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化学ニュースピックアップ vol.14 ~2021年ノーベル化学賞の深堀~

今回は、先日ご紹介したノーベル化学賞をより詳しく解説します。

多少、誤字脱字やおかしな表現がありましたが、後で修正しています(^^;)

化学式を省略した内容にしたので、今回は化学式も交えて解説します。
加えて、関連する2001年のノーベル化学賞についても触れます。

不斉合成

従来は金属と酵素だけだった化学反応の触媒に、新たに有機触媒を加えたのが今回の受賞者の功績です。
シンプルかつ安価、重金属よりも環境に悪影響を与えない、しかも反応効率に優れているという夢のような触媒です。
そして、鏡像異性体の一方だけを生成する不斉触媒としても働きます。
例えば、以下の図のように、アミノ酸の一種「アラニン」は鏡像異性体です。

画像1

アラニンの分子モデル(https://www.nao.ac.jp/releaselist/archive/20100406/background.html)

どちらもアラニンですが、左手と右手のように、重ね合わせても一致しません。

画像2

鏡像異性体は鏡写しになっていて、重ね合わせても一致しない(Wikipedia)

鏡像異性体は沸点などの性質は同じため、分離するのは困難です。
しかし、不斉触媒を使えば、鏡像異性体を作り分けることができます(不斉合成)。

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