「施設へ入れられてしまったらしい」とでも言っておきましょう。あるいは「A一家は逃げるようにどこかへ引っ越してしまい今は連絡もつかない」あたりが良いでしょう。

オチ

創作意欲がおありなら、その地に伝わる伝説なんかを作ればオチに説得力がでます。

しかし、何もかも有耶無耶で終わらすのも良いでしょう。そう、「謎に包まれたもの」を提供してあげるのです。べ、別に面倒くさいからじゃないだからね!


最後に

これを使ってできる話は、どこかで聞いたような取るに足らない話である。それで満足するのはオカ板初心者だけだろう。

しかし、みんなで大量にそんなものを投下していけば、どっかの天才が見るに見かねて良いものを書いてくれるのではないか? 俺はそう信じている。

あとは、書きやすい雰囲気作り、それが大事なんじゃないかな? こんなレベルで良いなら俺でも……そう思ってくれれば御の字。

聞く方は不思議を面白がろう。嘘だって思ってても全力で乗っかって楽しもう。その方が人生面白いぞ。

それじゃ!

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