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永遠に逆さま?「サカサクラゲ」

3,000を超える種が存在するクラゲ。
お馴染みのミズクラゲやアンドンクラゲの他、触手も刺胞も持たないウリクラゲやカブトクラゲ、発光するオワンクラゲなど、面白い特徴を持ったものもいます。

そんな変わったクラゲの中でも一際異彩を放つのがサカサクラゲです。
その名の通り、逆さまです。
しかも、水中を浮遊せず、底にくっついて動きません。

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サカサクラゲ(https://petraku.com/sakasakurage-9631.html)

多くの水族館で見ることが出来ますが、イソギンチャクのように見えるため、気を付けないと見逃してしまいます。

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サカサクラゲを横から見た写真(https://kuroshio.or.jp/creature/%E3%82%B5%E3%82%AB%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B2/)

サカサクラゲは、褐虫藻という藻類の仲間が体内に居て共生しています。
褐虫藻はサカサクラゲの出した二酸化炭素で光合成を行い、光合成で出来た栄養をサカサクラゲにあげています

この褐虫藻はクラゲの足の部分に棲んでいます。そのため、足を上に向けて日光を浴び、光合成がし易いようにしているんです。これが、逆さまになっている理由です。
そして、サカサクラゲは日光を浴びやすいように水深の浅い場所に生息しています。

また、光合成だけでは栄養が偏るため、プランクトンや甲殻類などを捕食しています。
その方法は独特で、大量の粘液を放出し、その粘液に触れた生き物を殺して捕食します(人には殆ど影響はありませんが、肌がヒリヒリするそうです)。
この粘液はゼリー状の物質で、刺胞を持っています。触れたものを刺し、毒を注入しているようです。
実は、この粘液については分かっていない事が多く、今も研究が進められています。
しかも最近になり、粘液の中に藻類がいることが発見されました。
サカサクラゲ本体の褐虫藻のように、光合成を行うのでしょうか?
不思議ですね。

ちなみに、サカサクラゲをひっくり返すと、ゆっくりと裏返って元に戻りますw

水族館に行ったときは、ぜひサカサクラゲを探してみてください。


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