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おもしろ消しゴム愛を語る〜爛々大国・前編〜

かつて消しゴムは、間違った文字を消すためだけにあった。
それがいつしか、成型技術が発達し、スーパーカー消しゴムやウルトラマン、キン肉マン消しゴムとフォルムを楽しむようになった。さらに香料との融合で、チョコや花、カレーなど香りをも楽しむようになった。
そして現在、消しゴムは消せることは当然のこと(それまではこちらがおざなりになっていた)、愛でることへの追求が進化していた。
そんな、地味ながらも進化し続けているおもしろ消しゴムに魅了され続けている爛々の大国が“消しゴム”について語り、『おもしろ消しゴム マイベスト10』の消しゴム6位までを紹介します。

小学校1年くらいの時に近所の駄菓子屋に消しゴムが出てくるガチャガチャがあったんです。そこで出てきたのが醤油瓶の形をした物だったんですけど、よく漫画で素敵な人を見るとパーッとハートマークが広がるような感じがあるじゃないですか、まさにあの感じを醤油型の消しゴムを見て思ったんです。

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そこからいろんな種類を集めたい欲が出てきて、毎日毎日駄菓子屋に通って、ひとりで全部カラにしてしまったんです。店のおばちゃんには「あんたばっかりしてるからなくなってしもたやないの!」ってグチられたりしたくらい。それまで、四角い消しゴムしか知らなかったですから、いろんな形のものが出てくる楽しみ、それがダブっても良かったんです。
そこからですね、いろんなものを集めだしたのは。

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醤油瓶というあまりにも日常的なものが消しゴムになっているという衝撃は少女・大国の扉を開けた。そして行き着いたのは埼玉にある会社の消しゴムだった。

今、ダントツは埼玉県にある会社でイワコーさんですね。
そこの消しゴムは本当に素晴らしいです。
野菜、ケーキ、お寿司、恐竜などなどなど。ありとあらゆるものが消しゴムになってるんですけど、例えば握り寿しの消しゴムでも、1個ドーンではなく、ちゃんとネタとシャリが分かれてるんですね。
他にもパズルのようにはめ合わせていくタイプで。だから、出来上がったものに繊細さが漂うというか……。もちろん面白消しゴムは海外のものもありますけど、根本的にクオリティが全然違いますね。

ただ、ちょっとイワコーさんの消しゴムに不満があって…昔は一個売りが多かったんですけど、海外の方にもお土産として人気を博して、お寿司セット、学校セットみたいにテーマごとのコンプリートで売ってるんです。
これ、個人的に“チョメ!”なんですよね…。
寂しいんですよ、私自身としたら一個一個集めていきたいんです。
集めるプロセスを楽しみたいんですよ。ガチャガチャのノリ、ある意味、射幸心を煽ってもらいたい。ダブってしまうのもコレクターとしたら試練なんで(笑)。だからできればセット売りはネットだけとか、限定にしてほしいなと物申させていただきたいです。

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食玩の方には走らなかったですね、個人的には何の興味もない。そこには魅力を感じないんですよ。あくまでも消しゴムであるのがポイント。
そしてそんな消しゴムで、「なんでこれを作ったんやろ」と思うのが好きなんです。で、作り出したものもファンシーとリアルとのちょうど間ぐらいで、その塩梅も、子どものみならず大人、外国人の心をしっかり掴んで離さないとこなんちゃうかなと思いますね。あと、これが基本ですが消せるという実用性が伴ってるのがまたいいんです。

消しゴムコレクターの中でも分かれるんですけど、消しゴムとして使う派と使わない派がいるんです。私は使わない派。ちなみにイワコーさんのは、めちゃくちゃ消せるんですよ。真っ白になる。これは凄いですよ。形だけはしっかりしてるけど消えないのあるでしょ。文字、何にもなくなります! 消しゴムの会社であるという根幹がブレてないのも素晴らしいですね。

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ということで今回は、おもしろ消しゴム マイコレクションベスト10のうち6位までを紹介します!

おもしろ消しゴム マイコレクションベスト10(10位〜6位)

10位   どら焼き
皮の部分、あんこの部分、それぞれ作り込まれている繊細なところがお気に入り!

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9位  イカ焼き
先っちょのイカの部分のリアリティーに惚れぼれ!

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8位  苺タルト
もちろんそれぞれ分解出来るし、タルトと苺のブツブツも一つ一つ丁寧!!

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7位  ネギ
ネギて!!

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6位  じゃがいも
簡単なように見えて凸凹が作り込まれている。ラフさを作ることがどれだけ難しいか、思い知らされる。

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5位〜1位は次回後編にて発表! お楽しみに!

To be continued

■爛々 プロフィール
萌々(もも)と大国麗(おおくにうらら)の女性コンビ。
萌々の特技は、魚をさばく、トランペットを吹く(歴10年)、空手初段、 絵を描く、デザインや動画編集、 激安の服を着こなす。
大国の特技は、お洒落、服を売る、お化粧、歌を歌う、京都のいいとこ紹介、美容院でひと言も喋らずにいられる、ペルシャ絨毯の良し悪しを見分けられる。

爛々INFO


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取材・構成/仲谷暢之(アラスカ社)
写真/月刊芸人編集部
写真提供/爛々・大国

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