「革命的」左翼の欺瞞
現代における「学生運動」
「学生運動」といえば何を思い浮かべるだろうか.
年配の人であれば,60年安保やベトナム戦争反対運動などを思い浮かべる人が多いだろう.1970年ごろまでは,学生運動に共感を持つ人々が多く存在していた.しかし,連合赤軍内におけるリンチ殺人や,中核派対革マル派の内ゲバなどが明らかになると,次第に市民の支持は失われていった.
そうして,「学生運動」は過去のものになっていった.
しかしながら,現代において「学生運動」はまだ続いている.
そして,現在の「学生運動」を主導するのが中核派である.
「革命的」左翼の欺瞞
新左翼党派で最も構成員が多く,力を持っているのが中核派だ.
中核派は自らを「革命的左翼」と称する.しかし,中核派が「革命的」かどうかは些か疑問である.
現在の中核派による活動は,デモ活動が中心だ.
中核派を中心に「国葬粉砕」と叫ぶデモ隊が白昼の九段下で右翼団体と衝突を起こしていたのは記憶に新しい.
国会前闘争などは定期的に行われている.
デモにおいて,彼らは「岸田打倒!」などと叫ぶが,暴力的手段に訴えかけることはしない.中核派はあくまでもデモ活動を行い,それを「革命」と言っているのである.
一方で,過去の学生運動は暴力的であった.
それが良いか悪いかは置いておくとして,なぜ暴力的な手段に走ったかといえば,当時の学生運動は「暴力革命で本気で社会を変えられる」という信念の下に行われていたのである.
中核派は,口先では「岸田打倒」「自民党政権打倒」などというが,自民党本部に火炎瓶を投げ込むことさえしないし,岸田を襲撃しようともしない.
「極左暴力集団」とは名ばかりである.
彼らが暴力的な手段に訴えないのは,テロ事件やゲリラ闘争を行うだけの力がなく,「暴力革命で本気で社会を変えられる」という信念もないからであって,所詮,「岸田打倒」と叫んで,自慰行為をしているだけの存在なのである.
自身も暴力革命を起こそうと思ってもいないし,起こせるとも思っていない.そのような党派を「革命的左翼」と呼べるだろうか.
彼らは日本共産党をはじめ左派政党を「体制内左派」と批判するが,小さな民主主義を積み重ね,「議会を通じた漸進的な革命」を進める日本共産党のほうが,よっぽど「革命的」であろう.
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