社会のジオラマ

白色光はうるさくて、暖色光は静か。

街に蓋をする雨雲。
遠景と細部が潰れる夜。
視線が止む傘の中。

外の中に部屋を見出すと心が躍る。

文を考えるとき、頭蓋の小部屋で神経を走らせることにのめり込んでいる。子どもの頃は部屋でひとりレゴに戯れることが好きだった。狭さにテリトリーの安心感があるのか、共通した居心地のよさを感じる。

階段の下にできる空間にカーテンを取り付けて、小さな机とクッション、ブックライトを置いたミニ書斎をつくることにずっと憧れている。

環境と感情が煩わしくなると博愛に逃げて、
一つ一つへの好き嫌いの機微を矮小化しようとする。

嫌いも大切にした方がいい。

それでも、朗らかさを衒い強がってしまう。

癇癪やストーカーの前で苛立ちは無力だから、
必要のない感情だとみだりに悟ってしまった。

一旦、感じている世界をジオラマに変換して、
やらかしとやらかされをフィギュア化する。

今いるのは下界だもんな、って。

瓶詰めした苔を見ながら思ったことの生中継でした。

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