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カエル愛(フロッグス)を語る〜20世紀木本・前編〜

今回の愛は爬虫類である。苦手な方はご注意ください。
でも好奇心の方が勝っちゃう方はそのままズズッと読んでいただけたら。
最近は漢字圧の強さからレプタイルズなんて言葉を使ってちょっと圧を弱くしている感漂っていますが、20世紀の木本はレプタイルズの中でもカエル、いや、この場合は倣ってフロッグスと言った方がいいか。で、その専門だ。
恍惚の表情を浮かべながらケロケロと語る彼のフロッグス愛をどうぞ。

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出身が山口県の山陽小野田市ってとこなんですが、田んぼだらけで、僕の家の前も田んぼ。必然的にカエルがいるし、取れる身近な存在。
夜になるとまさにカエルの合唱状態で、6歳くらいの頃、なんか悲しいことがあったんですね、その時に外で鳴くカエルの声になんて優しい音色なんだろうって。もう心に響いたというか。それから意識して聞くようになると、種類や環境によって全然違うなって思うようになって、それからどんどんカエルに魅せられるようになりました。

小学校5年生の時、お父さんに小倉にあるチャチャタウンていう、商業施設に連れて行ってもらったんです。中にP2っていうペットショップがありまして、そこで初めてベルツノガエルというずんぐりむっくりのカエルを見て、“あ、このカエルを飼いたい!”って思ったんですね。でも、当時、まだそんなに流通してなくて、値段もすごく高くて、2~3万円くらいしたんですよ。当然飼えない訳で、とにかく絶対将来飼うんだって思って、それから図鑑でこのカエルのことを調べたり、お父さんに分厚い本を買ってもらったりして、飼うときのための勉強をしてました。

悲しいときに心の琴線に触れたカエルの鳴き声。そこからカエルにハマる人はあまりいないと思う。そして小倉で出会ってしまった運命のカエル。木本少年はそのカエルに対する飼育欲求を、知識を知るという方法でしばし我慢する……。

ベルツノガエルが飼えない分、家の前にある田んぼとかで捕まえたアマガエルや、ツチガエルとヌマガエル、ヤマアカガエルっていう種類を育ててました。カエルって、冬になったら自然に放すんですよ。冬眠させるために。
まだ子どもの自分には手に負えないので。なんかブルペンで肩だけあっためて、2軍で育ててた感じでした(笑)。

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念願のベルツノガエルを手に入れたのは大阪に出てきた18歳の時。当時住んでた家の近所にペットショップがあって、たまたま覗いたらいたんですよ、ベルツノガエルが! しかも、ちょうど手に届くような値段で、それにまず感動しちゃって。これは神様が今買えって言ってるんだって、啓示を受けたようになって。またその時の店員さんもすごく詳しくて、色々教えてくれて、それでさらに背中を押された感じで。まるでカエルの使徒でしたね(笑)。で、ご飯代をケチって有り難くうちにお迎えしました。

当時7,000円で、ケースも含めて合計15,000円くらい。
生活的には痛い出費でしたけど、でもこればかりは神の啓示だし、使徒まで用意してくれたら買わなきゃしょうがない。もし他の誰かにお迎えされてたら一生後悔するだろうなと思って。

正直、大阪に出てきて相方以外にあまり喋らなかったし、普段は家で塞ぎ込んでたんですけど、カエルがいると心が穏やかになって癒しが生まれましたね。何より、小学生の頃から一番飼いたかったベルツノガエルですから、僕の一番の味方になってくれた気がしました。

普通に話しかけてますよ。お前は味方か?って(笑)。
でも名前は呼んでも振り返らないのでつけてないですね。よくカエル好きの方のブログを読んだりするんですけど、そこで名前つけて書いてたりしてるとなんだか恥ずかしい気持ちになって…それで自分はあえてやめてます。

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基本、僕はカエルに見返りを求めてない。カエルって多分、自然に近い飼育ケースが一番ベストで、僕も自然をくり抜くっていうのがすごく好きなので、ケースの中に自然に近い環境を作って、そこでカエルが落ち着いてくれているのを見たらただただ幸せでした。
大阪ではまだないですが、実家で飼っていた時、僕が作った人工的ですが自然の環境の中で、何匹か飼ってたカエルが卵を産んでくれたんですけど、それは嬉しかったですね。決して傲慢だと思わないでほしいんですがちょっとカエルに対して“神”に近づいたかもって思いましたね(笑)。

念願のベルツノガエルを飼い、大阪で癒しを見つけた木本。
そんな彼が後編では大阪でのカエルライフをさらに一方通行の愛と共に語ります。

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To be continued

■20世紀 プロフィール
重本卓也木本悠斗のコンビ。2013年結成。
重本の特技は世界一長いギャグ 顔の感情表現(怒られた時の顔など) テニスのテイクバック綺麗。
木本の特技は遠投。趣味は麻雀、読書、ポケモンが好き。

20世紀INFO

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取材・構成/仲谷暢之(アラスカ社)
写真/月刊芸人編集部
写真提供/20世紀・木本悠斗


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