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メイド喫茶愛を語る〜マユリカ阪本・前編〜

「おかえりモネ」は、朝ドラ。「おかえりなさいませご主人様」と言えば、メイド喫茶。店内に入れば、その時だけ生まれる至福の主従関係。
そんなメイド喫茶を愛する男がマユリカの阪本だ。
特別な空間であるメイド喫茶を、もはや普段使いの場として通う阪本に愛を語ってもらった。

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初めてのメイド喫茶は、今は芸人を辞めた先輩に連れて行ってもらいました。そこは異世界というか、テーマパークというか、夢の国というか。
作り込まれた世界、プロの世界。すぐに魅了されて、ハマりました。
一時期、毎日行ってたほどです。

そもそもメイド喫茶っていうのは、お客さんがご主人であるという設定のもと、メイドさんが仕えてくれるお店です。今はショウタイムがあるエンタメ系のとこや、入場料取るとこ、ゲームコーナーがあるとこ、色んなオプションで値段が上がるとこなどなど、いろんなバリエーションがありますね。

僕が最初に連れて行ってもらったとこは、大阪の日本橋にある、CCOちゃっていう有名なお店でした。「ツンデレーダー」というメニューが名物なんです。

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最初にコースターを叩きつけられて、みんなの前でボロクソになじられて、最後にちょっとデレのひと言をくれてレモネードを出されるっていう内容なんですが、それが好きで。裏メニューになったらハイパーツンデレーダー、スーパーツンデレーダー、アルティメットツンデレーダーと上がっていって、お盆で頭叩いてくれる、ビンタしてくれる、四つん這いでお尻蹴ってくれる、最後はドリンクをかけられるという(笑)。

僕は四つん這いでお尻を蹴られるまではいけたんですけど、さすがにドリンクをかけられるっていうのは服もベタベタになるので頼めなかったですね。でも、相方の中谷はやってました(笑)。

でも、四つん這いのは、ただ蹴られるのではなくて、メイドさんによっては、店内を歩かせるんですよ。それで他にいるご主人様たちに挨拶までさせられるんです。さすがに恥ずかしかったですね。やったんかい!って話ですけど(笑)。もうツンデレ越して、ちょっとSMプレイのような段階になってました。ちょっと何してるんやろうって自分で思っちゃう瞬間がありましたから。だから自分の中でしっくりきたレベルは、ビンタでしたね。

基本料金はツンデレーダーは確か800円くらいで、裏メニューになってレベルが上がるごとに200円ずつ上がっていく感じです。ビンタは1,000円かな。でもドリンクをかけられるものに限っては1,600円。それだけ払って飲めないんですよ! まあ相方の中谷はそれでもやってましたけど(笑)。

僕自身の楽しみ方は、「お冷をお願いします」って頼んだ時に、「メイドさんが喋りかけてくれるかな?」「くれへんかな?」っていうドキドキというか、こっちからグイグイ行くんじゃなくて、向こうから来てくれた時に死ぬほど嬉しいって感じを味わうことです。
それとメイドさんを笑わせること。メイドさんひとりをロックオンして、その子のために笑わせるんですけど、それで笑ってくれた時はめっちゃ嬉しいです。

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どんなことを言って笑わせているのだろうか……。

めっちゃおもんないっすよ……(しばし躊躇)
「メニューはどうされますか?」って聞かれた時に「そうですねぇ、ちょっとだいぶ腹減ってるんで、チェキ撮ってもらっていいですか?」っていう……これ、まぁまぁの確率でウケますね。でもきっと今回、このやりとり部分を文字に起こされると、芸人として失笑されるかもしれない。

……現在、日本橋のメイド喫茶で行くのは2店舗くらいだという。しかもネタ合わせの場として使っているとのこと。

CCOちゃは楽しすぎるのでネタ合わせでは使ってないです。
メイドさんたちがあまり干渉しすぎない、純粋に喫茶店に近い店舗に行ってます。相方とネタ帳広げてあーだこーだやってると、時々はメイドさんが「何してはるんですか?」って聞いてくることはあります。その時は「ネタ作ってるんです」って言うんですけど、反応はマチマチ。
「コンビ名は何ですか?」って興味持ってくる子もいれば、「へぇ」ってそのまま興味なく去って行く子もいますし。ま、ネタ合わせしてもそう言うドキドキ感は忘れないようにしてます。

相方とネタ合わせ以外でもメイド喫茶は一緒に行ったりしますけど、2人の間でルールはありました。一時期、めちゃめちゃ好きなメイドさんがいて、彼女が喋りかけてくれた時は、とりあえず2人で喋りたいので、僕が鼻をこすったら、中谷がトイレにちょっと行くっていう。

でも、中谷が当時、必ずオーダーしてたのが、ミルクっていう、要は哺乳瓶に入った牛乳で、僕が何度も鼻を擦るので、その度に中谷がトイレに行くので、なんか牛乳が傷んでてお腹壊したのかなって思われたこともありました……。

あと、ルールではないですが、ポイントカードを作るんですけど、ご主人名を決めるんですね。僕は本名の阪本匠伍から“御所丸”ってつけました。
中谷のご主人様名は、僕が名付けたんですが“ブタ人間コンテスト”。本人いやそうでしたけど。とはいえ、メイドさんから「ブタ人間コンテストご主人様」って呼ばれたら「はい」って返事してますが。

次回後編ではさらにメイド喫茶への愛を語ってくれる……はず。

後編へ続く

■マユリカ プロフィール
阪本と中谷のコンビ。
阪本の特技は遠投。中谷の特技は絵を描く事(イラスト、マンガ、似顔絵)、口笛、バク転、バク宙、ブラインドタッチ。
2020年「第9回ytv漫才新人賞決定戦」決勝進出
第二回上方漫才協会大賞 新人賞

マユリカINFO

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取材・構成/仲谷暢之(アラスカ社)
写真/月刊芸人編集部
写真提供/マユリカ・阪本


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