ネイビーズアフロ、2021年の目標は「漫才をむっちゃするタレント」
10年目のラストイヤーに『NHK第50回上方漫才コンテスト』で見事優勝に輝いたネイビーズアフロ。高学歴芸人としても評判の彼らだが、賞レースでは後輩たちに出遅れ、悔しさや焦りも。そんな焦りの中で、トークイベント中に大喧嘩をしたことなどを明かしてくれた。2021年は、400本もの漫才のネタを武器に、本格派漫才師への覚悟を決める。
――『NHK第50回上方漫才コンテスト』優勝おめでとうございます。感想をお聞かせ下さい。
皆川：芸歴10年目で、関西の賞レースで戦うのも10回目ぐらいなんで、焦り半分、あきらめ半分があり、もう取れへんのんちゃうかなーって思ってました。後輩が優勝する姿を何回も見て、めちゃくちゃ悔しい思いも何回もしてたんで、めちゃくちゃホッとしましたね。
紙吹雪が出てきた時は、ほんまにこれ自分らのなんかなぁっていう、ちょっと信じられへん嬉しさもありました。あまりにも欲しかったんで現実感がなかったですね。ほんまにもらえたんかなぁみたいな、そんな感覚すらあった感じですかね。
はじり：出場資格が終わっている大会もあるので、ほんとに安心しましたね。周りの先輩や後輩に「おめでとう！」って言ってもらえた時に嬉しい気持ちが込み上がってきました。
――『バツウケテイナー』のメンバーが賞を獲得することに対して悔しさや焦りはありましたか？
皆川：『バツウケテイナー』(サンテレビ)という番組は、さや香とラニーノーズ、僕らの3組が出ているんですけど、もともとはアキナさん、和牛さん、アインシュタインさんから引き継がせて頂いたんです。
3組の人気が凄かったのでちょっとプレッシャーもありつつ、「3組が協力するのはもちろんやねんけど、個々で結果出して知名度上げて、番組を盛り上げて行こう！」と言っていたところなんで。既にラニーノーズもさや香も他の賞レースで優勝しているので、自分達も貢献できたのが嬉しいですね。
はじり：『バツウケテイナー』に関しては、焦りとかは特にありませんでしたね。まぁ個人的に芸人人生を長く考えたときに賞は取っときたかったんで。
――今日の会場「なんば白鯨」での思い出やイベント出演の予定はありますか？
はじり：1年先輩の牛ペペのおねえちゃんさんに誘われて、一回出たかなぁ。おねえちゃんさんの強化ライブみたいなものですが、そういや俺出たかな？
皆川：ギャロップの林さんのトークライブやスーパーマラドーナの武智さんとかが、ここをお借りしてほんまにお酒飲みながら後輩を呼んで、SNS一切禁止の踏み込んだ話をされてますね。大半は劇場ではできへんようなイベントやってる感じですかね。したことないんで機会があれば是非したいですね。舞台ではできないことができる場所なんで。
はじり：ロフトプラスワンのように、飲みながら都市伝説やゴシップネタをやってる芸人もいるんで、普段やっていないことをここではやってみたいですね。そういうことができる貴重なバーなんで。
皆川：宗右衛門町にロフトプラスワンというトーク・ライブハウスがありまして、そこでは1回2人でライブやったことがあって、1年半ぐらい前に朝まで。お客さんも100人ぐらい入ってくれて、お酒飲みながら。そのイベント中に大喧嘩しまして、2人で。
はじり：ほんま殺したろか思いましたよ。
皆川：俺も殺されるんちゃうかと思いました。トーク中に、なんか熱くなってダメ出ししてしまったので。
はじり：帰ってから「二度と舞台上でそんなことすんな」ってLINEしたら、電話かかってきて。お互いブチギレましたが、それで仲良くなりました。舞台上でもブチギレてて、僕が「トイレ行くわ」言うて、トイレから20分程帰りませんでした(笑)。
皆川：何が原因か覚えてないんですよね。
はじり：舞台上で熱い話というか、「お前なんか後輩からエエ噂聞けへんぞ」って。週4ぐらいで飲みに行くガチで仲の良い後輩が言ってることをいじったりして。お客さんにしてみたら2人の裏側が見れてよかったみたいな感じでしたけれども。
皆川：質が悪いんです2人とも。むちゃくちゃお酒好きなんですけど、むっちゃ酒癖悪いんですよ。その相乗効果で電話して、録音してたら誰にも聞かされへんような内容で、「オラァーー！！！」って。お互い高校1年生の頃からの仲なんですが、それはこれまでなかったので。
はじり：ほんと初めてでしたよ。
皆川：初めてブァーーー！！！ってなって。
はじり：30分キレて、もうこんなことやめようって言って。ただ、こういうこと思ってるから、明日もよろしくお付き合い下さいって。それからちょっとは仲が良くなりました。
皆川：その時に電話で話したことを今でも意識できてるなって思います。1年半前はなんとかせなあかんという焦りもあったから、あの時の喧嘩があって良かったなって思いますね。
――コロナウイルスの影響でイベントや賞レースの中止、延期などが生じましたが、自粛期間中に何か努力したことや、意識していたことはありますか？
皆川：自粛期間中の4月10日ぐらいから約1カ月半、Instagramの配信できる機能で、学級閉鎖した中学生や高校生にわからない問題を送ってもらって、それを家のホワイトボードで解説するっていうのを毎日やっていました。「助かりました」と好評が頂けていて良かったです。
仕事の方でいうと一旦ゼロになったので。スケジュールがパンパンになってきたなぁっていう時に、ゼロに。ほんまになくなるんやという感覚とともに、自粛開けたら前よりちゃんとせなあかんなっていう思いになっていましたね。Instagramの配信とは関係ないと思うんですけど、自粛が開けたらクイズ番組に呼んで頂けるようになりました。
はじり：僕は映画見たりですかね。普段なかなか腰が重くて見ない長編やマーベルとかのシリーズものを家で見て、知識の幅を広げたというかそんな感じですかね。ギターを始めてみようかなと思ってましたが、ちょっと触っただけで今はもう全然やってませんね。
皆川：不思議と自粛前より自粛後の方が忙しくなっているという、非常にありがたいことなんですけど、そういうことを感じますね。スケジュール的には自粛前より忙しくなったなぁ。
はじり：テレビはレギュラー4本、準レギュラーが2本、ラジオはコンビでは2本ですね。
――2020年もあと2ヶ月ほどで終えますが、今年の目標などはありますか？また、目標は順調に達成できそうですか？
はじり：あとはM-1ですかね。
皆川：個人的に立てた目標は、今年もM-1に新しくできたネタを温存しといて、一番良い状態で披露して行けるとこまで行く、です。
はじり：めっちゃ努力したことは単独ライブをやったってことですかね。
皆川：累計やったらこの10年間で単独ライブ50回ぐらいやってて。
このあいだ後輩に「自分らの漫才のスタイル見つけたいんです」って相談されて、僕らもそんなある方ではないと思ってたんですけど、後輩が「ネイビーアフロさんめっちゃセリフ量多くて賢い感じが出てる」と言ってくれて。
じゃぁ自分らはどういう感じで作ったんかなぁって思ったら、やっぱりネタを多く作ったんで。400本ぐらい、良し悪しはもちろんあるんですけれども。でも多分400本作ってなかったら形もできてないし、賞も取れてないと思います。漫才のネタは死ぬ日の朝まで考えてたいなと思います。あのネタもあったなあって後悔したくないので。
漫才に関しては、自分らのペースができてるんで、単独ライブやってネタ作ってそれを磨いてみたいな。テレビやラジオのレギュラーが増えると、自然に舞台の数が減っていっちゃうので、だからそれを払拭するというか、舞台で漫才できる本数を増やしたいので、それに向けて今年中にしっかり動きたいなと思います。タレントとしてというか、クイズ番組には引き続き呼んで頂きたいので、今必死で勉強してます。
はじり：ギターを自粛中に初めて中途半端でやめたので、出来たらもう一回ちゃんと練習したいなと。コントラバスやバグパイプとかも。音楽ネタとかも幅広げていきたいですね。
――それでは最後に、今後の展望をお聞かせ下さい。
はじり：M-1は頑張って優勝して、テレビにも出て、全国ツアーして、NGKで出番も頂いて、みんなが知ってる、みんなが名前を聞いたことがある芸人になれればなと思いますね。NGKの看板にもなれるように。
皆川：めちゃくちゃ舞台に立つタレントというのが当初からの目標なんで。やっぱりテレビの仕事が増えたら舞台に立つ機会が減って、必然的に漫才作らなくなって、漫才のイメージがなくなる方が多いじゃないですか。けど僕らはそれを防ぎたいなと。テレビにガンガン出てるけど、劇場でもこの人らの漫才見れるんやって。
漫才の実力を全国に広めるのはM-1しかないと思ってるんで。漫才で結果を出しつつ、クイズ番組とかでも毎回爪痕を残し、テレビでもよく見る人やってイメージを付けて、そのペースを維持したいなと思います。最終的には漫才をむっちゃするタレント、本格派漫才師のタレント、NGKでトリで漫才をしているタレントです。
漫才は仕事以外の時間を割かないと作れないので、そこは覚悟してやりたいなと思います！
■ネイビーズアフロプロフィール
国立神戸大学出身の皆川(左)、はじり(右)コンビ。2011年結成。NSC大阪校33期生と同期。
皆川：漢字検定２級有。雑学が得意。吉本大阪マラソン部に所属している。
はじり：料理とギャグが得意。アイドルに詳しい。暗記が得意。
■インタビュー動画 「BEHIND THE STAGE」
■取材協力：なんば白鯨
ネイビーズアフロINFO
なんばプレミア 漫才ナイトvol.40
配信日時：11月17日(火) 配信開始18:00 配信終了19:10
※見逃し視聴は配信開始から24時間後まで※
出演：MC／学天即・奥田
スーパーマラドーナ、ギャロップ、藤崎マーケット、ツートライブ、エンペラー、さや香、ネイビーズアフロ
オンライン配信チケット
ネイビーズアフロ単独ライブ「参勤交代2020～霜月～」
日程：2020年11月22日(日) 13:40開場 14:00開演
会場：ヨシモト∞ホール(東京都)
オンライン配信：開始14:00 終了15:00
※見逃し視聴は配信開始から24時間後まで
オンライン配信チケット
モトナリ
配信日時：11月25日(水) 配信開始21:00 配信終了22:00
※見逃し視聴は配信開始から24時間後まで※
出演：ヘンダーソン、マルセイユ、ネイビーズアフロ
オンライン配信チケット
劇場版 ギャグレンジャー!～よしもと漫才劇場参上スペシャル～
日程：2020年11月26日(木) 20:30開場 21:00開演
会場：よしもと漫才劇場(大阪府)
出演：ジュリエッタ 藤本／見取り図 盛山／パーティーパーティー きむきむ／ネイビーズアフロ はじり／今井らいぱち／たくろう きむらバンド／エジソン 関谷
オンライン配信：開始21:00 配信終了22:00
※見逃し視聴は配信開始から24時間後まで※
オンライン配信チケット
ネイビーズアフロ単独ライブ「いとをかし2020～霜月～」
日程：2020年11月29日(日)20:30開場 21:00開演
会場：よしもと漫才劇場(大阪府)
オンライン配信：開始21:00 配信終了22:00
※見逃し視聴は配信開始から24時間後まで※
オンライン配信チケット
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ライター／下八重順子 撮影／越川麻希
スペシャルインタビューMOVIE：CAMSIDE
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