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総合化学メーカーとは?

(前半無料です)
化学メーカーと言っても、化学プラントや化学繊維、塗料やフィルムなど、扱うものは様々です。
中でも、基礎原料から生産を行う総合化学メーカーは歴史が古く、他の化学メーカーより大規模なことが多いです。
総合化学メーカーとは

基礎原料から川中、川下の各種製品までの一貫生産を行う企業のこと
エチレンセンターを保有する企業に限定して呼ぶ場合もある。
                           Wikipedia

大雑把に言うと、様々な製品の原料を生産し、原料から製品も作っている企業です(実際には、厳密な定義はありません)。
具体的には、石油由来のナフサを分解してエチレンやプロピレンなどの石油化学基礎製品を作っています。そして、その基礎製品から合成樹脂や合成ゴム、化学繊維などを作ります
そのため、総合化学メーカーは産業・経済を支える重要な役割を担っています。

例えば、日本で代表的なのは以下のメーカーです。

・三菱ケミカルホールディングス
・三井化学
・住友化学
・旭化成

一般的によく名が知られているのはこの4社でしょう。
他には
・昭和電工
・宇部興産
・東ソー
・デンカ
・カネカ
・トクヤマ
などが挙げられます(もちろん、どの企業も有名です)。
化学業界で長く仕事をしていれば、ほとんどの方が何らかの形で関わっています。
挙げた中で僕が関わっていないのは旭化成だけですね。
展示会や学会で旭化成の方と話をしたことはありますが、残念ながら製品の使用含めて仕事で関わったことはありません(或いは、気付いていないだけかもしれません)。

ちなみに、三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学、旭化成、東ソー総合化学大手5社と呼びます。

三菱ケミカルホールディングスは複数のメーカーを束ねる持株会社で、国内最大の総合化学メーカーです。
世界の化学市場でもトップ10に入る巨大な化学メーカーです。

世界で見ると、以下の企業が挙げられます。

BASF(ドイツ)
ダウ・デュポン(アメリカ)
シノペック(中国)
SABIC(サウジ基礎産業公社)(サウジアラビア)

この4社がトップ4です。
BASFは世界最大規模の総合化学メーカーで、幅広く事業を展開しています。石油化学基礎製品はもちろん、塗料や医薬品、繊維、洗剤、食品添加物と、扱っていないものは無いんじゃないかと思うほどです。日本にも研究所や工場があります
出光興産や戸田工業など、複数の日本企業との合弁会社も設立しており、海外の総合化学メーカーの中では日本との結びつきが強い企業です。

総合化学メーカーの扱う石油化学基礎製品は差別化が難しいため、近年は中国メーカーとの激しい競争が起きています。
そんな中、台頭してきたのがトップ4に挙げたシノペック(中国石油化工集団)です。油田開発から石油精製→石油化学基礎製品と展開する巨大な国有企業です。

他には

〇ライオンデルバセル(オランダ)
〇イネオス(イギリス)
〇フォルモサ・プラスチック・グループ(台湾)
〇エクソン・モービル(アメリカ)
〇ブラスケム(ブラジル)

このような企業が挙げられます(ご紹介したのは、ほんの一部です)。

後半では、最近の総合化学メーカーの現状と、いくつかのメーカーをピックアップして解説します。

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