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【9月号】ラニーノーズ、いずれはなるかも「〇〇音曲漫才師」

音曲漫才師として大きく舵を切った2018年秋。そこからぐんぐん腕を磨き、2019年9月には念願の『歌ネタ王』を獲得したラニーノーズ。パンクバンド「Runny Noize(ラニーノイズ)」としても活動し、常に華々しく、注目を浴びる存在だ。だが、当の本人たちは「やりたいこと」を実現するために試行錯誤を繰り返してきた日々だと振り返る。

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僕たちはいつもマイナスからの始まりだった

――単刀直入にお伺いしますが、おふたりには「順風満帆」というイメージがあります。

山田:僕ら、何してもいつも出だしはマイナスからのスタートですけどね。本当に。NSCに入った時も、同期が500人以上いて、僕らだけが唯一、一番最初のネタ見せの時にネタの途中で止められたんです。

洲崎:先生に止められて。

山田:「もうええわ、お前ら~! やめろや~! パクリやないか~」言われて(笑)。

洲崎:当時、1組2分のネタ見せやったんですけど、2分も持ちませんでしたね。

山田:今思えば、そりゃそうなんです。吉本新喜劇の有名なギャグを現実社会に、例えば会社の面接とかでやって、変な空気になって怒られるっていうコントをやったんです。それが、僕らみたいな0年目のヤツが新喜劇のギャグをやるのは失礼だろうと。ギャグで笑いを取ろうとしていたわけではないんですけど、「やめろお前ら~!」って言われて。同期の中でネタを止められたヤツらがおるっていう不名誉から始まりました(笑)。その時、出鼻をくじかれた感はありましたね。一発目、初めてのネタ見せで。そうやって、基本的にダメなところからスタートしました。

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――そこからどのようにラニーノーズは出来上がっていくんですか?

山田:0年目は、ギターとか、歌ネタを一切やってなかったんですよ。で、NSCを卒業して1年目の時にギターを使うコントを作って、そのまま5upよしもとのオーディションに合格したんですけど、そっからがもう探り探りで。

洲崎:バトルイベントが毎週土曜日の朝10時開演でやってて。僕ら、3週連続ぐらい最下位を取ったこともあって。

山田:一番最初、それこそ1回目の時は最下位で。マイナスです、ずっと。順風満帆というわけではないんです。

――そうなんですね。YouTubeも割と早い段階で始められていましたが、それも試行錯誤の一つだったんですか?

山田:YouTubeはずっとやりたくて。NSCに入った時からやりたいなと思ってたんですけど、やっていいよと許可が下りたのが芸人になって2年目の時でした。

洲崎:始めたのが6年前くらいですね。

――そういう先取りなところも「順風満帆」なイメージに加算されますね。

洲崎:勝手にいろいろやってただけなんで、僕ら。

山田:確かに、たまにエリートみたいなことをイメージだけで言われることはあるな。

洲崎:うん。

山田:でも全然。

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よしもと漫才劇場の新MCになり1年、今思うこと

――2019年9月によしもと漫才劇場のMCの世代交代があり、ネイビーズアフロとからし蓮根、さや香の4組で新MCになりました。そして同じ時期に『歌ネタ王』も獲られて。まず、いわゆる「劇場の顔」になったという点で、何か気持ちの変化はありましたか?

洲崎:アインシュタインさん、吉田たちさん、令和喜多みな実さん、祇園さんとか、上の方がすごかったので、僕はちょっとプレッシャーを感じました。

――プレッシャーというのは、うまく回せるかとか。

洲崎:そうですね、そこまでMCの経験がなかったので。

――よしもと漫才劇場をこういうふうに引っ張っていきたいという展望はありますか?

洲崎:夏フェスとか、カウントダウンライブとか、今までの兄さん方がやってた時はめちゃくちゃ人が入ってて。それはMCとか、上の方がしっかりしてたからやろうなって思うので。でかい会場でやってもほんまにすぐ満席になるぐらいのイベントというか、そういう劇場にはしたいなと思います。見習って。

――そういう劇場になるには、何が必要だと思いますか。

洲崎:え~、人気と知名度かな。

山田:この2つはでかいでしょうね。それとチームワークと。

――何か大きなムーブメントが起こる時って、全体的に熱気に満ちていて、そこに関わる人たちがみんなやる気に満ちている。そういう点でいうと、おふたりは焚きつけるタイプか、その火を燃やし続けるタイプなのか、どっちだと思いますか?

山田:焚きつけるっていう感じではないですね。

洲崎:うん、燃やし続ける方なのかもしれないですね。とはいえ、今もそれができているわけでもなくて…。

山田:僕ら、劇場のなかでは自由にやってる方だと思うので。バンドもしていて、劇場外での活動も自分らで勝手にやってる方なので。

洲崎:もしかしたら、劇場からするとやっかいなヤツらかもしれない(笑)。

山田:スケジュールを組むうえでも。だから意外でしたよ、MCの話が来たときは。でも、嬉しかったです。頑張ろうって思いましたし、それで賞レースも、1つ箔をつけるためにも獲りたいなって。MCになった時は何もなかったので。

――『歌ネタ王』のタイミングは、ちょうどよかったですね。

山田:そうですね。これからももっと活躍して。それぞれの活躍が劇場への貢献に繋がると思うので。今、劇場への来場者数は制限されていますけど、オンライン配信にはチケット売切れとかもなく、いくらでも見てもらえるので、そこで人を増やせたらなと思います。

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配信で見せたいものは、いまだかつて見たことのない洲崎

――お笑いをやって、音楽をやって。メディアも舞台、テレビ、YouTubeといろんな選択肢がありますが、どこに主軸を置いていきたいですか?

洲崎:劇場とYouTubeですかね、今は。

山田:一番好きに、やりたいとことができるのはYouTubeですね。そこをどれだけ大きくしていけるか。

――YouTubeの今の登録者数は約53000人です。登録者数の目標人数は。

山田:100万人。

洲崎:100万人はいきたいですね。YouTuberのイベントとか、100万人登録者数枠で出られたりするので、知名度が上がるでしょうし。

山田:テレビを見ている人の層と、YouTubeを見ている人の層って大きく分かれていると思うので、今のまま舞台をしつつ、テレビももっと露出が増えて、そっちの方にも知ってもらえて、YouTubeでもどんどん広がっていって、やりたいことを叶えていけたら一番理想だなと思いますね。バンドもしているので。

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――2020年、後半は『M-1グランプリ』ですか。今後の展望をお伺いしようと思いつつ、今年はもう残りわずかになりました。

洲崎:2020年、やりましたっけ? ほんまに(笑)。ほぼ何もしてない。

山田:家おったな。家おるしかなかったな。

――いわゆる「ウィズコロナの時代」ですが、その面でもYouTubeに力を入れていくという感じでしょうか。

山田:そうですね、配信を。

洲崎:「配信があったから助かった」というお客さんの声があって。この状況を逆手に取るじゃないですけど、今の時代で良かったなと思いました。配信とか当たり前にできなかったときは、もっとしんどかっただろうなと思います。

――配信がなかったら単純にもお顔が見られないですからね。そういう面ではファンの皆さんと繋がっていましたね。

洲崎:はい。

――配信ではどんな部分を見せていきたいですか?

山田:音曲漫才師として『歌ネタ王』を獲らせていただいたので、音曲漫才の僕たちをもっと沢山の人に知ってもらうということと、もう一つ上のステージに行くために、やっぱり洲崎の新しい面をどう見せるかですね。内面的なものも含めて、新しい一面を出していけたらいいかなっていう感じですかね。

洲崎:もう料理されるがままですからね。

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――みんなが知らない、付き合いの長い山田さんだけが知っている洲崎さんの意外な一面ってありますか?

山田:ああ…。言っていいかちょっとわかんないですけど…。

洲崎:あかんやろ、じゃあ。もうあかんやろ。

山田:……土踏まずがないくらいですね。

洲崎:扁平足(へんぺいそく)は言ってええわ!

山田:だから、新たな一面としては、言うても僕たちも今年32歳の年で、洲崎が結構、頭髪がキテるんじゃないかって前から言われているので。

洲崎:彼だけですけどね、そう言ってるのは。

山田:いっそのことハゲたらハゲたで「ハゲ音曲漫才師」として新しいジャンルが開かれるんかな…? 

洲崎:「ハゲ音曲漫才師」やったら俺だけやん。お前の要素なくなる!

山田:ずっとこう…顔ファンといいますかね、(洲崎の)見た目が好きだという人が、(洲崎が)結婚して、子供が生まれて、「もう顔はいい!」ってなっていると思うので…。

洲崎:「顔はいい!」って何やねん。今までどこ見ててん。

山田:お前の顔はもういいってなっていると思うので。これからは「さて、面白いんだろうな?」って感じだと思うので、そういうのを出していけたらいいなと思います、いろんな面で。僕も髪を染まくっているので、「ハゲ音曲漫才師」を2人で実現する可能性は大いにあります。いずれね。それはそれで面白いと思います!

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■ラニーノーズ
洲崎貴郁(すざきたかふみ)(左)と、山田健人(やまだけんと)(右)のコンビ。音曲漫才師。
2012年に結成。NSC35期生。よしもと漫才劇場を中心に活動中。
ベースとドラムスのメンバーを加えたバンド・Runny Noize(ラニーノイズ)として音楽活動もしている。


■インタビュー動画 「BEHIND THE STAGE」


■ラニーノーズINFO

ラニーノーズ単独ライブ「オトカケマンゲキ3rd」
2020年10月16日(金)
配信開始21:00 配信終了22:00
※見逃し視聴は配信開始から24時間後まで※
料金: 有料配信1500円
出演者:ラニーノーズ


Runny Noize 有料生配信ライブ
Thank God It's Runny’s Day 〜神様ありがとう。今日はラニーのワンマンだ!〜
2020年10月31日(土)開場19:00 / 開演19:30
¥2,200(税込)
PAI LIVE STERAMING (Pコード:780-893)
※販売期間:2020/09/06(日) 20:30~2020/11/06(金) 23:59
※アーカイブ:1週間後の11/7(土)23:59まで(チケット販売期限、11/6 23:59まで)
<お問い合わせ>キョードーインフォメーション
TEL:0570-200-888(平日・土曜 10:00〜16:00)

https://w.pia.jp/t/runnynoize-pls/


     

マンゲキ×∞×神保町 presents わちゃフェス
20209月27日(日)12:00~22:00 開催
ネタはもちろん、オンラインならではの3劇場リレー企画や対抗バトルなど、色々盛り込んだ10時間生配信!
約100組以上の新世代芸人たちによるお笑いフェスをご自宅でお楽しみください!



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ライター/岩本和子 撮影/越川麻希
スペシャルインタビューMOVIE:CAMSIDE

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