【詩】「天秤、きらめき」

右の手で掬った淡い純情は死に行く間際
幸福はプリズムのように輝いて遠い地平線の先
君の左の手は僕の左の手のごとく甘い飴を

木々のゆらめきは君の囁き声のように高く時には低く
あなたが無くなったとてあなたは無くならない
鈍い金属の音が周りを走り回る

僕らは狭い部屋の中
その一畳にも満たない愛で肩を寄せる

目に見えた愛がとても貴く見える
君の目にも同じように

最後に秤に乗せる
傾いて君は微笑む

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?