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【3月号】巻頭インタビュー・3時のヒロイン

2017年にスタートした、女性芸人のみのネタの大会「THE W」。3代目チャンピオンに輝いたのは、結成3年目のルーキートリオ・3時のヒロインだった。怒涛のブレイクの波に乗る3人は、今の自分達をどう見ているのか――。

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――「THE W」優勝おめでとうございました。年末から今まで、テレビ出演が増えて忙しくなっていると思いますが、渦中の心境はいかがですか?

福田:女芸人の大会で優勝したのであって、M-1やキングオブコントではまだまだなので、絶対に驕りを持たないということだけは決めてやっています。スケジュールが結構入ってきて、以前に比べてネタを書く時間がなくなってきているので、今年のその2つの大会が怖いんです。去年もミキさんやかまいたちさん、和牛さんたちはテレビに出ながらネタも書いて結果を残しているので、見習ってがんばろうと思ってます。

ゆめっち:今まで視聴者として観ていた番組のお仕事がほぼ毎日入ってるんですけど、逆に緊張しなくなってきました。それまではひとつの番組で「ヤバいヤバい」「なんもしゃべれんかった、最悪……」ってなってたのが、楽しくなってきたというか。

かなで:私はゆめっちと逆で、緊張する毎日ですね。もともとネタ3分のライブでも緊張していて、やっと楽しめるようになってきたくらいだったのに、今度は一個一個の収録で石みたいに固まってます。どうにか早く慣れたいですね……。

福田:今日も緊張してるよね。カチコチやん(笑)。

かなで:準備してきたことを全部やろうとすると裏目に出るタイプなので、もうちょっとリラックスして、笑ってもらえると信じてやることが大事なのかなって思います。

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――密着されていた『深イイ話』(日テレ系)では、福田さんが収録中にこっそり指示を出している様子が映ってましたね。

福田:今もよくやってます。2人ともアドリブが効きにくいときがけっこうあるので、もともと持っているくだりを「今ここ!」って振ったり。

ゆめっち:そういうアンテナが本当にないんですよ。早くほしいですね。

福田:アンテナ、優勝賞金で買えたらいいのになぁ。

かなで:私はアンテナを自ら閉ざしてしまうときがあるんで……。麻貴に「今いったら?」って言われても、「自分なんかがこんなこと言ってスベったらどうしよう」と思ってピュって閉じちゃう。

福田:スベらなしゃあないやん。私らみたいなのこそ、前に出な。かなでちゃんはめちゃくちゃ小心者なんですよ。

――あんな大胆なネタをやっているとは思えない緊張ぶりですね……。まだ結成3年目と歴は短いですが、これまでの期間で「このタイミングで成長したから優勝できた」と思うターニングポイントはありますか?

福田:結成した年に「THE W」が始まったんです。それで1年目も2年目も準決勝敗退で、一回諦めかけたんですけど、その年のいろんな賞レースを観ていたらやっぱり悔しかったので、そこから月に1回、新ネタを3本おろすことにしました。その時期があったから、ネタというものがつかめたのかなという感じはあります。ただ、実は「アッハーン」ができたのは結成半年くらいのときで、「これは売れるんじゃないか」と思っていたんですよ。でもうまくいかなくて。「THE W」であのネタを選んだのは、最悪優勝できなくてもこれでブレイクできないか、という気持ちからでした。

ゆめっち:私はあのネタが最初から大好きでした。すごいキャッチーだし、もし別の人がやってたらあの動きはマネしちゃうな、って思ってましたね。

かなで:私もダンスをやってて動きには自信があるし、3人のチャームポイントが詰まっていてすごくいいネタだと最初から思いました。

――あのネタはたしかに動きがキャッチーです。一方で、以前の「月刊芸人」でのインタビューで、無限大の芸人仲間から「女がワードで勝負すな」と言われたことに憤ってましたよね。

福田:元顔色よろしわろしの都築ですね! 吊し上げてやりましたよ。

――若手でもまだそんなこと言う人がいるのか……とちょっと驚きました。

福田:なんなら今でも「M-1目指す感じちゃうよな」みたいなことは言われますよ。悔しいですけどね。やっぱりずっとネタはちゃんとやっていきたいと思ってます。でもゆめっちはもうネタとかどうでもいいやろ?

ゆめっち:いやいやいや! バラエティのタレントさんになるのもいいけど、それでもネタもしっかりやってるほうが絶対残れると思うので、やっていきたいです。

かなで:ネタやりたいです。

福田:ほんまか? 2人とも、絶対私に合わせてるやろ(笑)。今年の賞レースも結果残したいんですけど、なんか今大きい口叩くのもなぁ。キングオブコント準決勝にはいきたいと思ってますけど……もちろん決勝にいきたいんですけど…………いや、決勝いきます! 言霊があるんで。

――ぜひ言っておいたほうがいいと思います。賞レースにこだわりがあるんですね。

福田:「男性芸人に認められたい」って気持ちが不思議とありますね。ネタに関して、どっかしらに「女のほうがおもんなさそう」みたいなイメージがあると思うんですよ。だから男を打ち負かしたいです。

――そのシーン、見たいです。それでいて3人の佇まいは、すごくポップでかわいらしいですよね。

ゆめっち:そうなんですよね。全員がポップなトリオとかコンビはちょっと珍しいかなって。みんな『パワーパフガールズ』みたいな海外アニメに出てきそうな感じじゃないですか。自分でテレビを見ていても「ポップやなぁ」って思います。

福田:ずっと自画自賛やん。

ゆめっち:大好きですね、3時のヒロイン。

福田:実際、パワーパフガールズみたいな衣装を着てた時期もあるもんな。芸人であることとはまた別に、女の子3人という魅力は前に出していったほうがいいかなと思ってるし、“アメリカのキャラ感”はめっちゃ意識してます。

――じゃあ、自分たちはそれぞれ戦隊やチームものでいうと何色だと思いますか?

福田:私、3人の色言えますね。自分がレッド、ゆめっちはピンク。ゆめっちはお色気担当だから。

ゆめっち:自分ではピンクか紫だと思ってました。

福田:あんまそういうので紫って見たことなくない?

ゆめっち:そっか。じゃあピンクで!

福田:かなでちゃんはイエローです。戦隊モノでいっても、ぽっちゃりキャラは黄色じゃないですか。

かなで:えっ、でも嬉しいです。私、小さい頃から周りの人に「黄色が似合う」ってずっと言われてたんですよ。それと二宮和也さんがすごい好きなんですけど、二宮さんのメンバーカラーは黄色なので。

福田:もうええって、かなでちゃん、最近二宮さんの話しかしてない(笑)。お笑いが頭にないやろ!

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■インタビュー動画: 「BEHIND THE STAGE」


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■3時のヒロイン プロフィール
(左:ゆめっち 中:福田麻貴 右:かなで
「おんな芸人NO.1決定戦 THE W 2019」(日本テレビ系)で優勝。5年前までアイドルグループ『つぼみ』に所属していた元アイドルの福田麻貴、ファッション好き&顔面インパクト強めのゆめっち、演技もダンスも両方できるハイブリットぽっちゃりのかなでから成る絶妙なチーム力が魅力の新世代お笑いトリオ。


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ライター/斎藤岬 撮影/越川麻希

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