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相席スタート山添の『星☆クズ』さらば青春の光・東ブクロ編「僕たちは女性に“遊んでいただいている”」

“クズ紳士”こと相席スタート・山添寛が、同じく“クズ”と呼ばれる芸人たちと、女性やギャンブルについて本音を語り合う対談企画『星☆クズ』。記念すべき初回は、他事務所の先輩芸人さらば青春の光・東ブクロを迎えた。

特に女性関係が激しいことでも知られる東ブクロから「“クズ芸人の後釜”の公認をいただいている唯一の後輩です」という山添だが、当の本人は「後釜というか、“一緒に走っていこうよ”って感じですけどね」という。そんな二人が思い描くクズ界の未来とは?
偏見的なコメントもあるが、ぜひとも広い心で読んでほしい。

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ファンと手と手を取り合うエンターテイナー

ーー今回の対談相手・東ブクロさんとは、ハライチさん、さらばさん、相席さん3組でやっている新ネタライブ『デルタホース』で共演しているものの、あまり接点はないそうですね。なぜ、東ブクロさんとお話ししたいと思ったんですか?

山添:“クズ芸人”の枠に入る人って、『下品な人・上品な人』、『モテる人・モテない人』、『クズをひけらかす人・ひけらかさない人』と分かれていると思うんですよ。その中でブクロさんは、ひけらかさないし、モテるし、クズ話も下品にせずに届けてくれる先輩。憧れるんですよね。皆さんに知っといてほしいのが、僕らは、クズをひけらかしたくはないということ。自分たちからも「クズです」とは言わないんですよ。

東ブクロ:やっぱり感じるのは(山添は)京都出身で、僕も大阪の京都寄り(京都府と隣接している茨木市)の育ちで、大学も京都の方(同志社大学)に行っていたので、これは京都のゲスさなんですよ。京都のちょっと上品でわきまえる所はわきまえる感じ。言葉遣いも丁寧やし、女性の扱いもちゃんとしているけど、内面は汚いところがあるぞっていう。お茶漬け出す感じですよね。

山添:あんだけ楽しい話していたのに……っていう(笑)。

ーー東ブクロさんは山添さんにどんな印象を持たれていましたか?

東ブクロ:常々思うのは、こういうヤツが女性の方とコンビ組めているっていうのは奇跡的なことやなと。尻に敷かれている感じはあるけども、やっぱり山添って“個”が立っていて、アナウンサー的な位置やと思うんですよ。“アナウンサーが芸人になったらこんな感じ”っていう。でも、男性アナウンサーってどっか目が怖いじゃないですか。目の奥笑ってへんし、眼力がすごい。山添ってその感じなんですよ。上品さもありつつ、芸人としての面白さもゲスさもあるから好きですね。

ーーお互いのクズエピソードやクズに対する考えで共感を得たことはございますか?

東ブクロ:多分僕が言ったことなんですけど「いろんな女性とお会いして、そういう関係になっているけど、結局、僕らが遊んでいるんじゃない。遊んでいただいているんだ」っていう。

山添:そうですね。男が“女性を弄んでいる”みたいな風潮があるじゃないですか。僕ら二人の共通認識は、“女性に遊んでいただいている”ということ。僕らが遊ぶのは男だけじゃないっていうことです。たとえば小さい時、友だちと遊んでいましたよね? そのときって“遊んであげている”っていう認識でしたか?

ーーそんなことは思わないですね……。

山添:それが年上の人やったら“遊んでもらった”って言うと思うんですけど、(それと同じように)僕らは女性を敬っているので、“選んでもらった”という感覚です。

東ブクロ:あと、有名な女優さん・タレントさんとは、絶対に仲良くなれないし、お近づきになれないじゃないですか。でも逆に僕らのことを好きでいてくれる女の子がいたとしたら、僕らはそこに歩み寄っていける。これ「エンターテイナーやな」って思うんですよ。
過剰なファンサービスというかな。

山添:ファンに手を出すって表現よりも、僕らはファンと手と手を取り合っているだけなんですよ。

ーー(笑)。

山添:向こうが差し伸べてくれているのに、その手を無下にする芸人が周りに多いなって思います。

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DMを送ってくれるファンに感謝と尊敬!?

ーーお二人がファンの方々のところに降りてらっしゃる(歩み寄っている)感じなんですね。

東ブクロ:“降りる”っていう表現ではないですね。対対ですから。

山添:芸人さんはよく「ファンに手を出すなよ!」っておっしゃいますけど、僕らは“ファンを下に見すぎてるなて”って引いています。僕ら対等やからそんな意識にならないんですよ。

東ブクロ:そうやな。“何をずっと舞台に立ってる気でおんねん!”っていう……これ、だんだん“正しいことちゃうんか?”って思えてきたでしょ?

ーー確かに僕の考えがおかしかったのかな? と錯覚してしまいそうになりますね(笑)。

山添:周りの芸人は酷いヤツばっかりです。ファンに手をださへんのに、チケットだけ買ってもらって。僕らはできる限り恩返ししたいだけなんですよ。

東ブクロ:だってすごい勇気ですよ? 僕らにDM送るのにも、わざわざ顔写真を貼り付けてくれる人もおるわけで。

山添:このご時世に顔写真送るなんてリスキーですよ。だいぶ僕らのこと信用してくれていますよね。

東ブクロ:それこそ今日の朝にもありましたけど、Instagramで『いいね』の欄ってあまり見ないんですけど、たまたま見たら、綺麗な子が『いいね』押してくれていて。その子、結構なフォロワーのおるモデルさんやったんですよ。今日半日、“DMこーへんかな?”ってずっとドキドキしていたんですけど来なくて。“じゃあこっちから動かなアカンな”って思ったときに、やっぱり『いいねありがとうございます。もしよかったらお会いできませんか?』っていう、一通目が送れない。それってすっごい勇気がいることで、今も悶々としているわけですよ。(DMを送ってくれる)皆さんは、この気持ちを乗り越えて送ってくれているわけじゃないですか。これは無下にできないですよね。

山添:女性側からアクションを起こさせるのって……。男としてちゃんと考えんとアカンところですよね。

ーー1人の女性を愛し続けるっていうことは思わないんですか?

山添:え? 逆に聞きますけど、1人の友だちとしか遊ばないんですか?

ーー(笑)。確かに、お二人の考えでいうと、そうなりますね。

山添:“選ぶ側”っていうのが上からいっている感じがしますよね。僕らは“選んでもらえたらいいな”っていうスタイルで頑張っていますね。

東ブクロ:お友だちやからね。“もっとお互いを知ろうよ”ってことですから。

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女性を敬う“クズ芸人”の美学を問う

ーー「自分からはひけらかさない」という話がありましたが、女性関係に関する美学やルールってございますか?

東ブクロ:「お前、顔で選んでるやろ」とかよく言われるんですけど、そうじゃないと。女性には絶対1つ良いところがあるので、そこを見ようとしているだけなんですよね。顔だけじゃなくて、“この素振りカワイイ”とか、“意外にこういう優しさがあったりするんや!”とか、そういう女の子の良いところを探すようにしています。そこを探る過程にエッチがあるわけで。

山添:男は「エッチがゴールや」って簡単に思っていますけど、いいところを探している最中にエッチがあるだけなんですよ。女性を知りたいという欲の中にエッチがあるだけなので「ヤッたんや?」「まだヤッてないの?」って言ってくる下品な男とは一線を引きたいです。僕らは「お前ヤッた?」って聞かれたら「まだ知りたい途中だ」とハッキリ言います。

ーーそんな山添さんのルールは?

山添:僕の中でのルールを言うと、遊んでいただいている女性の化粧品や家に置いていかはったものは、そのままにしています。

東ブクロ:お~すごいな!

ーー別の女性が来たときに“あれ?”と違和感を持たれるのでは?

山添:そうやって男子は言うんですよ。逆で、それを隠して“私しか出入りしてへんねや”って女性が本気になってしまい告白させて断るっていうのが、一番最低な行為だと思います。今後も“遊んでいただけるのであれば、遊んでいただきたい”という気持ちを込めて、全女性の化粧品をそのままにしておくことで、“この山添という男は、本当に遊んでほしいだけの男なんやな”と理解していただく。

東ブクロ:まぁ……俺は絶対に隠しますけどね。

山添:(笑)。

東ブクロ:その勇気は流石にないな。あらかじめクズだって知ってきてくれる子もいますけど、そこはやっぱり痕跡残さないようにしますね。

ーー女性に気づかれて問いつめられることはなかったんですか?

山添:あります。鼻の下を指で3往復くらい擦って「そうやな~」って(ごまかしています)。その時、女性が笑顔で「も~!」って言う瞬間が一番カワイイですね。今まで怒って帰るっていうことは1回もないですけど、帰らはっても、それを追っかける権利は僕にはないので「気分を害してしまったのなら申し訳ない」と謝りますけどね。

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山添の借金癖はケイの責任!?

ーー山添さんはギャンブルもされますが、お金を借りる際に決めているルールはありますか?

山添:ご挨拶をしてからでないと夢追いはしないと決めています。

東ブクロ:ご挨拶も夢追いもどっちも分からへんな(笑)。

山添:ご挨拶が“返済”で夢追いが“ギャンブル”です。返済してからじゃないとギャンブルはしないし、持ち金がなくなってからでないと借りようとしないです。

ーーちなみに東ブクロさんはギャンブルされるんですか?

東ブクロ:今やってないですけど、昔はやっていました。貯金はないけど借金はしないってルールでやっていたから、例えば今月5万円使えるとしたら、5万を握りしめて1日だけギャンブルに行くことはありましたね。だから、お金貸したことも借りたこともないんですよ。ただ、大阪時代は実家にいながら仕送りはしてもらっていましたけどね。

ーー実家にいながら仕送り(笑)?

東ブクロ:オカンに「今月お金ないわ」って言ったら20万円振り込まれるみたいな。

山添:すご! 圧倒的にカワイイ人間じゃないとそんなことできないですからね。だからブクロさんは“クズカワイイ”んですよ。

東ブクロ:そのときばかりは甘い声にオカンに話しかけますけどね。「ごめんなぁ」言うて。

ーー(笑)。最初、山添さんも、東ブクロさんのように「借金をしない」というスタンスだったと思うんです。いつから借金癖みたいなものがつきはじめたんですか?

山添:最初、相方の(山﨑)ケイさんから借りたのに負けてしまったとき、“なくなっちゃいました”って報告行ったら、ケイさんがすごく笑ってくれて。それを鮮明に覚えています。あと、ご挨拶(返済)がスムーズにいって、絆(借金)がなくなりかけた時があって。他の先輩から聞いたんですけど、当時ケイさんが「山添の返済がスムーズにきていて、もうすぐ借金がなくなってしまうのが寂しい」と言っていたと。男として、女性を寂しがらせるのはどうなんだ?と考え、そこから絆にのめり込んでいきましたね。

東ブクロ:ケイさんが悪いんやな(笑)。俺のオカンと一緒や。

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お笑い界で伝説になったラジオ番組の裏側

ーーお二人には、遊んでくれる女性が何人かいらっしゃると思うんですけど、人によって会う頻度が違うと思います。その差って何かあるんですか?

東ブクロ:タイミングよな。

山添:縁ですよね。もちろん、相手が次の日朝早いとかは気にしますし。

東ブクロ:その日誘うんやったら「無理しないで」って言いますし、僕の家から駅まで遠いんで、その子が朝早く出なあかんくて、僕が昼まで寝ていられる時は、必ず車で駅まで送って行きますから。そういう積み重ねですよ。来ていただいたんだから、それくらいしないと。

ーー今のご時世、女性が週刊誌にネタを売ることもあり得ますが、今のところそれがお二人にないってことは、しっかりフォローされているんですね。

東ブクロ:まぁ僕は暴露されているようなもんですけどね。ラジオ(TBSラジオ『さらば青春の光がTaダ、Baカ、Saワギ』)に、僕と関係を持った女性が何人か電話出演をしたんですけど、別に怒っているわけではないんですよ。出演してくれる日の1週間前くらいからやたら連絡がきて、“出るのが決まったから、それまでに何とかしたろ”って思ってくれたんやろなっていうか(笑)。

山添:“ブクロさんの背中がでっかいな”って思うのは、ブクロさんと遊んでいらっしゃる女性自身にも『チームザ・森東』(東ブクロの所属事務所)としての魂が宿っているんですよね。

東ブクロ:面白くしようとしてくれているよね。

山添:そんな意識を女性から感じたことがないので、さすがですよ。

ーーラジオ拝聴しましたが、確かに電話出演していらっしゃる女性がみなさん明るく話していらっしゃいますよね。

東ブクロ:ポップなんですよ。そこは救われているところです。普通、ああいうところで話すのは嫌ですけどね。それは全然良しとしてくれているのか何なのか、“ラジオが盛り上がるなら”って気持ちで出てくれはるんで、めちゃくちゃ感謝していますね。

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山添と東ブクロが読者の「私が困ったクズ男」を語る

ーー『月刊芸人』の読者の方に「#私が困ったクズ男」でエピソードを送ってもらいました。気になるエピソードがあれば教えてください。

相談1『平気で女友達の家に泊まりに行ったり旅行で同じ部屋に泊まったりしてた。それはもう諦めるとして、マジでそういうつもりがないのがキツかった。「友達同士だからいいと思った」みたいなことを本気で言ってて怒りにくかったです』

山添:(相談リストを見ながら)そもそも皆さんの言い回しが優しいんですよ。優しさが漏れてますよね。100%で相手のせいにしていない。この相談も、ギュッとしたら「友だちと浮気まがいのことをしていてマジ最悪だった」でいいじゃないですか。なのに、“それはもう諦めるとして”がまず優しさ。歩み寄ってくれている感じ。

東ブクロ:そうやな。譲歩してるもんな。

山添:そのうえで“マジでそういうつもりがないのがキツかった”って。そこで初めて自分のルールに反しましたと。ブチギレた、とかではなくて“本気で言っていて怒りにくかった”っていう相談なんですよ。これもう、彼氏のために頭を悩ませているっていう様子が浮かびますよね。

東ブクロ:なんとか気持ちを分かってあげているっていう優しさよな……。でも、多分やけど、ライターさんや相談者が求めているのはこういう答えじゃないと思う(笑)。

ーー「物申す」というテーマではあるのですが、お二人のスタンスからすると、そういうことでもないのかなと思い始めています(笑)。

東ブクロ:でも、この男は純粋に女性をそういう目で見ていないってことじゃないですかね。異性の友だちができる男だと思います。

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相談2『元カレが夜の経験のなく、私が初めてだったのですが、そんな私に向かって「経験人数1人は嫌だな」と言ってきたこと(付き合って2ヶ月ごろ)』

山添:彼女のおかげで全部がリアリティを増したんでしょうね。多分彼女とのイチャイチャが最高やったんでしょう。だから余計にいろんなジャンルを知りたくなったっていう。

東ブクロ:それを正直に言う男やからね。間違っていたら申し訳ないですけど、この女性はそういう経験があったのかもしれない。だから男側にも悔しさがあったんじゃないですかね。

山添:僕もそう思います。

東ブクロ:男側も彼女に嫉妬じゃないけど、“俺もそういう可能性もあんねんぞ”って心配してほしい気持ちもあると思います。

山添:自分が初めてのときって、好きな彼女が“他の男としてる”っていうことだけで、余計にヤキモチ妬きますからね。

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男性が使うあの言葉をなくしたい!

ーークズ芸人として今後願うこと、もしくはこんな活動をしてみたいというものがあれば教えてください。

山添:自分の使命として世直ししていきたいのは、女性を「ヤリマン」って言う男をなくしたい。

東ブクロ:本当に嫌な言葉よな。

山添:優しすぎるだけの女性に対して、“なんて下品な言葉を使うんだろう”って僕は思っていて。僕らは“ありがとう”って思うだけの話やのに、何をどこでつけあがったのか「ヤリマン」って呼ぶ輩が出てきたので、そういう男を撲滅していきたいです。

東ブクロ:好奇心旺盛な方というだけなんですよ。一人で寂しく過ごす夜より、誰かと一緒にいて“楽しかったな”って思える夜が多い方がいいわけですから。確かに「ヤリマン」はよくない。

山添:死ぬまでに一人でも「ヤリマン」と呼ぶ男を減らしていきたいですね。

東ブクロ:僕はセックスの捉え方に関して、日本は重んじすぎているなって思うんですよ。

山添:(笑)。

東ブクロ:もっと一緒にお食事するくらいの感覚というか、もうちょっとライトになってほしいし、「昨日ヤッた?」みたいな会話もいらないんですよ。挨拶とか歯磨きくらい当たり前になればいいなって思います。

山添:確かにアメリカ人がハグしても「◯◯とハグしたわ」とは言わないですもんね。

東ブクロ:日本にはその文化ないからね。確かに、各々の感覚が違うから難しいとは思うんですけど、挨拶程度になれば日本も良くなると思うんですよ。“距離が縮まる”という行為ですから。

山添:今は特にコミュニケーションも減ってきていますからね。ただでさえソーシャル保たないとアカンし、ネットで繋がれるし、体温を感じられない世界にはなってきていますから……。こうやって話してみて、ブクロさんはやっぱり頭の柔らかい人なんだなってすごく感じました。だから、今日話せて本当よかったですし、1回目のゲストにふさわしい方でしたね。

東ブクロ:やっぱり山添とは同じ匂いはするし、僕の目に間違いはなかったなって思います。

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ライター/浜瀬将樹 撮影/越川麻希

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