守宮泉

小説を書いたり、本を読んだり。日常にて思うことをつれづれと綴ります。人間が好きです。

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  • ヤモリの読書生活

    読書を中心とした日々の生活。

最近の記事

5月某日 私的小説との付き合い方~番外編~

 最近また、何のために小説を書いているのかわからなくなってきた。これは書いていないときに考えてしまう杞憂の一つで、言い訳にしていると言えばそうだ。今回は、"なぜ"という理由ではなく、"何のために"という目的がわからなくて迷っている。それはきっと「人に伝えるための文章」をずっと考えているからだと思う。  今までは「自分が楽しい文章」を書いてきた。けれど、それだけでは人に読んでもらえないと気づいて、「伝える」ことを中心に考えているうちに全然楽しくなくなってしまったのだ。言葉が遠く

    • 4月某日 体調がよろしくない私vs言語化したい私

       すこぶる調子が悪いときは詩がよく効く。歌詞も良い。感情がのせられていない言葉の羅列が脳の隙間に入り込み、じくじくとした痛みが楽になる。  夢からなかなか離れられずに、思考からも抜け出せず、頭痛とだるさに悩まされる日々が続いた週だった。  きっと、月のものと低気圧と日頃の不摂生が重なった結果だ。こういうときは寝ているに限るのだが、寝過ぎると眠れず頭ばかりが重くなる。  少し調子に乗って語学の勉強をすれば、集中しすぎて目がくらむ。お腹が減ったことにも気づかないまま、顔の火照り

      • 4月某日 『名探偵コナン100万ドルの五稜郭』鑑賞記録

         『名探偵コナン 100万ドルの五稜郭』を見た。コナン映画の公開は毎年楽しみにしているイベントの一つで、今年も公開前からわくわくしていた。『オッペンハイマー』を見た影響でごちゃついていた頭の中のリセットも兼ねて、夫と見に行った。  率直に言うと、情報量が多い作品だった。土方歳三ネタから謎解き、科学、殺陣アクション、みつどもえなど様々な要素がぎゅっとつまっている。特に今回は服部平次がメインであるからか、ラブコメ要素もたっぷりあった。  私のような深く読んでしまうタイプも夫のよう

        • 記事は明日投稿します。 今日は買った本を見てってください。 左は一目惚れ、右はWeb連載中から気にしていた本です。

        5月某日 私的小説との付き合い方~番外編~

        • 4月某日 体調がよろしくない私vs言語化したい私

        • 4月某日 『名探偵コナン100万ドルの五稜郭』鑑賞記録

        • 記事は明日投稿します。 今日は買った本を見てってください。 左は一目惚れ、右はWeb連載中から気にしていた本です。

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          2本
          ¥500

        記事

          【作品評】映画『オッペンハイマー』に見る社会と個人の在り方

           広島県で生まれ育ち、思考することがやめられない人間が映画『オッペンハイマー』を見て考えたことの記録です。ここに書いたことはこれからも考え続けるつもりなので変わる可能性は十分あり得ますが、今の時点での考えとして残しておきます。  初見時の感想をベースにパンフレットを読了した上の論述です。監督や役者が一番伝えたかったことをきちんと受け止められていることは確認できています。この作品が理解できる土台に立てている今、このタイミングで見ることができたことに感謝しています。  ここから

          【作品評】映画『オッペンハイマー』に見る社会と個人の在り方

          苺のチーズケーキを食べてきた。 苺の主張が激しい。 最近は毎日(週に1回休んでいる)1000字執筆をしているのだが、今週はnoteを書く時間を捻出できなかった。 生活リズムを整えてやりたいことをやるだけでこんなに大変だとは……。

          苺のチーズケーキを食べてきた。 苺の主張が激しい。 最近は毎日(週に1回休んでいる)1000字執筆をしているのだが、今週はnoteを書く時間を捻出できなかった。 生活リズムを整えてやりたいことをやるだけでこんなに大変だとは……。

          3月某日 私的小説との向き合い方①

           勉強と家事をしつつ、小説を書く、という生活を始めてしばらく経った。まだ本調子ではないので微々たる変化ではあるが、なんとなく規則的な生活ができるようになった気がする。相変わらず睡眠時間は長いのだが。  という文章を書いてから約2ヵ月が経った。あの頃はまだ勉強と家事が生活の大部分を占めていて、執筆は余裕があるときに行っていた。執筆の時間が取れるか取れないかわからないまま日中を過ごすと書きたい気持ちばかりが肥大する。その結果、まったく関係ない動画を見たりSNSを眺めたりして疲弊

          3月某日 私的小説との向き合い方①

          【SS】寂しさを食らう

           おばあちゃんは、寒くなるとよく煮物を作った。今日は冷えるね、と言いながら朝食に出してきた筑前煮はちょっと塩辛くてとても食べきれなかったけれど、あつあつのそれを口に入れると布団から出たばかりの手足に血が巡った。朝からこんなもの、と母さんは嫌がっていたけれど、私はそんなに嫌いじゃなかった。  うちは小さい頃から"父"がいなくて、母さんは朝から晩までばりばり働いていた。だから、毎日の食事はもっぱらおばあちゃんに頼り切り。おじいちゃんも一緒に住んでいたけど、いるのかいないのかわから

          【SS】寂しさを食らう

          3月某日 婚姻のお知らせと祝福の重圧について

           結婚は本当におめでたいことなのだろうか。「結婚おめでとう」という言葉を聞く度に違和感があった。なぜそんなに嬉しそうなのだろう、楽しそうなのだろう。家族から向けられるのはまあわかる。よく知らない他人からも祝福されるのが不思議でならない。  そもそも、「おめでとう」という言葉は何かを成し遂げたときや何かを認められたときにかけられることが多い。入学、卒業、誕生日、就職、出産、受賞など、願った結果、または誕生そのものに向けられる。結婚はどうか。「結婚したくてたまらない」、「結婚す

          3月某日 婚姻のお知らせと祝福の重圧について

          3月某日 感情と思想が大好き

           昔から自分の感情を発露するのが苦手だった。「感情が表に出ないね」と言われたことは何度もある。なんとなく、自分は感情がわからない人間なんだな、と思っていた。だが、フィクションでは感情が発露する瞬間を見るのが大好きで、人間は感情があってこそ人間だとも思う。だからか、他人の感情の動きには敏感な方だ。  私にとって感情は自分で表現するものではなく、その場の状況の一部として察知するものとなっているのではないか、と考えている。観察対象と言ってもいいかもしれない。  だから他人といるとき

          3月某日 感情と思想が大好き

          最近全然午前中に起きられない。 休み期間だと思ってたっぷり寝るしかないかも。 小説を1本書き上げたので嬉しい。 これから改稿作業をしなければ……。

          最近全然午前中に起きられない。 休み期間だと思ってたっぷり寝るしかないかも。 小説を1本書き上げたので嬉しい。 これから改稿作業をしなければ……。

          3月某日 【作品感想】『イティハーサ』における物語の役割

           心を動かされるような強い感情を抱くことはそうそうあるものではない。時たまあっても、長い期間続くことはめったにない。そんな状況がここ数日でまるきり変わってしまった。脳がぐらつくような強い感情が私を揺さぶって離さない。ようやくおさまってきたものの、隙あらば感情に呑まれそうになる。  そこまで私を感情的にさせた作品は『イティハーサ』という。早川書房から出版されている、古代日本(卑弥呼なんかもいない頃)を舞台にしたSF少女漫画だ。当時は掲載誌の事情でファンタジーに見せかけていたも

          3月某日 【作品感想】『イティハーサ』における物語の役割

          蠟梅が咲いていて嬉しくなった。 花の中では一番好き。

          蠟梅が咲いていて嬉しくなった。 花の中では一番好き。

          2月某日 2月のこれまで、3月のこれから

           気づけば2月も終わりに近づいている。ゆっくりと、しかし確実に過ぎていく時間の流れにはおののくばかりだ。ということで、本日は2月にやったことと3月にやりたいことを記録しておく。 2月にやったこと  2月から私は職を辞し、休養に専念することにした。だからといって暇だったわけではない。漢検の勉強をし、校正のテキストを読み返し、TRPGに参加し、1年ぶりに友人と会い、親知らずの抜歯手術を受けた。その合間に手続きやら通院やら長めの睡眠やら、いろいろ。それなりに忙しい日々だったよう

          2月某日 2月のこれまで、3月のこれから

          2月某日 雑談がわからない

           雑談。皆気軽に言うが、一体それは何なのか。辞書を開くと、 とある。よもやまは「さまざま。雑多。(同上)」のことらしい。つまりどういうこと……? と思った方は次の引用を見てほしい。  なるほど、話題のない話という意味か。意味を知るのは簡単だ。しかし、これは会話全体を示す言葉であって、部分部分は必ず繫がっているのが会話というものである。  たとえば、「リンゴは赤いよね」と言ったあとに「ゴリラはバナナが好きだよ」なんて返しは基本しない。「うん、花は白いのにね」とか「さくらんぼ

          2月某日 雑談がわからない

          【小説】チョコレートの魔女

           どっぷり暗くなった夜の道を、一人の少年が駆けている。彼は焦っていた。今日は二月十四日、バレンタインデーである。中学生になって三年目、ようやく念願のチョコレートをもらったというのに、それを学校に置き忘れてしまったのだ。家に帰って夕食後、自分の部屋でこっそり食べようとしたら肝心のチョコレートがない。真冬だというのに少年の額には汗がにじみ出ている。  幸いにも、学校には電気が点いていた。少年は担任に頼み込み、図書室の鍵を手に入れる。取ってこようかと申し出てくれた担任の行為は断り、

          【小説】チョコレートの魔女