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「冬優子は強いから耐えられる」って本当にそうなのだろうか?[シャニマス]

一人の冬優子担当Pとして書いた記事がたくさんの人に読まれ、賛否両論ありました。その中で、「この意見は本当にそうなのだろうか?」と特に思った反応について、自分の意見を伝えます。

私の意見すべてが絶対に正しいというわけではないですが、前回とは別の角度からこの問題を考える材料を揃えたつもりです。今一度、この問題について再度よく考えていただけると幸いです。

余談ですが、BRUTUSとは無関係に冬優子の魅力を存分に紹介する記事は近いうちに書きます。いい加減、いつものような記事を書いていきたいというのもあるので...。

「推薦者に悪意はなかった」のか?

「推薦者に悪意はなかった」「文字数を減らすために『腹黒』という言葉を使った」という意見をみました。これは憶測であり全く論理的ではない意見です。「悪意はない」と好意的に捉えるのは「そうあってほしい」というただの願望であって、事実ではないです。

事実はたった1つです。それは、「BRUTUSの紹介文で冬優子が『腹黒でオタサーの姫』と書かれたこと」だけです。それ以上もそれ以下でもありません。推薦文の意図は、推薦者本人が声明を出さない限り永遠に結論の出ないことです。

仮に推薦者本人に冬優子を傷つける意図がなかったとしても、「腹黒」と書いた時点で冬優子を傷つけているのです。悪意があろうがなかろうが、結果的に嘘の言葉で冬優子の名誉を傷つけているのです。そしてその責任は、推薦者とそれをフィルタリングして未然に防げなかった編集者側にあると思います。

「悪意はない」という憶測は、たとえばインターネット上で有名人に誹謗中傷して、「わざとじゃなかった」「犯罪になるとは知らなかった」と供述しても逮捕されてしまうことに似ています。「腹黒」という言葉の意味を教育されてなかろうが、誹謗中傷する意図がなかろうが、冬優子を誹謗中傷した事実に何ら変わりはありません。

「後半は良いことも言っているからOK」なのか?

ステレオタイプなかわいいアイドルを演じてはいるが、実は腹黒なオタサーの姫という設定。しかし(本人は否定するが)努力家で人情に厚く、面倒見も良い。計算高くアレコレと策は練るが、本人の人の良さからいまひとつヒールになり切れないところ、根性、潔さ、泥臭いところも含め、人間味が魅力。
●houndee (推薦文の投稿者)
「BRUTUSの2021年3月1日号」より引用

この紹介文について、「前半の『腹黒、オタサーの姫』と書いてあるのは確かに悪いけど、後半では褒めてるのだから良いのだ」という意見を見かけました。この意見にも反対します。たとえば、次のような推薦文であればどうでしょうか。

ステレオタイプなかわいいアイドルを演じている女の子。(本人は否定するが)努力家で人情に厚く、面倒見も良い。計算高くアレコレと策は練るが、本人の人の良さからいまひとつヒールになり切れないところ、根性、潔さ、泥臭いところも含め、人間味が魅力。
                  (元の解説文を一部変更したもの)

元の解説文から「腹黒、オタサーの姫」の部分を取り除き、「女の子」だけ追加したものです。この紹介文だったら、問題はないのではと思います。「ステレオタイプ」という表現も推薦者の感じた冬優子ということで、否定するつもりはありません。

前の記事でも言っていますが、「腹黒でオタサーの姫」という冬優子とは全く無縁の事実無根の嘘を書いたことが問題なのです。後半で良いことが書いてあろうがなかろうが、関係ありません。誹謗中傷する文章が含まれている時点でアウトです。

「腹黒はインパクトがあるから宣伝になる」のか?

「『腹黒でオタサーの姫』はインパクトがあるから、プロデュースしたときのギャップが大きい!」「『腹黒でオタサーの姫』はインパクトがあるから宣伝になる!」という意見もありましたが、これにも強く反対します。

まず、インパクトがあるかどうかは人によるでしょう。インターネットの一部のユーザにとっては、腹黒は「二面性を持っているキャラという意味」でインパクトがあるらしいです。彼らのなかには、「腹黒」という言葉を良い意味で捉えている人もいるようです。

しかし、世間一般では「腹黒」という言葉は「心に何か悪だくみをもっている、陰険で意地が悪い、性根が悪い」という意味です。これは辞書に書いてある正しい意味です。

言葉の意味は、誤用されたりして時がたてば変化することもあります。数百年後には、腹黒という言葉も二面性の意味を持っているかもしれないですが、現在はまだそうはなっていません。

なので現代においては誤用であり、不適切な日本語で、冬優子に対する誹謗中傷です。腹黒=二面性というのは、インターネットのごく一部の「方言、ローカルルール」でしかないです。

インターネットの一部のユーザは、「俺たちは腹黒を誤用した意味が正しいと思っているからいいじゃないか」「俺たちの方言ではそうなんだよ!」と思う人もいるかもしれないですが、それはアイマス界隈の内側から見ただけの意見だと思います。

なぜなら、BRUTUSの購入者には、アイマスPだけでなく、普段からBRUTUSを購入している読者など、アイドルマスターやインターネットで使われる誤用的意味に疎い人だってたくさんいるからです。

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「一般社団法人日本雑誌協会」から引用

BRUTUSの読者かつアイマスPという人もいるでしょうが、これぐらいの冊子数が市場に出回り、アイマスとは無関係の人がBRUTUSを購入しているわけです。

アイマス界隈やインターネットの一部の人たちと無縁の人にとっては、国語辞典に載っている世間一般の意味が使われます。方言というローカルルールは、都会では意味が伝わらないのと同じです。

インターネットの一部の方言と無縁のBRUTUS読者にとっては、冬優子の解説文を読んで「心に何か悪だくみをもっている、陰険で意地が悪い、性根が悪いキャラクターなんだな」と解釈します。

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「アンシーン・ダブルキャスト」より引用

ご覧のイラストの通り、冬優子は非常に整った容姿をしています。これだけ魅力的な冬優子にもかかわらず、BRUTUS読者にとっては解説文を読むだけで敬遠されてしまいます。

せっかくアイマス界隈の外にいる新規の顧客になりうる人たちに、ネガティブ・キャンペーンを実施してどんなメリットがあるのでしょうか?方言の意味が通用するのはごくごく狭い世界だけだということをこの際はっきりと言わせていただきます。

「二面性」は冬優子の説明時に公式で使われている

そもそも、腹黒という言葉を使うことの必然性が皆無です。次の解説文を見てください。

ステレオタイプなかわいいアイドルを演じてはいるが、実は二面性がある設定。(本人は否定するが)努力家で人情に厚く、面倒見も良い。計算高くアレコレと策は練るが、本人の人の良さからいまひとつヒールになり切れないところ、根性、潔さ、泥臭いところも含め、人間味が魅力。
                  (元の解説文を一部変更したもの)

問題のある表現を、二面性があるという表現に変更しました。二面性があるという表現と、腹黒であるということの違いは何か。二面性という言葉には誹謗中傷の意味がないことと、決定的に違うのは、断定していないことだと思います。

二面性
裏表のような互いに異質な側面をどちらも内包しているさま
                         weblio辞書より引用

二面性と聞いただけでは、どのような性質を2つ持ち合わせているのか断定・決定することはできないので、ミステリアスな印象を与えます。もしかしたら読者は、「二面性?ステレオタイプなかわいいアイドルとは違うもう一方の性格はどんなのなんだろう?」と気になって、シャニマスをプレイしようと思ってくれるかもしれません。

「二面性」という言葉が冬優子の性質を説明する上で適切な表現であることは、シャニマス公式でも「二面性」という言葉がトートバッグで採用されていることからも明らかです。断じて「腹黒トートバッグ」ではありません。

腹黒という表現では二面性を言い表しているどころか、悪い一面しか示せていないです。以上のことから、わざわざ腹黒という言葉を使って冬優子の性質を説明する必然性が全くないのです。

「冬優子は強いから耐えられる」のか?

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【オ♡フ♡レ♡コ】「#EGOIST」より引用

【オ♡フ♡レ♡コ】「#EGOIST」のコミュでは、自身のモデル写真が掲載された雑誌の感想をSNSでサーチしている冬優子が描かれます。

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【オ♡フ♡レ♡コ】「#EGOIST」より引用

冬優子は、SNSで「冬優子の性格が悪そう」というつぶやきを発見してしまいます。そして上述の画像ように「気にしていない、むしろ絶対に自分の二面性を見せない」と意気込んでいます。

このエピソードを見て、「冬優子は以前にも似たような状況になっても傷つくことはなかったのだから気にしなくて良い」「冬優子は精神的に強いから大丈夫」という意見をたくさん見かけました。これは極めて的外れな意見だと思います。

精神が強い人間だったら、嘘偽りの紹介文を書いて名誉を毀損してもいいのでしょうか?嘘偽りの紹介文の対象が精神が弱い人間だったら、「耐えられないだろうから」取り下げられるべきなのですか?

対象の相手によって処遇が変わるということを強く遺憾に思います。相手が誰であろうと、嘘偽りの紹介文で名誉を毀損してはいけないはずです。老若男女誰であっても、有名だろうが無名だろうが、精神的に強かろうが弱かろうが、名誉を毀損することはダメだと思います。「精神的に強いから、信じろ」なんていうのはおかしいです。

【オ♡フ♡レ♡コ】の状況とは似て非なるものである

さらに、この意見の欠陥として、【オ♡フ♡レ♡コ】のときと今回の事件では状況がまるっきり別物であることがあります。【オ♡フ♡レ♡コ】のときに冬優子のことを性格が悪いと批判したのは一人だけです。

今回の事件では、アイマスの公式が大々的にコラボした挙句、大勢の人間に解説文が晒されています。発信能力が高いのかどうかもわからないただの一般人1人が言っているわけではないのです。情報発信能力が高くないたった一般人1人の戯言と、雑誌という大手のメディアかつ大々的に宣伝された雑誌で誹謗中傷されることで状況が同じなのでしょうか?

いいえ、全く異なる状況です。確かに冬優子は精神的に強く、それは冬優子の魅力の1つです。担当Pのはしくれなので、それはわかっているつもりです。でも今回のような、自分の気持ちだけで割り切れるのかわからない規模の誹謗中傷に対して、冬優子が平然さを保っていられるのかでしょうか。

私にはわからないです。拡散されている状況が、規模の大きさが全く異なるからです。過保護だと思われても仕方ないし、耐えられるって信じたいけど、もし耐えられなかったときのことを想像するだけでとても悲しい気持ちになります。

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【オ♡フ♡レ♡コ】「#EGOIST」のラストで、冬優子はシャニPに「最後まで完璧なアイドルしか見せない(二面性を見せない)こと」について協力を要請します。一人で全部できるのだったら、わざわざシャニPに協力してくれと言うでしょうか?

もし一人で飲み込める事態であれば、「こんな戯言、勝手に言わせときゃ良いのよ」などと言って自己完結して、コミュが終わるのではないですか?

確かに冬優子は精神的に強いかもしれません。でも、どれだけ精神的に強い人だろうと、精神には限界があります。人間は機械じゃないのだから、我慢が限界になる時が必ずあります。

「冬優子は強いのだから信じてやれ」なんて言われても、そんなことを想像すると私は耐えられません。冬優子が悲しんでいる姿を想像するだけで、とても辛い気持ちになります。

「耐えられる強さがあるのだから、問題が起きても目を瞑れ、無かったことにしろ」という意見は違うと思います。強かろうが弱かろうが、誰かを傷つけていいわけではないはずです。少なくとも私にとっては、目を瞑ることも、無かったことにもできないです。

親(シャニマス公式)が子(キャラ)を守るのは当然の義務のはずです。どうかBRUTUSやアイマス運営は、誠実に対応してください。どうか、よろしくお願いいたします。

次回以降は再び楽しい記事もかけるといいなと思います。

本記事で使用されている画像はすべて©︎BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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