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【ソロキャンプ】久しぶりの蔵王坊平国設野営場

正にこの週は雨雲の隙間だった。

ウィークデーはほぼどんよりな空で毎日どこかの時間帯で雨雲が通る日々。

天気が気分に与える影響は少なからずあって、どうにも鬱蒼とした毎日を過ごしていたのだが週末に確認した天気予報に見つけてしまったのが

予報上の雨雲の隙間


あぁ今週は気持ちの良いキャンプ日和をたっぷりと満喫できそうだ。

そんな希望的観測を絵に描いたような日月泊、久しぶりとなる蔵王エコーラインを一人キャンプ道具を愛車に積み込み走らせた。

もちろん普段の夫婦キャンプとは違い荷物は半分以上のダイエットができている。


久々のソロ出撃場所は標高1000mを誇る蔵王坊平国設野営場を選んだ。

梅雨時期、避暑を考えるならば標高を上げるのが夏のセオリー、しかも本当に酷暑となった場合には林間が選べるというありがたい営地。

デイ利用のお客さんが多く残っていたが広大な場内はそこそこ閑散とした雰囲気、さほど考えるまでもなく第一から第四と大まかに分けられたキャンプ地の連絡通路脇を陣取った。

夕刻の通り雨を想定して少しだけ土地が上がっている場所である。


このキャンプでは、新調したチェアがデビューと言ってもとっておきでも何でもない格安のカーミット類似品

このところこの手のチェアは畳んで持ち歩いていたので分解のできないタイプを選んだのだが分解できないだけあって本家カーミットチェアはもちろんの事、これまで使用してきたハイランダーウッドフレームチェアよりも数段しっかりとしていてガタつかない

カチッとした座り心地に驚いた。


ビンテージフルコットンメサージに合わせた激渋いブラウンカラー

ちょっと地味だったかなぁ笑


何はともあれ色味に関しては元々のハイランダーから布地のコンバートも恐らく可能なのでしばらく使ってみて気に入らなければそんな運用も視野のうち。

トータルの設営時間は30分ソロは全ての労力が己にかかるがどこまでやるかも気分次第


見映えだとか機能性だとかを全く無視した無差別配置の我がソロサイトは使いながらブラッシュアップしてゆく気楽さが…らしさ笑


Mt.SUMIのローテーブルはこの後

三度場所を変えることになる笑


設営を終えてしまえばそりゃもう完全なフリータイム。さしてコレをやろうとかアレをしようなどという目論見もないものだから

ただジョニーソーダを飲み続ける最高の午後

暇つぶしに開いたSNSアプリを見てハッとした。


何かって?

私のキャンプスタイルはその場その場が過ぎるという事、横着過ぎる私は使うものだけを荷下ろししそれを置いた場所に座り込むため何度も場所替えをして過ごす

チェアすら右を向けたり左を向けたりでレイアウトという概念が皆無ゆえに…設営完了時に焚火の準備がない←ココ

そう言われるとこれまでの妻とのキャンプでも焚火台の設置はバトニングをする夕刻前がいわばしきたりの様になっている。

手元のiPhoneに映るキャンパー達は焚火セットみたいな設営をガッチリ…いやぁ時代は変わったなぁ(って俺がおかしいのかな笑)


そんな事はさておき飯メシ!

スーパーで特価品だった680円のステーキ(和)


輩の欲望そのまんまの肉スタートは常に前菜のような物から始まる妻とのキャンプとのレベルの違いを痛感したものだ。


腹に溜まればいいからサラダも購入したが袋を開ける事なく肉だけを食らう笑


腹が落ち着いたところで坊平名物の湧水を汲みに出かける。


ん?こんな看板つけたんだなぁ前回来た時は雪が少な過ぎて湧水が枯れていたけれど


今季は一年中問題なく水は出続けるようだ。


キャンプ地に一際目立つ我がサイト比較的小さなPU幕がメインの登山基地然とした雰囲気の坊平にあって閑散とした営地にこの佇まいは実に異質で

どんな場所に置いても良い意味で浮くのだけれど景色自体を幕の力で独特の空間に変えてしまう。

これがビンテージ幕の威力

加えるなら…


インナーも忘れたし決して快適じゃないはずなのにどう考えても外見快適そうに見えるのは

フルコットンの成せる力

デザインと機能性だけを追求する現代の幕にはこの醸し出すというか滲み出るオーラがないんだよなぁ〜(私見)


ランタンなんかも同様に考えていて、ポチっと押すだけLEDじゃぁハリケーンランタンの生火の揺らぎや圧倒的な雰囲気にはかなわない。

逆に形だけを真似するとチープに見えてしまうこれってある種、実用と雰囲気という二大テーマであり選ぶ際の重要ポイントの一つ。

実用と雰囲気をクロスオーバーさせると納得からは限りなく離れて行ってしまうもの。


先程汲んだ坊の水はその冷たさからグランマーコッパーケトルに大量の結露をつけた。

これを見て今夜ケトルは焚火にかけるのは止めることに


この頃にはジョニーも随分液面が下がっている。


車の中で腹ごしらえのために買って食べ忘れていた惣菜を焚火で温め直し


夕闇を待つが如く

焚火を眺めながら過ごす時間


きっと少し飲み過ぎていて瞼が重くて仕方がなかった。


パチパチという焚火の音

カナカナカナというひぐらしの声も

いつの間にか聞こえなくなっていたこの時間半ば強制的に覚醒する事となった


アイアンの棚に載せたハリケーンランタンの真下に光源が気にならないよう下向きに磁石で付けていたLED目掛けて嫌な羽音が聞こえ出した。

野太く非常に大きな聞き覚えのある羽音
音の主はオオスズメバチだった。


ここに辿り着く迄の最後の瞬間、焚火の炎に触れたのだろうか…人でいうところのバック転を繰り返すようにクルクルと光源目掛けて何度も飛び立つのだが、上手く飛べずに地面に何度も墜落を繰り返している。

こんな暗くなってからのスズメバチの襲来は初めての事で、一瞬たじろいだのだけれど、何度も何度も飛んだり落ちたりを繰り返す手負いの猛虫の姿はまるで今の自分と同じだな…と思ったものだ


疫病の報道が鎮静化し飛び立つのだけど、そのうち直ぐに罹患者が増えて何度も地に落とされる。

怪我した記憶など1ミリもないのに気づけば手負いの自分がそこにいた。

ここ数年、散々打ちのめされ未だ後遺症のように影響がある。

調子が良くても悪くても手負いの状態から脱する事ができないでいる。

あらがう気力もぼちぼちなくなりそうだ。


嵐が去るのをじっと待つのはもうやめないといけないな…そう前を向きこのキャンプを締めることにした。





翌朝は激しい雨音で起こされた。

開けっぱなしだったテント窓上部のメッシュ窓からは何時からか分からないけれど雨が吹き込み窓際に置いていたローテーブルはびちょびちょに濡れていた。


これが本当の泣きっ面に蜂ってやつ

何てこった…午前中は降らない予報だったはず…

そう、人は自分の考えたい事を自分に一番都合よく解釈し考えるものだから

いつだってこうなって欲しい、いわば希望的観測で未来を見てしまう


キャンプにおいては想定外は当たり前、梅雨時期の天気予報をアテにしちゃいけないし

最悪を想定しておかなければ正解に辿り着くことなど出来ないのに…。


ま、でもこの程度ならまだ大丈夫
ちょっと濡れれば良いだけだから
もちろん人生もまだこれから

それがキャンプ

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