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ゲ子の酒つづり
会った人すべてに「酒豪」だと思われるが、ひどい下戸である。
ヤクルトほどの量のビールを飲んだだけで動悸がして右手に持つ箸が落ちる。そしてガタガタと寒気がしてくる。生粋の下戸である。
しかし家族は無類の日本酒党で、毎晩何某かの日本酒が食卓に上がる。
今夜は瑠璃色の酒瓶だ。爽やかな透明感。ラベルの字もモザイク柄で洒落ている。
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「無濾過瓶燗火入れ」と。
濾過しないのはわかった。金属フィルターでコーヒーを入れた時のようにほんのり何かが沈澱しているのかもしれない。
燗火入れとは……?。 調べてみると、瓶に入れてから水につけて65度まで温めて急冷するやり方らしい。
瓶の中で発酵が進まないように酵母を熱で殺すのだろうか。
とにかく酒瓶の佇まいが若々しく、清々しい。
外池酒造店のHPを見ると、やはり作った杜氏さんも若かった。
「望」には、爪先立って先を見るような気持ちと、イタリア語のボーノを掛けているそうだ。
限られた酒店にしか卸されないため、たとえ外池酒造に行っても買えません。
我が家の瓶は、開けてから3日目の為、香りの広がりは若干減ってしまったが、純米酒らしい麹の香りはいまだしっかりとある。
若い杜氏の小野誠さんは、南部杜氏の修行をしたそうだ。どうりで香りの奥に辛さもちゃんとある。
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酒米、五百万石は淡麗な味が特徴らしいが、その米から柔らかさを出すのは杜氏の腕の見せ所なのだろう。
あぁ。 ごくりと呑んでみたい。
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