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2023.1.5稽古日誌@井上峻佑

こんにちは、井上です。
稽古を行いました。稽古はやっぱり色々考えます。
今日の稽古帰りの電車で音楽を聴いていると、ある曲の歌詞の一部がとても気になってしまいました。その曲はウルフルズ「暴れだす」です。2005年の曲なのですが、昨年のM-1のPVに使われ少し話題になりました。優しいブルースで、冒頭にある「あぁ神様 俺は何様ですか」といったフレーズからわかるように、心が押しつぶされそうになっている男性を描いた歌で、サビに入るとダブルボーカルが交互に「あ゛あ゛―」と叫び、曲のピークとともに悲哀感がピークを迎えます。歌詞の中ではあまり具体的な描写はなく、それでいて辛い状況を的を射た言葉で表していて、聴くと「そうそう、そういう気持ちになることあるなあ」と誰もが思えるだろう曲で、私が言うのもなんですが名曲です。
気になったのはこの曲の2番の歌詞です。

「あぁあの子は何故笑っているのか あきれるほどの俺の駄目さに
 嫌な顔もせず知らん顔もせず 少ない言葉ではげましてくれる
 泣いたりしたら苦しくなるよ わかっているけど止まらないのさ
 ああ胸が暴れだす 暴れだす どうかそばにいて」
(『暴れだす』、ウルフルズ、2005)

優しいパートナーがいるという歌詞です。これは余談なのですが、一番の最後は「誰かそばにいて」で、孤独な男性を歌っているのかと思えば、間髪入れずに二番の「あぁあの子は」と歌い、それを聴いた独りで悩むリスナーは裏切られたと感じたことでしょう。しかし私はそのことについて文句が言いたいわけではなくて、本題は「俺」は何故泣いたのかということです。もっと具体的に言えば、+の意味で泣いているのか、-の意味で泣いているのかがわからないのです。パートナーが優しい言葉をかけてくれてるんだったらそりゃあ+だろ!と考える人もいらっしゃると思うし、優しい言葉をかけてくれても辛い時はやっぱつれぇわ…と考える人もいらっしゃると思います。僕が思うに解釈できる可能性はこの3通りぐらいかなあと思います。

① パートナーの優しい言葉に感涙
② やっぱり辛い、結局辛いから泣いた
③ とりあえず食堂に言ったらお腹が空いた気がし、とりあえずトイレに行ったらああとなるように、パートナーの慰めという場を感じ泣いた

皆さんはどう思われますか。これは違うだろうというのがあるかもしれませんが、ウルフルズの歌い方を聞いても、PVのアニメーションを見ても判断できないです。だから別に鑑賞者は自由に考えていいんです。でも、提供者は一つの正解を持っておかなければならないんだろうなあと感じます。トータス松本さんに聴いたら、答えてくれると思います。いくら抽象画家だといっても、黒塗りのキャンバスをただ出すのはアーティストではないのと同じです。演劇だったら色んな考えの人がいるからこの問題は大変ですね。以上、普段鑑賞者としてしか生きてない人の戯言でした。

ウルフルズの「暴れだす」はいい曲です。泣くって難しいし、人が辛いって思ってる状況を理解してあげるのも難しいです。是非聴いてみてほしいです。では、このあたりで筆を置かせていただきます。

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