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さや香、こんな時期だからこそ「強い気持ちでやるねん!」

コロナ禍で沈む関西において、『歌ネタ王決定戦2020』でのさや香での活躍と優勝はお笑い好きの中では嬉しいニュースだった。
そんな彼らに昨年を振り返り、さらにバレンタインデーの思い出を聞きました。

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——昨年、さや香にとって、どんな1年でしたか?

石井:個人的には、昨年7月に入籍しました。プロポーズをしたのが3月なんですけど、実は一昨年の年末から結婚を考えていて、色々と動いてたんです。それに結婚をしたらもっと仕事も頑張っていかないといけないと思っていたところに、新型コロナウィルスの感染が日本でも広がって、プライベートはかなり混乱したんですけども、まずは無事に入籍できて、そして賞レース(『歌ネタ王決定戦2020』)でも優勝できて、振り返ると結果出たし、マイナス面より、どちらかと言えばプラスのことが多く起きた1年でした。

新山:コロナ禍というこれまで経験した事のない1年でしたけど、個人的には楽しい1年だったかなと。ステイホーム中に『鬼滅の刃』との出会いがあったり、編み物にハマったりとか。マイナスな部分ももちろんありましたけど、ありがたいことにこれまで長期の休みを取れることがなかったんで、その中で『鬼滅の刃』と出会い、本当に好きになりました。めちゃめちゃ影響を受けまして、個人的な嗜好が発見できた1年でもありました。

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——『鬼滅の刃』と出会ったきっかけってなんだったんですか?

新山:大層なものではなくて、ただ流行ってるし、時間あるしちょっと一回見てみようかと。実は漫画は読んでないんです。アニメから入って、映画版も見て。王道ですけど、いちいちセリフがすごい僕の心のひとつ深いところまで刺さってくるんですよね。特に煉獄(杏寿郎)さんのセリフが……。

もう刺さりすぎてグッズを買おうと探したんですけど、煉獄さんのもので欲しいグッズが見つからず、結局、自分だけで使うため、携帯カバーを自作してしまったんです。

彼の「俺は信じる、君たちを信じる」とか「柱ならば、後輩の盾となるのは当然だ」とか「胸を張って生きろ」とか短いんですけど、僕が言うてる「強い気持ち」っていうギャグがあるんですけど、なんか自分の思っている「強い気持ち」ってこういう意味合いが色々詰まっているってことを、煉獄さんのセリフから感じたんですね。僕の言うてる「強い気持ち」の理想形で具現化したものというのは、煉獄さんなんやなと思ったんです。『鬼滅の刃』は、まだまだ追いかけるつもりです。

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——石井さんは昨年、入籍されたということですが、変化をどう受け入れてます?

石井:それまで4人でシェアして住んでたんですけど、昨年の10月に引っ越しました。実は入籍してからもしばらくはシェアしてる部屋に住んでたんで(笑)。だから嫁はんがたまに遊びに来るって感じでしたね。最初から別居してるようでした(笑)。

2人で住むって言うのは初めてだったので、なんというか慣れなくて、結局シェアしてた部屋に夫婦でいってしまうという(笑)。だけど新型コロナウィルスのこともあるので、外に飲みに行けないし、前に住んでた部屋にも頻繁に行くこともかなわないので仕事が終わればすぐ帰宅ってなると、ふたりの時間が増えて徐々に結婚して一緒に住んで、夫婦ってこんな感じなんかなって実感してます。

で、ふたりの時間が増えた分、僕は嫁はんの影響でさらにジャニーズや嵐のことに詳しくなり、彼女は僕の影響で千鳥さんや野性爆弾のクッキーさんで笑うようになりました。で、以前よりもさらに広くお笑いを楽しむようになりましたね。互いにリスペクトしてますね。

昨年末は嵐の最後のステージを一緒に見て泣いてましたし、家が嵐グッズの陣取り合戦みたいになったり(笑)。この仕事をしているので、嵐のみなさんにお会いしたかったんですけどかなわずだったのは心残りです。特に大野さんはなんか波長が合いそうで是非お会いしたかったんですけどねぇ。

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新山:そういえば、僕は逆に憧れてた方に去年お会いできたのは嬉しかった!

石井:あ、元阪神タイガースの能見(篤史)さんと鳥谷(敬)さんや!

新山:そう! テレビの仕事でお会いしたんですけど、小さい頃から阪神タイガースがむちゃくちゃ好きで、もうファンの方ならわかってくれはると思うんですけど阪神は離れたと言え、現役のトップ2に会えたのは本当に嬉しかったですね。

Instagramにも載せさせてもらいましたけど、収録の時のディレクターさんにお願いしてお2人に挟まれた写真を撮っていただいたことはもう至福でしたね。実は、その時にマイ阪神のユニフォームとペンを持って行ってたんですけど、さすがにお願いできなくて……。もしサインいただいてたらそれ着て球場に応援に行ってたのにってちょっと後悔はしてますけど。

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——賞レースのひとつ『歌ネタ王決定戦2020』で優勝しての影響はありました?

石井:それはもちろんありました。関西よりも関東の方がめっちゃ呼んでくれはって。『M-1グランプリ』で、松本(人志)さんはお会いしてましたけど、浜田(雅功)さんは、歌ネタの恩恵で初めてお会いしましたし、関ジャニ∞さんにもお会いできたり結構いろんな番組出演させていただいて嬉しいですね。

新山:ただ歌ネタ王関係で呼んでいただけると、僕のネタ中の労働力としたら9.5 対 0.5くらいなんで(笑)。

石井:その分、漫才の時は任せてるやん(笑)。その配分とか言い出すと普段の僕がしんどくなるから(笑)。
歌ネタ王関連で呼ばれるとどうしても結構、次は次は? って求められることがあるので、前もって“僕らは歌ネタ王の2本で全部出し切ったので、それ以上はなかなか難しいです”って。

そっちばかりりになっちゃうと、しんどくなるのはわかってるので。やはり漫才の部分を観て欲しいし、量産するのも難しいネタなので。いいバランスで軽く呼んでもらっていいかなと。漫才とのバランスは取れてるかな。

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——ちなみに「歌ネタ王」での優勝賞金は何に使いました?

石井:奥歯が10年ほどなかったので歯を入れたんです。保険効くのもあったんですが、長らく寂しい思いをさせていた歯茎に“保険適応のヤツ入れんのかい!”って怒られそうやったのでしっかりしたいいヤツをと、ジルコニアセラミックを入れました。これがかなりの金額でしたけど、賞金で賄えました。でも奥歯がある生活はかけがえないです(笑)。

新山:実は賞金はまだプールしてまして。車が欲しいなと、でも流石にまだ足りなくて。次の賞レースで優勝して、その賞金と合わせて買おうって思ってます。理想はポルシェのカイエ。口座ゼロになっても手に入れたいです。目標高い方がやる気出るんで。

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——質問を変えまして、2月ということでバレンタインデーがありますが、おふたり甘い思い出とかありますか?

石井:あぁ、芸人なってからエグいくらい人気なかったんで! バレンタインイベントをやったとしても! 既婚者であんだけ炎上させたスーパーマラドーナの武智さんよりも、チョコレートもらってなかったですから!

新山:僕も芸人なって、ぶっちゃけそんな印象的なバレンタインデーのエピソードってないんですよねぇ。

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——……そうなんですか。では学生時代は?

新山:これも、うわ〜ってもらったとかないんですよ。多分、年齢的に女子がキバって男子に意を決して渡すって、あることはあったと思いますけどそれやったら女子同士でチョコ渡し合うとか、みんなで交換することが普通になってその流れでもらったりとか。確かに男子側はそわそわしたり、なんか起こる期待は正直ありましたけど、記憶の中にキュンキュンするような事柄はなかったですね。

石井:チョコレートはもらいたかったんで、友だちと生チョコを手作りして、女子に渡してました。先手打って渡せば、逆に女子側からもらえるやろうなと、今思えば浅はかな知恵ですけど(笑)。

新山:高校の時、彼女がブッシュ・ド・ノエルを作ってくれてバレンタインデーにくれたんですけど、もちろんそのチョコケーキがブッシュ・ド・ノエルってわかってましたけど、わざと“これ、潜水艦ちゃうん?”てボケて言うたら彼女が“ちゃうわ~”って。“いや、これ潜水艦やん!”みたいなやりとりして公園でイチャイチャしてたんは記憶にあります(笑)。

石井:あ、バレンタインデーくらいの時期の思い出ありました!(笑)。 一緒に出かけたんですけど、たまたま彼女の分の荷物も全部僕が持ってて、ひょんなことではぐれちゃったんですよ。彼女の携帯も僕が持ってたので連絡が取れなくて、結局、彼女は某百貨店の迷子受付センターみたいなとこで泣いて待ってました。再会した時、「一生会えんくなると思ってた~」って言われた時は、可哀想と思いつつキュンキュンきてました(笑)。

新山:泣いてたんや……(笑)。

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——では、バレンタインデーの次は今年の話をお聞きしたいのですが賞レースはいかがですか?

石井:この4月に芸歴10年目に入るので、出場できる賞レースは全て出て、優勝していきたいですね。一個一個、関西の賞レースから取りたいです!

賞は取れた時は、嬉しいですけど、反面、決勝まで行ったのに負けた時の悔しさは年々強くなっていったんで。まだまだ先ですけど、最後の『M-1グランプリ』は、本当に自分自身どんな感情になるんやろうって思います。もし決勝に残って取られへんかったら、悔しい気持ちがめっちゃ強くなるのかなぁ……。それとも吹っ切れるんかなぁ……そんな感情が……。

新山:『M-1グランプリ』はもちろんですけど、個人的に今年は『ABCお笑いグランプリ』と『YTV新人漫才賞』に全部力を使ってしまっていいんかなと思ってますね。なんとなくですけど。9年やってきて漫才はメインとしても、もっと笑いに対して視野を広げていっていいのかなってのが自分の中にあります。個人では『R-1ぐらんぷり』も出てますし……。

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——漫才師さや香として、昨年からの思いっていかがですか?

石井:コロナ禍になって、吉本が劇場を持っているというのはなんてすごいんやろうって改めて思いましたね。ステイホームになり、仕事もなくなっていってどうしようかなってなる時期ありましたけど、それでも舞台が配信であったり無観客だったりもしましたけどそれでも再開してまた漫才ができたのは、やっぱり劇場があるからだなぁと。だからまた今、なかなか劇場が満員にはなっていない状態ですけど、一回一回大切に出番を務めさせてもらいたいですね。

新山:相方も言うてますけど吉本が劇場を持ってるからこそ舞台があって、そこで出番があって、やっぱりすごいなと思います。感謝ですね。
まだどんどん劇場に来てください! とはなかなか言えないですけど、落ち着いたら、ぜひ舞台で繰り広げられる生の笑いを改めて堪能していただきたいです。
正直、無観客が一番やりにくい。お客さんゼロの漫才はやりたくないですから、早く劇場に賑わいが戻ってくることを楽しみにしてます。

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■さや香プロフィール
新山(左)と石井(左)のコンビ。
2014年結成。新山の趣味は恋愛相談。石井の趣味は漫画・アニメ。
2020年ABC「第41回ABCお笑いグランプリ」 決勝進出
2020年MBS「歌ネタ王決定戦」 優勝

さや香INFO

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ライター/仲谷暢之(アラスカ社)
撮影/矢橋恵一、月刊芸人編集部


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