オリックス愛を語る〜滝音秋定・後編〜
大好きな球団が調子が悪いのを見続けていると応援する感覚も少し麻痺してくるようで……。滝音・秋定が、清濁合わせたオリックス・バファローズへの愛をさらに語ります。
元阪神タイガースの能見さんが入ってきはりましたけど、知名度のある選手が入ると球団も注目されるので嬉しいですね。それにしても“華”ありますよね。もちろんオリックスの選手も“華”ある人いますけど、全然ちゃうなぁって思いました（笑）。
オリックスと阪神て移籍が多いんですよね。個人的な見解ですけど、オリックス出て阪神に移籍した選手ってなんかイキイキしだすんですよね。昔、葛城（育郎）選手っていたじゃないですか。オリックス時代は寡黙なイメージがあったんですよ。イチロー二世とか言われてて、職人ぽい顔つきで。でも阪神に行ってから、めちゃはしゃぎ出して、明るいおっちゃんみたいになって。全然イメージと違う。でも、その気持ちわかるんですよね。キャーキャーの度合いも確実にちゃうやろなって思いますもん（笑）。
とにかく今季期待することはですね、最近オリックスが「育成するってことを大事にせな」と思うようになってはるんですよ。昔は結構、「スター選手を獲ってくる」みたいな感じで。言い方粗いですけど、ピークを過ぎた選手とトレードしたりして、名前だけ有名な選手を入れようとしてたんですよ。売れてはいるけど、ピークはちょっと過ぎてるような……。
でも今は逆に、「身内から育てなあかん」ってなってるんですよ。高校生を獲得したりとか。昔から見てる者にしたら、あ、方針が変わってきて嬉しいです。
これまでも最下位やから、即戦力の選手を獲得せなって社会人をいっぱい取ってたんですけど、そういう選手って1～2年は良かったりするんですけど、限界が見えるというか、そこそこ活躍するっていう選手ばっかりになっちゃうんですよね。別に社会人が悪いってことではないんですけど、高校生やったら可能性が無限に楽しめるし、伸びしろの違いもあるというか。
とはいえ、オリックスのことをネットとかで見ていたら去年くらいから“5年後のオリックスが凄い！”、“5年後、こいつらが育ったらめちゃくちゃ強くなる”っていうのが書いてあったんですけど、僕、10年ぐらい前からそのフレーズを見てるんですよ。でも全然その5年後が来なくて（笑）。
だからあまり期待し過ぎないようにはしてますけど、ただ「育成」という方針を続けてくれたらオリックスはそれこそ5年後面白いことになると思います。
去年から代行で入ってきた中島監督、この方が凄いいい人で、最初は地味やなぁと持ってたんですけど、ベンチで一番はしゃぐし、興奮がわかりやすくて、それがむちゃくちゃいいんですよね。そういうのって選手たちにも影響してきますから。
オリックスのことを聞けば聞くほど、秋定は熱を帯びて、長年溜まっているもどかしさを話してくれる。決してけなしているわけではないので誤解のなきよう。それもひとえに愛しているからこそ……。
オリックスの広報の人も攻めてて、日本で初めてのことをやる気持ちでやってるんで、キャンペーンとか楽しみなんですよ。2軍のチームをサーパス神戸って違うチーム名にするとか。男性をスタジアムDJに起用したりとか、観客が犬を連れてきていいとか。客席で犬同士が喧嘩して試合どころじゃなかったみたいですけど……。あと、ボールドッグとかもいました。攻めてるでしょ。
オリックスのいいところは、見てる人が少ないので、そういうキャンペーンが「なかったこと」にできるんですよね。実際なんとなくしか覚えてないじゃないですか（笑）。そういや、ユニフォームも攻め過ぎてチェック柄にしたことがあるんですけど、パジャマで試合してるみたいにしか見えなくて、ファンも流石に擁護できないくらいダサかったです。
あと、オリックス選手の私服を飾ってみたり、どこに需要があるのかわからないですけどやらはりましたわ。T岡田が普通のTシャツ着てる姿とか誰が見たいねんて思いますけどね（笑）。まぁそれはそれで面白いです。とりあえず「やってみなはれ」の松下幸之助精神みたいなんをオリックスは受け継いではると思います。挑戦心がいいですよね。
「やってみなはれ」精神がオリックスにあるからこそ、数々のユニークな試みを仕掛け、挑み続けているのは秋定も見習うべき姿勢だとリスペクトしている。では、最後に、彼が予想する今季のオリックスを。
今季はすでに始まってしばらくたちますけど、なんやかんや勝ってくれてて嬉しいです。歳いった選手がどれだけ頑張ってくれるか、監督が選手をどれだけサポートしてくれるか、それに伴って若手がどれくらい出てくるか、
吉田正尚、山本由伸選手から後ろの名前が太田椋くんくらいで、なかなか出てこないですけどそこ期待してます。
順位はもちろん優勝！と言いたいんですけど、個人的には2位くらいで予想しときたいです。もう、過度に期待はし過ぎないようにしてるので。とにかく選手が楽しく試合してる姿を見たい、それをひたすら楽しく応援したいんですよ。だって強かったら、僕らを含めファン、きっとどういう顔していいかわからないですから。喜び方下手なんで。そういうのも含めてオリックスをこれからも愛したいです。
■滝音プロフィール
さすけ（左）と秋定遼太郎（右）のコンビ。NSC33期。
2020年 ABC「第41回ABCお笑いグランプリ」決勝進出
2020年 キングオブコント決勝進出
滝音INFO
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取材・構成／仲谷暢之（アラスカ社）
写真／月刊芸人編集部
写真提供／滝音・秋定
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