お弁当愛を語る〜ダブルアート真べぇ・後編〜
お弁当とともに歩んできたダブルアート・真べぇの人生。
そんな彼が居酒屋を経営し、やがてコロナ禍のなか、お弁当を売ることに。もちろんそのお弁当にも“アレ”が入ってます。
今の居酒屋「こっちこっち~」は、4年前にオープンしました。
これまたある人と知り合いまして、「資金も出すし、全部任せるから店をやらないか?」と。知り合って2回目の時に言われました(笑)。
オイシイ話に最初は不安もあったんですけど、正直、昔から飲食をやりたいと思っていたので、そこはチャンスだと思ったのでぜひ!とお受けしたんです。それで知り合いの不動産屋さんに、吉本の劇場近くにある難波周辺の物件で探して欲しいとお願いして、今の場所でやることになりました。
33歳の時です。
あと、売れてない芸人が、お店をやるのも面白いなぁと思って。でも、正直、相方とはそれがきっかけで険悪になったこともあったんですけど、一応、納得してくれて無事にオープンしました。
一期一会という言葉があるけれど、真べぇはその一会を大事にしているからこそ、そこから生まれたチャンスをモノにした。
最初は古くからの友人はもちろん、いろんな先輩や同期、後輩の芸人さん、吉本の社員さんも来てくれていい感じでした。
でも2年目くらいからやっぱりガクーンと落ちてきて……。
そしてファンの子たちも来てくれるんですが、一部、ワンドリンクのみで長居しはる人もいたりで、売り上げも上がらず、そういうお客さんでお店がいっぱいになるってことも多々あり、お客さんも回転せず……。
これはアカンとなってシステムを徐々に変えていきました。そうしたらまた以前のようにいい意味での活気も戻り、売り上げも伸びてきました。
が、3年経った時にオープンから厨房を任せていた人が退職してしまったんですよ。
僕は食べることは好きですけど、調理に関しては素人でしたし、この退職はキツかったですねぇ。そんな時、たまたま後輩芸人と飲みにいった時に、店のピンチ話をしたら、引き受けてくれることになって。
でも、今やってるバイトの引き継ぎがあるので4月からということになって、ちょうど4月8日がオープン4周年やったんで、そのタイミングで彼を迎えようと思っていたら、コロナでの緊急事態宣言。2ヶ月ほど休んで6月からメニューも再構築して、改めてスタートしました。
コロナ禍での飲食店のさまざまな試みは、素晴らしい。真べぇのお店「こっちこっち~」もついにテイクアウトに光明を見出すことに。
でもコロナ禍でおおっぴらにはなかなかやりにくい状態やったんですが、芸人仲間や吉本の社員さんたちがまた来てくれはって、随分と力づけられました。
実は、お弁当は以前から言われてたんです。
それでコロナ禍だし、始めようかと。
初めからお弁当に出すのは唐揚げ弁当と決めていました。
僕の食の原点であり、お弁当に愛を感じる上で、なくてはならないのが唐揚げでしたから。
あとは豚の生姜焼きと、ハンバーグ、それとかしわの炭火焼の4つに、それぞれのメインのおかずを2種類ミックスできる弁当も加えました。
ヘルシーなお弁当は最初から頭になかったですね。
基本、僕が好きなお弁当にしたくて。あとご飯が進むもの(笑)。
コロナ禍で緊急事態宣言がまたきてやっぱりキツいですけど、吉本新喜劇の高井(俊彦)さんとテンダラーの白川(悟)さんのバンド、ジ・白川バンドのイベントで、お弁当を70個ほど注文していただいたり、見取り図のリリーさんも、今ここ(劇場)にいる芸人全員にって30個以上頼んでくれたり、吉本の芸人さんが事あるごとにみんな注文してくれて、寝るときに思い出して嬉しくて涙出てくるんですよ。
あとご近所に勤めてはる人もボリュームあって満足してくれてはるみたいでリピーターも多くてありがたいです。
それと、やっぱり僕の原点は唐揚げ弁当なんで、その唐揚げを家でも食べてもらえるように通販も始めたんですよ。
“からあげさん”って言うんですけど、プレーン、カレー、ほんのり梅がつお、にんにくみそといった味のバリエーションがありまして、コロナ禍でなかなか外出できない人にも楽しんでもらって、自分なりの唐揚げ弁当を作っていただけたらいいなぁって。
あとこれから考えてるのは、玉子焼きも唐揚げと同じくらい好きなんで、出し巻き卵と唐揚げの弁当もゆくゆくは提供したいですし、究極は自分が納得するオリジナルのマヨネーズも作りたいんですよね。
■ダブルアート プロフィール
タグと真べぇのコンビ。2008年結成。
タグの特技は作詞、ティッシュ配り、耳を動かせる。
真べぇの特技はモノマネ・歌・作曲、けん玉、歓送迎会の司会と幹事。
ダブルアートINFO
「こっちこっち~」
住所:大阪府大阪市中央区千日前2丁目4-12 2F
交通アクセス:大阪メトロ千日前線「日本橋」駅、近鉄「日本橋」駅から徒歩3分。南海「難波」駅より徒歩7分。
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ライター/仲谷暢之
撮影/ポートワシントン笠谷
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