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差別化というもの

今日、スーパーマーケットへ家族で買い物へ行ったときに、ふと相方の目に止まったのが、モンブランのケーキ。栗の黄色いクリームにしたはスポンジ記事の懐かしいタイプのものでした。「この懐かしいのが食べたくなった」という相方のために購入し家で半分にして食べました。(昔ながらのケーキは甘さも何故かものすごく甘く感じるのは気のせいでしょうか。

最近は、街中のケーキ屋でも売っているモンブランはちょっと高級そうなものや見栄えが工夫されているものが多く、逆にこの昔ながらのケーキに出会うことがだいぶ少なくなったと思います。だからこそ、価値がある様に感じるのかもしれませんね。

さて、差別化というと、同じものや事を目的としつつも、工夫して他と異なる部分を出す事です。モンブランの場合は、今までずっと昭和ながらの黄色いものが主流でしたが、そんななか、本格的な和栗を使ったものや、見栄えを工夫した現代風の商品が登場していきます。それらのちょっと他とは異なる商品が、口コミやメディアを通して徐々に話題になっていくのですが、この「他とは異なる部分」=差別化できたからこそ、注目を浴びることができたといえます。

事業計画でもよく質問されるのが、「他社との差別化になっている部分はどこですか?」です。商品やサービスの場合は他がまだやっていない事に先駆けて取り組むことで「差別化」できます。

ただ、ちょっと待ってください。その、差別化したはずの部分が他のところに真似され始めてくと徐々に差別でもなんでもなくなってしまいます。上のモンブランの例でも、おそらく一番最初に今風のモンブランを提供したケーキ屋が苦労して開発した商品は差別化されていた商品だったはずです。でも、他社はそれを見てこの商品は売れると徐々に類似のものが出回り始めていくことで、そこは差別化ではなくなってしまいます。

モンブランケーキの例で言えば、逆に世の中のモンブランの大半がちょっと高級感をあしらった感じで現代風のものに変わっていったため、逆に昭和風のモンブランの方が希少なものとなってしまった例です。お店の視点で見ると、今まで通りのことをやっていたら勝手に差別化になっていたと言えますね。

世の中というのは、「これがいい」というものが現れると、多くがその方向へ舵を切る傾向になると思います。時代の流れをキッチして売り上げに繋げていくことは経営としては正しいやり方になります。ただ、時代の流れから取り残され過ぎたものが逆に脚光を浴びている面も出てき始めていますね。

例えば、田舎です。
日本の田舎が今海外の旅行者から脚光を浴びています。日本が観光に力を入れ始めて10年余り。特にコロナ前5年ぐらいからはインバウンド旅行客の数は増え、オーバーツーリズムと言われるくらいに日本は賑わっています。(コロナが明けて戻り始めてもいますね)
そのインバウンド旅行客も最初のうちは東京、京都、富士山といった日本の有名観光地に足を運んでいましたが、今では「東京は3日で飽きる」と言われ始めています。逆に、日本人もあまり知らない様な日本の田舎が注目され、多くの観光客が足を運んでいるそうです。その多くは、外国人旅行客がたまたま訪れて撮った写真をSNS等にアップしたことに始まるというので日本人でも予測不能ですね。

その田舎にとってみれば、今までは何にもない時代から取り残されたと思っていた自分家の生活の場所が、気がついたら、取り残されたことで差別化されていたために、世界的にも希少な場所として外国人観光客の目を引いたのですから、びっくりだと思います。

この様に、差別化というのは簡単な様で、当事者たちにもとっても把握し難い面があるということですね。

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