見出し画像

マンゲキ芸人座談会~エルフ×天才ピアニスト〜Vol.4

今回はNSC38期生の女性コンビ、エルフ(荒川・はる)と天才ピアニスト(竹内知咲・ますみ)が登場。女性コンビならではの壁や苦悩、今、最も獲りたいタイトルまで、ざっくばらんな“女子会トーク”を繰り広げました。シリーズの最後、Vol.4では昨年の『THE W』振り返りや、2021年下半期の目標について語ってもらいました。

――月並みですが賞レースは1つ、1つ、獲っていきたい。

ますみ:マジで、何でもいいんで1位獲りたいですね。賞レースで1位を獲ったことないんで。

竹内:ないんでね。獲りたいですね。ネタを作る時も「賞レースで勝てるかどうか」っていうところで、勝てへんネタは正直、後回しにしていますね。楽しそうなネタとか、やってみたいネタとかもあるんですけど、芸歴10年目までしか出られない大会も多いので、それは後回しにして。

名称未設定のデザイン

――昨年の賞レースはいかがでしたか?

竹内:去年の『THE W』で準決まで行って、手応えはそんなに悪くなかったんですけど、決勝に行けなくて。同時期に、いろいろ負けたんですよね。『M-1』も去年は3回戦がなくて、もう2回戦で敗退してもうて。

ますみ:『関西演芸しゃべくり話芸大賞』(以下、『しゃべくり話芸』)も決勝はあかんかって。

竹内:いろいろ一気に負けたんですよね。で、このままじゃあかんなってめっちゃ思いましたね。そこから漫才の形を変えるきっかけになって。

荒川:私は、去年は、決勝に行けたら嬉しいけど、行けてからがスタートじゃないですか。『THE W』の準決勝では、こういう人らがおるんやって私らを知らん状態で見てもらった時に、「あ、ちょっと弱いかもな」っていうのがあったんです。去年の予選は、準決の時に初めてお客さんが入ったので、お客さんに笑ってもらえてほっとした感じで。それまでずっと「どうしよう、どうしよう」みたいな感じやったので、何も試せなくて。

ますみ:ずっと予選は無観客やったもんな。

荒川:そうそう。だから、どれがウケてたとかも分からへんから、今までの寄せ集めみたいなネタでやっていたので。今年は単独とかもやって、自分ら的に「これやったら、もし決勝で負けても……」って、負ける話はしたくないけど、負けても「私らはこれでした!」って言えるなっていう感じのものがちょっとずつできて……。もちろん決勝に行けなくて悔しい気持ちもあったんですけど、「これがエルフですよ」って言えないと意味ないじゃないですか。優勝もしたいですけど、やっぱり人前で「芸人です、イエーイ★」ってやるんやったら、自分の納得いくネタで行きたいと思っているので、その辺は、今年はまた違うかなって思います。

名称未設定のデザイン (1)

はる:私は悔しかったというか、去年の『THE W』の準決勝の時、さっき天ピが言ったように、自分の中ではマックスでやらせてもらえたと思ったんですけど、決勝はだめと分かった時に「あ~、そうなんや」って。でも「次、頑張ろう」ってバネにはなりましたけど……。で、結果が出るまで日にち空いたんですけど、その間に「行けたんちゃうか……?」ってちょっと思ってた自分も甘かったというか……。

ますみ:分かるわ~。

――皆さんは1年1年、区切りをつけて、気持ちを切り替えて大会に臨まれていますか? それとも年中、ずっとそのことを考えているという感じですか?

竹内:私は大会区切りですかね。大会ごとのサイクルといいますか、『M-1』に関しては、終わった瞬間に「次の『M-1』」やし、『しゃべくり話芸』も、終わったら「次」って。大会ごとに持っていくものが違うので。で、その年あかんかった部分を排除してという感じですね。

ますみ:私はずーーっと力入ってます……(笑)。なんかね……ずっと悔しいんですよね。よう言うんですけど、荒川は人のネタでも面白かったら「めっちゃ面白かった」って言ってくれるんですけど、私は面白かったら腹立つんですよ、めっちゃ。荒川のその性格はめっちゃ見習いたくて、人の事を褒めたいんですけど、私の心が狭いんやろうなって思うんですけど……。基本的にずっと「悔しい、腹立つ」って。劇場のバトルでも思いますね。とにかくずっと悔しいです。

はる:私は気づいたら何か大会があるみたいな。単独なりいろいろやらせてもらって、ネタ合わせとかやっていて、気づいたら「そういえば『THE W』、近づいてるで」とか、「『M-1』やで」って。賞レースももちろんですけど、他のライブにも出させてもらえるとなった時も、結局、やることはちゃんとネタを合わせていくということなので、気づいたらその時期になっていたということが多いですね。で、次に進めなかったからといって1年中、引きずることはなく、切り替えてやってる感じです。

名称未設定のデザイン (3)

荒川:『M-1』の予選がこの日やからって逆算して考えないとっていうのはありますけど……。さっき、ますみが私に「人を褒める」って言ってくれたじゃないですか。私も「むかつく」みたいな時があるんですよ。それ、「何でむかつくんやろう」って考えたんですけど、その時に思った通りのネタができなかったら、そう思うんですよ、私は。賞レースとか、ライブとかで「これを見てください」って言えるものがなくて、探している状態が一番しんどかったので、「これ、面白くない~!?」って自分が言えるものを持っていけたらいいなって思ってます。

――では、最後に2021年下半期に向けての意気込みをお願いします。

竹内:私は、今年は「『THE W』優勝」で絞っています。他の賞レースよりも。

荒川:え~! 私も『THE W』優勝したいもん、今年。 やからそれは気まずい(笑)。

竹内:(笑)。それはもう、ぶつけていこうや。

荒川:イヤや、気まずい~。

ますみ:もちろん『M-1グランプリ』とかの決勝に出て、優勝するっていうのが目標なんですけど、準決勝に行って、敗者復活戦に出られたら、テレビの全国ネットで漫才ができるじゃないですか。ほな、全国に営業で呼んでもらえるじゃないですか。行った先々で、美味しいもの食べるっていうのが……。

竹内:そっちメインやないか!

ますみ:いや(笑)、それもあるし、それで全国ツアー回りたい。

竹内:これは回りたい!

ますみ:だから、そのためには『M-1グランプリ』か『キングオブコント』の決勝、どっちか行かないといけないと思うので。そうじゃないと知名度が上がらないから。全国ツアーとかしたいがために決勝に行きたいです。

はる:私は『THE W』優勝はもちろんですけど、吉本ステッカーになりたいです。あと、MCもやりたいので、イベントも頑張っていきたいですね。

荒川:私は先ほど気まずい件があったので、目標を変えさせてもらうんですけど……。

竹内:なんでそんな一言添えんのよ。

荒川:(笑)、やっぱり「私しかできないこと」というのを常に目標に置いていて、SNSもやっているので、若者のカルチャーに女芸人がもっと楽しくワイワイ入っていけたら、また違う景色も観られるかなって、それを頑張りたいなっていうのがあります。まあ、(座談会では)初めにアレを書いていただいて……。

竹内:なるほどね。4人で言ったことにする? せーの!

エルフ・天才ピアニスト:『THE W』優勝です!

名称未設定のデザイン (4)

■エルフ プロフィール
荒川はるのコンビ。
荒川の特技は居酒屋のメニューを全部ギャル語にできる。
はるの特技は球技系のスポーツ、バルーンで犬を5秒で作る、どこでも寝られる。
2020年12月 よしもとリール王決定戦 優勝(荒川)
■天才ピアニスト プロフィール
竹内知咲ますみのコンビ。
竹内知咲の特技は理科の授業(高校理科教員免許所持、非常勤講師経験あり)。
ますみの特技はモノマネ、歌、採血(正看護師国家資格所持、10年の病院勤務経験あり)。

エルフINFO

天才ピアニストINFO

====
取材・構成/岩本和子
撮影/ポートワシントン笠谷

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?