朝の効能

完全に立ち止まってしまったようで、自分の中の声とつながらなくなってしまった。

昨夜は、そう思ったんだけど。

でも今朝、目が覚めてすぐ、頭の中にあった疑問を投げ掛けてみたら。

スッと、答えが返ってきた。

慌ててノートにメモした後、歯をみがいてたら。

リモコンなんてまったく触ってないのに、いきなりテレビが点いて。

耳の中で、かなりはっきりとした声が、聞こえた。

「いつだって、すぐそばにいるよ」

つながらなくなったように感じるのは、私が、意識をそらしたから。

疑いや不安にフォーカスすると、自然と意識がそっちへ向いて。

聞くことに対する、集中力が途切れてしまう。

すると、私の中の声は、まだ決して大きくはないから。

再び、フォーカスするのが難しくなる。

「でも安心して、寝ているあいだは私たち、完全にひとつだから。

朝、起きてすぐなら、まだ分離し切っていない。

だから今日みたいに、まどろんだ状態で呼びかけてくれれば。

ちゃんとつながってることを、感じてもらえるはずだから」

それを聞いて、本当にほっとした。

これまでもずっと私にとって、朝は大切な時間だったけれど。

いまは、もっとずっと、大事になった。

そしてもうひとつ、重要だなぁと感じたのは。

夕方になって、仕事を終えるときにしっかりと、翌朝の問い掛けを決めておくこと。

そしてもちろん、自分なりの答えを見付けようとすること。

そうしているうちに、その疑問が自分の中にしみていって。

起き抜けのぼうっとした頭でも、思い出せるようになる。

もしかしたら一日って、そんなふうにできてるんじゃない？

朝、自分の中の声とつながって可能な限りの情報を仕入れ、ノートにメモしておいて。

途中、食事のときやなんかに、もしもつながりが途切れてしまったとしても。

その後の時間は、雑然としたメモを整理しながら、それを自分なりの言葉にし、腑に落とすことに使って。

仕事を終えるときには、次の朝の問い掛けを決める。

それって、どんな仕事だとしても、とっても自然な流れだと思う。

しかもそれを続けているうちに、きっとパイプが太くなって。

いつでも必要なときに、自分の中の声に耳を傾けることができるようになるに違いない。