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【分析編】 阪神のピタゴラス勝率を求めてみた

阪神のピタゴラス勝率を求めてみた

シーズン開幕から9連敗と、最下位に沈んでいた阪神ですが、そこから怒涛の追い上げを見せ、現在(7/29)首位ヤクルトには10ゲーム差をつけられているものの、
3位広島と1ゲーム差の2位につけている。
阪神の連敗は運が悪かっただけなのか、ピタゴラス勝率を用いて分析してみた。

ピタゴラス勝率

ピタゴラス勝率(ピタゴラスしょうりつ、Pythagorean expectation)は、得点と失点からチームの勝率を予測するセイバーメトリクスの計算式である。

出典(Wikipedia)

野球の分析において主な目的となるのは、試合での勝ちを増やすことです。

守備のポジショニングや配球予測、打者傾向や投手傾向など、試合での意思決定を支える分析は全て、試合に勝つ という目的を達成するために行われています。
そんな勝ちを予測する指標の一つが、ピタゴラス勝率と呼ばれるものになります。

ピタゴラス勝率の計算方法

$${ピタゴラス勝率=\frac{得点^2}{得点^2+失点^2}}$$

ピタゴラス勝率についての詳細は、以下記事をご覧ください。

分析結果

7/30までの各チームの結果を、実際の勝率とピタゴラス勝率の差の順で並べたものがこちら
阪神は何とトップに位置しており、その勝率差は0.1なので、95試合消化時点で10勝程度損しているという結果になります!

各チームの成績
teamA:チーム win:勝ち数 lose:負け数 scoreA:得点 scoreB:失点 
win%:勝率 ピタゴラス勝率 勝率差:ピタゴラス勝率 - 勝率

分かりづらいので散布図に示してみます。

散布図

Google data portalの画面だとそこまで視認性は改善されませんでした。
(線形回帰直線とプロットの色分けを共存させる方法を教えて頂きたい!)
実際の勝率ではヤクルトが抜けているのに対し、ピタゴラス勝率では阪神が両リーグトップというのは読み解けると思います。

時系列で追ってみた

それでは、9連敗した開幕からの推移も追ってみたいと思います。

阪神(色付きの点)の勝率の推移
左表は勝率差が大きい順でソートされている

まあ、右上の日付が1970年になっている点や、赤点にしたはずなのに彩度が落ちている点は置いといて、推移を表示できました。
見てみると、阪神は開幕からピタゴラス勝率と実際の勝率の差が大きい状態で推移していることが分かります。
ただ、そもそものピタゴラス勝率も急激に上昇していることから、
開幕時の連敗は調子の悪さと、得点・失点が噛み合わなかった両方の側面があると推測できます。
この10勝分の差を後半戦で回収できるのか、気になるところですね。

まとめ

ピタゴラス勝率を用いて、阪神の開幕時の連敗からの躍進を追いました。
結果として、阪神の得点と失点から予測されるピタゴラス勝率と、実際の勝率には現時点で約10勝の差異があることが分かりました。
ただし、ピタゴラス勝率はあくまで得点と失点から勝率を推測する指標で、
実際の勝率との相関は高いものの、監督の采配やロースターの変化(特に中継ぎの充実度)などによってずれが発生すると言われています。
今後は他の指標とのクロス集計などを用いて、要因分析していきたいと思います。
まだまだ初学者ですので、コメント、アドバイスなどお待ちしております。

尚、ご自身でもやってみたい!という方はこちらを是非ご覧ください!!!


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