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オイル洗顔の歴史を調べたら、古代エジプト時代まで行ってしまった件

はじめまして。久しぶりのnoteを書きます。
MIULEという習慣を考えるというコンセプトを掲げたブランドを作っています植村と申します。現在、クラウドファンディングにてオイル洗顔に特化し、アップデートプロダクトをリリースしています。

公式サイト

オイル洗顔をアップデートした商品を作ったこともあって、そもそもオイル洗顔って誰が始めたの?どういう歴史っていうのがそもそも興味があったため、良い機会と思い調べてみました。

そもそも私が知ったきっかけは、SNSですが、オイルだけでメイクを落とすことって、以前SNSでも書籍の方でも書きましたが、これって化粧品開発者や原料メーカーさんでは昔から当たり前に知っている知識だし、ベビーオイルで有名なJ&Jの公式サイトにも書かれているし、そもそも世の中にオイルの商品がある時点で誰かしら遊びでやるだろうなと思い、誰が始めたんだろうというのが、単純な興味が調べるきっかけになります。

オイル洗顔とは

まず、オイル洗顔そのものを知らない人もいると思いますので、それについて説明します。

オイル洗顔は、オイルを肌に馴染ませ、メイクや皮脂の汚れを浮き上がらせ、汚れを取る美容法になります。
1.オイルを手のひらに取り、顔全体に優しくなじませます。
2.顔全体にオイルが広がったら、軽くマッサージをしながら、汚れを浮き上がらせます。
3.濡れたタオルやウォッシュクロスなどで、オイルと汚れを拭き取ります。
4.必要であれば、最後にぬるま湯で洗い流します。

一方、クレンジング(美容法)は、メイクを浮かせるために専用の界面活性剤を含んでおり、洗い流すことで、メイクや皮脂汚れを落とします。

☝️ここでポイント

あくまでこのnoteではオイル洗顔をオイルのみで構成されたものでメイクを落とす美容法、洗顔法と定義し、クレンジングはオイルのみではなく、界面活性剤が含まれたもの、またオイルを含まず、海面活性剤でメイクを落とす美容法と定義します。堅苦しいですが、この定義がハッキリしていないとここから下の議論が深まりません。

☝️そしてもうひとつ大事なこと

オイル洗顔を語るにあたり、まず大事なことはオイル洗顔という言葉とオイル洗顔のやり方自体を分ける必要性があります。なぜならそれぞれは別の歴史を持っているからです。

オイル洗顔(美容法)の歴史

まず美容法としてのオイル洗顔の歴史について考えていきたいと思います。

さあ、時代は紀元前3000年-4000年前の古代エジプト、古代ギリシャ、紀元前1000年前ぐらいの古代ローマです。すみません。いきなり紀元前に来ちゃいました。

僕自身もビックリした事実です。

古代エジプトや古代ギリシャ時代には、オイルがスキンケアや美容に利用されていました。古代エジプトでは、洗顔料として使われていたという記述がありすでにかなり古くから使われていたように考えられます。古代ギリシャではオリーブオイルが使われていたことからもこの時代にはすでにオイルを美容に使うということが行われていたと思われます。しかしこの時代にオイルを洗顔として用いていたのか、それとも石鹸などの加工品の原料の一部で使われていたのかは定かではありません。

オリーブオイルを洗顔やクレンジングとして利用することについては、日本では近代に入ってからですが、欧米では古くから行われていたと考えられます。このあたりは、マルセイユ石鹸(1000年前)などの事例を見ても明らかだと考えられます。

そして、近代以降では世界的に、オリーブオイルの栽培技術や搾油や精製技術が上がり、さらにスキンケアや美容に用いられるようになったと考えられます。

実際にメイク落としや洗顔として使われていたかは昔すぎて分かりませんが、調べている間にすでにこんなにも昔からオイル洗顔の原型があったのかもしれないということはロマンしかありません。

参考文献
https://www.abura.gr.jp/contents/shiryoukan/rekishi/rekish01.html
https://www.sanyo-ep.jp/column/olieve.html

メイク落としの歴史について書かれた書籍や文献がほとんどないのは私も知っています。なので、かなり推測で書いている部分も多いですがご了承ください。

化粧落としの歴史の文献集は以下が参考になるかと思います。


20世紀前半には鉱物油が化粧品用として使われ始めたことを考えると、1950年代以降にはかなり普及していたことを考えるとこのころから舞台メイクなどの濃いメイクを鉱物油で落とすようなやり方は海外では普及していたように考えています。

後のオイル洗顔の名前の由来の方に記述致しますが、1950年代にはハリウッドでオイルでメイクを落とすというのがどうやらあったようで、それをもとに改良されたのがオイルクレンジングの誕生だとも言われていることから、この頃から知っている人は知っているやり方として普及していたように考えています。

そして、場所は日本へ。時代は2000年代前半

一部の美容家や一部のメーカーがどうやらこのオイルでメイクが落とせるという方法に気づき布教するようになります。すでに2000年前半には商品化もされていたり、オイル洗顔の良さを情報発信されている方もいるため、このあたりから徐々に始まっていったのかと思っています。

面白いのはこの時すでに舞台衣装などの現場でオイル洗顔のやり方でメイク落としとして使われていたということです。

ここもおそらくですが、1900年代にはすでにオイルで洗顔するやり方は一部の方に普及していたと推測されます。なぜならオリーブオイルやミネラルオイルはすでに市場にあったためです。また1960年頃からオイルでメイクが落とせるというのが日本に入ってきたため、1970年や80年ごろには試していた人が多数いたのでは?というのが私の推測です。

ですが、インターネットが普及したのが1995-98年のため、それ以前の情報は書籍や雑誌のみとなり、巷の美容法が書籍化されることもないため情報リソースをほとんど見つけることができませんでした。

参考文献
http://www.hand-clap.com/topics/oldtopics/0308_keana/topic03_08_3.html
https://www.cosme.net/chieco/question/1860/detail
https://okwave.jp/qa/q1591289.html
https://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=236001&id=29402132

そして飛んで時代は2014年-2015年
おそらくこのあたりから一部の美容好きの間でオイル洗顔が美容メディアや口コミで広がっていることが垣間見えるようになります。
また、この2014-15年以降になってくるといくつかのメーカーからも美容法としてのオイル洗顔の商品が出されてたり、すでに知る人ぞ知る的な物としてひそかに醸成していたのではないかと思われます。

下記の本には皮膚科医の先生がオイル洗顔を勧めている記述が見られます。ここでは主に植物オイルでのクレンジングを勧められています。


参考文献
https://bybirth.jp/press/archives/7482
https://www.cosme.net/product/product_id/2096/review/504387406

そしてその2年後の2016年決定的な出来事がおきます。○○が動きます

そう。ベビーオイルで有名なJ&Jがあるものをプレスリリースします。それがこちらのリリースになります。それが、ベビーオイルの使い方に関するリリースです。おそらくすでに、このベビーオイルをクレンジングの代用として使うというやり方はすでにある程度普及していたのだと思われます。

引用元: https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M103693/201609264626/_prw_OR1fl_PvsYRhTA.pdf

これを機に各美容メディアがこの方法を取り上げるきっかけになります。

メディア情報
https://cancam.jp/archives/232600
https://www.lettuceclub.net/news/article/88370/
https://magazine.sheltter.vc/p814/
https://oggi.jp/190268
https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Papimami_95114/

これ以降、急速にオイル洗顔というものの土台ができあがってきたものだと思います。これ以降はたくさんの情報があるため割愛させて頂きますが、2016年以前までは比較的情報が限られていたため、まとめさせて頂きました。

オイル洗顔の言葉の歴史

これまでオイル洗顔の歴史の変遷を見てきました。次はオイル洗顔という言葉の歴史について見ていきたいと思います。しかし、こちらも最初に答えを言ってしまいますが、これもハッキリした明快な答えを出したいところですが、おそらくというところまでしか分かりません。

時代は1950年代に遡ります。
1950年代にハリウッドで出会ったマジックオイルを参考に、1967年にシュウウエムラのアンマスクと呼ばれる日本初のクレンジングオイルを開発することになったのは化粧品業界では有名ですが、その際にオイルでメイクを落とすことをオイルで洗顔する。オイル洗顔という表現を用いていた可能性があります。

この当時おそらくですが、オイルクレンジングという言葉自体がなかったものと推測します。ただし、洗顔という言葉はあった。

つまりオイルでメイクを落とすことをオイル洗顔と表現していた可能性があります。実際にシュウウエムラの歴史を取り上げた特集記事では、オイル洗顔と書かれていることからあくまで推測になりますが、オイル洗顔という言葉自体はここが広まった起源だと思われます。

ただし、ここでのオイル洗顔という意味がオイルのみの製品なのか、はたまた今のクレンジングオイルの原型の処方のものなのかは、私には今のところ分かりません。

このマジックオイルなるものや、アンマスクの成分が昔すぎて全く情報がありません。もしご存知の方がいればご連絡ください

参考
https://marienbeth.com/menu-facespa/03shu/02.html
https://www.vogue.co.jp/tag/shu-uemura?page=8

オイル洗顔の派生系の言葉の歴史

このオイル洗顔自体も実は派生系の言葉がたくさんあります。その中でも代表的なものを取り上げさせて頂きます。

クレンジングオイルではなく、オイルクレンジング

日本でクレンジングオイルというのができたのが、シュウウエムラのアンマスクというお話をしました。しかしこの時にはクレンジングオイルという概念を新しすぎて、普及させるのにかなり大変だったように思います。

クレンジングオイルと言われても認識されず、オイルでクレンジングすること、もしくはクレンジングオイルでクレンジングすることをオイルクレンジング(オイル洗顔と同義)と言われてた形跡があります。

オリーブオイル洗顔、オリーブオイルクレンジングという言葉の歴史

このオリーブオイル洗顔やオリーブオイルクレンジングという言葉は古くから一般の方で使われている方が多数いたようにブログなどの検索結果から見受けられます。

様々なブログでオリーブオイルでクレンジング代わりの代用されていたため、一般の方の中で知る人ぞ知る的な美容法として普及してきたのもあったのかもしれませんが、呼び方がなかったため、オリーブオイルで洗顔する、もしくはクレンジングするという意味で単純にオリーブオイル洗顔、オリーブオイルクレンジングと言われてたと思われます。

ただしこれも2008年ぐらい前のものしか検索にひっかからず、おそらくは、何千年もの前からあるオリーブオイルの歴史から考えてもっと古くから誰かが言い出したものと推測されますが、いわゆる発案者というのは実在しないのだろうと思います。

参考
https://ameblo.jp/beautytips/entry-10266610082.html
https://www.cosme.net/chieco/question/7039/detail
https://www.chiemax.com/beauty/skin-care/beauty-oil/434
https://plaza.rakuten.co.jp/naturallife111/7000/
https://komachi.yomiuri.co.jp/topics/id/210958/all/

ベビーオイル洗顔、ベビーオイルクレンジングという言葉の歴史

まず、ベビーオイルを使ったオイル洗顔についてはベビーオイルクレンジングとしてデビューしていた形跡が数多くあります。

ちなみにこれも何度も言っていますが、ベビーオイルはどこかの会社の特定の商品と思って勘違いしている人が多いですが、ベビーオイル自体は化粧水やクリームといったカテゴリーで、色々なブランドから様々な色んな種類のベビーオイルが発売されています。ベビーオイル=ミネラルオイルではありません。

また先の歴史にもあったようにJ&Jのプレスリリースによって各美容メディアに掲載され広まったと考えています。ただここには定番の使われ方としてベビーオイルが紹介されており、おそらくリリースを出した2016年には言葉としては、すでにかなり普及していたと思います。

実際に私の先輩もこのやり方はかなり昔からあるよと言われてたので2000年代前半にはすでに言葉としては一部の人には使われていたのだと思います。

ベビーオイル洗顔もしくはベビーオイルクレンジングという言葉は、これもおそらく他の言葉と同様に一般の方に普及していた言葉と思われ、誰が最初に言い出したのかは特定はできません。おそらく一般的に2000年代前半には使われていた言葉だと思います。

また、上記で示した通り2014年ごろには様々な美容メディアで取り上げられていて一般化していたことからも推察されます。

ただし言葉としては一番、ある有名人が言及したことで有名になったようです。それがGENKINGさんです。2015-16年頃、一時期テレビでベビーオイル洗顔(今回とは違う美容法)として紹介され話題になったような記述がネットで見られます。

ただし、このGENKINGさんの意味は洗顔料にベビーオイルを足すという意味でベビーオイル洗顔と言われており、今回の定義のやり方とは違う方法となります。

参考
https://fortune-girl.com/makecosme/19568
http://aguri.blog.jp/1023132936
https://career.cosme.net/Curations/detail/63

その他のオイルを使ったオイル洗顔も名前がついていたりしますが、本当にありすぎるため、ここでは取り上げません。ただどれも2000年代前半には使われていた可能性が高いです。

まとめ

オイル洗顔の歴史について、たくさん調べましたが分かったことは、誰が始めた、誰が最初に言い出したということが結局分からないという現実です。ただ、古くからあることだけは確か、時代の変遷によって一時的に流行ったりを何度か繰り返しているという感じです。

しかしよくよく考えてみれば、シンプルで安価で手に入りやすいオイルをメイク落としに使えないかみたいな美容ハック術はおそらく生活の中で誰かが考えたり、ちょっと試してみたり、自然発生的に広まっていくモノだと考えられます。

また言葉自体もオイルを使ってクレンジングする、洗顔するという方法を思いつけば、必然とオイルクレンジングやオイル洗顔と誰がつけたでもなく、そう表現せざるを得なかったのではないかと思います。

これは様々な伝統的な料理の起源にも似ている気がします。誰が言い出したか分からない、誰が初めにやったのかが分からないが、何だか流行って定着してしまった。

もし、オイル洗顔についてさらに詳しい情報を知ってるよという方、私の情報は間違っているぞという方はぜひご連絡頂ければと思います。特に1950年、1960年-70年代ぐらいの情報が鍵だと個人的には考えています。書籍や論文などがあればすごく有難いです。

最後に

今回、オイルをクレンジングや洗顔の代わりに使うオイル洗顔という視点で自分なりに歴史を調べてみました。私自身はこの美容法は非常に面白いと思っていると同時に、調べた結果かなり歴史が古いのにも関わらず、なぜここまで普及していないのかというところが疑問です。色々な要因があると思いますが、ひとつは技術的な要因が大きいかなと思います。

様々なメイクが誕生し、それに合わせてクレンジングが進化してきた歴史的経緯がありますが、このオイル洗顔は昔からある単一種類のオイルを使われていることが多く、ほとんど進化していないように初めて知った時に感じました。

今回このオイル洗顔というものをこれまでの自分の処方開発の経験を活かして、全て原料調達から自社で処方の開発を行い、かなりアップデートさせた商品をクラウドファンディングでリリースしました。

・メイク落ちを良くし、様々なメイク落ちに対応させる
・セラミドオイルを配合することで、保湿に特化させる
・オイルの欠点であるベタベタ感をなくす
・洗い流さないを利用し、美容成分を配合する

これが今回、この商品開発で僕がやってきたことです。自分がこれまでメイクや日焼け止め、クレンジング、スキンケアの処方の開発をしてきた経験が今回すごく活かせました。

調べたことで、自分がこのオイル洗顔の歴史の系譜に、進化の歴史を遂げるぞという気持ちでワクワクしています。この美容法が今後広まり定着するかは全く分かりませんが、クレンジングや洗顔に次ぐ第3の洗う選択肢としてあっても良いのではないかと考えています

勉強になったよーって方はぜひクラウドファンディングの応援やこのnoteもしくはクラファンの拡散をお願いいたします。

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