9番街レトロの日常コラム(神保町よしもと漫才劇場芸人連載企画 vol.3)
神保町よしもと漫才劇場所属の令和ロマン、ネイチャーバーガー、9番街レトロが月替わりで登場する新企画。
第3回目は9番街レトロの二人がお届けします。
【なかむらしゅん】
こんにちは9番街レトロ
なかむらしゅんです。
コラム連載えぐいっち。
今日は
【YouTube毎日投稿を1年続けてみて】
思ったことを書いてみます。
僕たちは去年の8月から9番街レトロのYouTubeチャンネルで毎日更新を始めました。と同時に2人ともアルバイトも辞めました。
当時のよしもとのお給料は3万円程くらいでした。
毎日動画を投稿しても再生回数は1000回にも満たず、今見返してもおもしろくないものばっかりです。
意味がないように見えるこのYouTube活動ですが、毎日嫌でも相方と会い、動画を撮るついでにネタ合わせをするようになりました。
今までどれだけサボっていたか
その時に気付きました。
動画の再生数やチャンネル登録者数は伸び悩んでいましたが、毎日投稿する事でコンビとして凄くいいサイクルが生まれました。
これはやってみないとわからなかった事で
紛れもなく毎日投稿から得たものです。
今動画の再生数も増えてきて
チャンネル登録者も5000人を超えました。
応援してもらえる人が増えるようにと
コンビとしてネタ合わせなど
サボらないように毎日投稿続けていきます!
あとお金も稼ぎたい…
おしまい。
【京極風斗】
もしYouTubeをやっていなければ。
YouTubeの毎日投稿を始めてもう一年になります。
「もしやっていなければ」
結論から言うと、今程の地位を築けていなかったと断言できます。
"今程の地位"は具体的に言うと、「7年目以下の吉本興業所属芸人の主戦場、神保町よしもと漫才劇場でTOP5に入るレベル」
ちなみにそのTOP5は、ぼる塾以外の知名度が皆無に等しいし、実際"9番街レトロ"を聞いたことがない人間がほとんどだと思います。
しかし、ここに入るか否かは我々下級芸人にとって大きな問題であり、正直ここに入っていないとそもそも芸人かどうかが疑わしい。恥ずかしながらそのレベルの話です。
「YouTubeが無ければそこに入っていなかったのか」と聞かれると、まぁ入っていた自信はあるのですが、今程容易では無かったのも確かです。
具体的な恩恵と言えば、まずは収入です。
僕は今「岡田を追え!」というYouTubeチャンネルでハネにハネている岡田康太という方と同居しています。
僕も彼も、東京都港区という一等地に住んでいながら、入浴も洗濯もままならない生活を送っています。
無論、この岡田康太さんもその生活に見合った収入で生きていたのですが、ここ最近、急激な再生回数の伸びにより、シンプルに"港区に住んでいる人の収入"になりました。
我々のチャンネルはまだまだ弱小で、再生回数も収入も岡田さんの数十分の一ではありますが、やはり、局を経由しない広告収入は働きに対して十二分であると言え、少なからず生活の足しになっています。
次のメリットとして、知名度の底上げがあります。
今現在、我々のチャンネル登録者数は5000人です。表面的には5000ですが、それぞれに家族、知人がおり、実質の"9番街レトロ"を知っている人数はそれの比ではありません。
それでも皆さんが思うような大きな宣伝効果では無いのですが、"チャンネル登録者数5000人"という数字は、劇場の客席を埋めるには十分な数だと言えます。
実際、「YouTubeで9番街レトロを知りました」と言うお声を多数頂き、有り難いと思う日々を送っています。
次に、自分を客観的に見られる。というメリットがあります。
我々は今自分で動画を編集しています。その中で悪い癖や、良い所を確認することが出来、それが各動画のコメント欄に顕著に現れます。これは当然演芸にも活き、芸を極める近道だと言えるでしょう。
他にも挙げていたらキリがないほど、YouTubeには沢山のメリットがあります。
「芸人がYouTubeなんて」の時代は確かにあったし、僕自身恥ずかしながら少し同意していました。
しかし、今や動画配信はひとつのお笑いのジャンルになりつつあります。
つまり、今この時代にYouTubeをしない芸人は、例えば漫才だけをする芸人や、コントだけをする芸人に等しく、間口を狭めている行為だと言えるのです。
もちろんひとつの道を極めるのは素晴らしいことであるし、かっこいいです。しかし、芸人としてより多くチャンスを掴みたいなら、YouTubeは必要不可欠なものであると断言できるのです。
と、売れた時に言いたい僕でした。
■9番街レトロ
2019年結成。京極風斗(左)、なかむらしゅん(右)のコンビ
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