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グローバルに行き交うデータ

先日、某国際的な企業との打ち合わせに同席しました。こちらの会社と取引する時に、その会社の顧客(海外からの方がほとんど)とコンタクトを取る場面があり、その時に最初のコンタクト方法は顧客からで個人情報を入れないで使わして欲しいとのことでした。

コンタクト自体は特定のツールを使うのですが、最初の認証的な場面でメールアドレスをと思っていたのですが、どうもそれ自体がNGで、逆に相手側がこちらをいつでも削除できる仕組みがいいとのことでした。こちらも、一時的に利用してもらうサービスなので無理にメールアドレスを取得する必要はないのですが、顧客を特定するための何かは必要なのと、全く関係ないイタズラ利用を防止したいと言うことで、これまではメールアドレスによる初回認証を利用していたわけです。

でも、これがNGというのが、その企業はヨーロッパの企業で、EUの機密情報管理のルールが厳しく、域内の顧客の個人にまつわる情報を域外へ出したくないという背景があったみたいです。

で結局どうしたのかというと、海外では一般的なSNSツールであるWhat'sUPを活用しましょうということになりました。日本ではLINEのシェアが大きいのですが、海外向けにはこちらの方が一般的ということです。

さて、ITは便利なものですが、情報自体がものすごい勢いで、国境を関係なく遠方まで瞬時に広まってしまうので、厄介な一面があります。特に。情報に関してはEUは特に厳しくて、このために、ChatGPTを運営するOpenAIが一時期イタリア等で利用禁止になる場面もありました。GAFAMも結構EU向け対策は盛んにしているのがわかりますね。

今、世界中を行き来しているデータ量はものすごいことになっています。ちょっと前の記事ですが日経新聞2023年1月6日では、「2025年に22年の約2倍の180ゼタ(ゼタは兆の10億倍)バイトに達するとの予測もある。」とのこと。昔はデータ単位の覚え方でKMGT(クマガテラ)なんて語呂合わせをしたものですが、そういうレベルを遥かに超えています。

それだけ、多くのデータがインターネットを介して、各所の端末同士でやり取りをされているわけです。なので、自ずとこれ周りの技術は進んできます。そのためのインターネット回線の進化が重要になっているわけですね。

データの種類も、以前は業務用データが主で、金融や流通業などが専用の回線を利用して行うものが主したが、今や、個人のSNSや、ちょっとした情報のやり取り、IoT機器同士の通信まで、その用途も広がっています。

そして、これからこのデータを大量に使いそうなのが、AI関連です。昨日の日刊工業ではNTTが低遅延通信技術である「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」というのを使って、100km以上離れた拠点を繋ぎ、一つのデータセンターとして活用できる実験を始めたそうです。場所は神奈川県の横須賀と東京の三鷹とのこと。この中で機械学習的なことを行うそうです。

機械学習の分野では、結構大規模なデータセンターが必要になってきています。(我が家でもAIで遊ぶためにゲーミングPCを構築しましたが、場所もとりますし、発熱量もすごい。)ただ、そういう場所を確保するのが大変ですが、今回の表に分散した場所を高速で繋げる技術があるということは有効だと思います。またこの中で、自社内のみのデータと外に出せるデータを切り分けで、それぞれ違う通信網を利用して各種処理が可能になるとのこと。

ネットワークの世界がどんどん複雑化していきますが、通信技術の進歩でできることも大きく広がっているようです。こうなってくると情報管理の世界もこれからますます大変になっていきますね。

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