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その「欲しい」にはワケがある!?広告でよく見る心理テクニックを知ろう!

こんにちは。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房です。
月1回、デザインについてのアレコレを、ビギナーさんにも分かりやすく解説したコラムを書いていますので、良かったら最後まで楽しんでいってくださいね。




ここ数日で気温もぐっと暖かくなって、趣味のガーデニングが一層楽しい季節になりました。色とりどりの花が咲いて、花の香りに包まれる瞬間は、何とも言えない幸せな時間です…!
…とは言いつつ、花粉症と紫外線の脅威には十分気を付けたいところなのですが…(汗)

さて、いよいよ新年度が始まりましたね!
季節が新しくなると高まるのが「物欲」です!
…そ、そんなことありませんか…?私だけ…?
急に気温が変化すると、「あれ、この時期っていつも何着てたっけ?」とぐるぐる考えて、なにか一つ二つ新しい服を買ってしまう私です…。

洋服以外にも、例えば漠然と「痩せたいなぁ…/鍛えたいなぁ…」とか「脱毛したいなぁ…」と考えていると、「夏までに痩せる/鍛える」「今なら脱毛〇〇%OFF」などの広告が自然と目に留まりませんか?
実はこれ、偶然ではなく狙ってそういう広告が打たれているんです。

ということで今回は、広告でよく使われる心理テクニックについてご紹介していきます!

広告にも使われている心理学

私たちが日常の中で目にしている・耳にしている広告には、たくさんの心理学が使われています。
そもそも広告は、商品やサービスを広く世の中に知らせるために作られるもの。もっと端的に言えば、広告は「売るための手段」です。
せっかくお金をかけて広告を作るなら、少しでも効率よく売れる広告を作りたいですよね。そこで、たくさんの人に「これ欲しい!」と思ってもらうために心理学が用いられているのです。

それでは、実際の心理テクニック使用例を見てみましょう。


例① 「あなたのための商品」

架空の「在宅ワーク求人サイト」の広告

「毎日ペットと過ごしたいあなたへ」というキャッチコピーで呼びかける、在宅ワーク求人サイトの広告。イラストには、デスクで眠るネコちゃんと、幸せそうに仕事をしている女性が描かれています。

このように、「〇〇なあなたへ」とか「〇〇な人へ」などと相手に呼びかけたり、特定の情報を欲している人に向けた情報を載せたりすることで、見る人に「これって私のことだ!」と思わせる効果があります。

特定の情報を欲している人は、脳が勝手に「あの情報はどこにあるかな」と探している状態になっているので、自然と目に留まりやすくなるのです。

例えば、「転職しようかなぁ…」と思っている人には転職サイトの広告が、「最近疲れが取れないなぁ…」と思っている人には健康に関する商品の広告が、目に留まりやすくなっています。


例② 「今買えばお得!」

架空の「フィットネススタジオ」の広告

「今がお得!!」と「0円」が大きく配置された、フィットネススタジオの広告。トレーニングウェアの女性がこれからトレーニングを始める様子の写真が印象的です。

「〇月〇日までに申し込めばお得」と期限を定めて、かつ「通常だと〇〇円の入会金が〇〇円になる」という実際の数字を見せることで、見る人に「この機会を逃すと損をする」と感じさせる効果があります。

これらは、期限を定める(デッドラインを決める)のでデッドライン効果、価格の差を表示することはアンカリング効果と呼ばれています。

大手通販サイトやテレビ通販でもよく使われているので、きっと皆さん見たことがあるでしょう。「〇分以内にお申し込みの方に限り、もうひとつプレゼント!」という言葉はよくテレビ通販で耳にしますし、「ポイントアップセールは〇月〇日〇時まで」とか「この商品を買われた方に特別なオファーです。〇分以内に購入で〇円引き」というのは大手通販サイトで使われている手法ですよね。
こう言われると、欲しい気持ちを揺さぶられませんか?私はしょっちゅう揺さぶられて、たまに負けてしまいます!(笑)


例③ 「絶対に〇〇しないでください」

架空のスイーツ「しあわせマカロン」の広告

「絶対に食べないでください。」という大きな文字が目を引く洋菓子の広告。このマカロン、本当に食べちゃダメなんでしょうか?(笑)

このように、行動を制限されると、それぼど興味のなかったことでもしたくなってしまう効果があります。これをカリギュラ効果といいます。

例えば、何気なく見ているバラエティー番組で「答えはCMのあと!」と言われると気になってイライラすることや、普段はあんまりゲームをしないのに、テストが終わるまでゲーム禁止と言われるとゲームがしたくてたまらなくなってしまうのは、カリギュラ効果と言えるでしょう。

ただし、カリギュラ効果は諸刃の剣です。
「痩せたくない人は見ないでください」とか「ギャンブルで確実に儲けたくない人は実践禁止」とか、あからさまに誇張しているとカリギュラ効果は発揮されにくくなりますし、情報の信ぴょう性が低くなり、商品や会社自体の信用を落とすことに繋がるので要注意です。


極端な広告に注意!

架空の「粗悪サプリ」の広告
こういう広告、よく見ませんか?

動画広告やWEB広告でよく目にする「これを飲めば運動ナシで〇日で〇〇kgに!」「美容医療は必要なし!これだけでシミ・シワなくなる!」なんて広告を見ると、ちょっと信じてみたくなるのが人間の心理…。
もちろん、消費者をだまそうと思って作られる広告は(特別目立つだけで)そう多くはないとは思うのですが、中には「とにかく売れればそれでいい」と、実際には効果のないものを売りつけようと作られた広告もあるので、私たち買い手側はしっかり見極めなければならないのです。
(あまりに誇張した表現や実際に効果がないものは、いろいろな法律のもと取り締まられているのですが、イタチごっこのように次々出てくるので困ったものです…)

これを見極めるためには、勇気と知識が必要だと私は思っています。
例えば、「これを飲めば運動ナシで〇日で〇〇kgに!」という謳い文句があったとして、まずは「本当にそうかな?」と疑う勇気を持ちたいところです。それに加えて知識があれば「これは心理テクニックを使った広告だ。極端な数字で強く興味を引こうとしているんだ」と判断することができるのです。

粗悪品を売りつけようとしている広告に惑わされないよう、ぜひ「心理テクニック」を覚えておいてくださいね!


「心理テクニック」もっと知りたいときは

『サクッと学べるデザイン心理法則108』(翔泳社)という本がおススメです!
いろいろな心理効果の使用例に加えて、それぞれの心理効果の解説や、図工や美術の教科書で見たことがあるような錯視効果、色彩効果、そしてこのコラムでも頻出の「デザインの四大原則」を含むレイアウトの法則が紹介されていますよ!
紙の本と電子書籍があるので、読みやすい媒体を選べるのも嬉しいポイントです。


書籍情報

「サクッと学べるデザイン心理法則108」
321web(三井 将之) 著
発行:翔泳社
定価:1,848円(本体1,680円+税10%)
発売日:2023年02月06日
仕様:四六・152ページ
ISBN:978-4-7981-7577-5


まとめ

今回は、広告によく使われている心理テクニックについてご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。

ご紹介した心理テクニックは、買い手として広告を見るときだけでなく、自分で広告を作るときにも使えます
あくまでも、正直に誠実に使ってくださいね!悪用は厳禁ですよ…!
世の中の広告すべてが、誠実に商品やサービスをPRするものになって、悪意のある広告にだまされる人がいなくなることを切に願っています…。

最後にご紹介した書籍『サクッと学べるデザイン心理法則108』は、デザインに関わる方以外にも、雑学としても楽しめる要素満載です!
私は電子書籍で購入したのですが、出先で時間が空いた時に読めて便利ですよ~!公式サイトでの試し読みもオススメです!

それでは、次回もお楽しみに!




徳島県吉野川市のデザイン事務所 きらきら工房
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