見出し画像

事例紹介:Salesforceで個人向けの経費支払のフローを効率化

スクリプトのデプロイ中なので、ちょっとご紹介。SalesforceやTableauのような自由度が高いツールは、機能を紹介されるより、事例を見て「お!それいいな!」って思うほうが実装の動機になると思っている派なので、別にSalesforceから謝金なんてもらってないけど、最近実装してうまくいっている事例を紹介します。

弊社リバネスでは、お金をお支払いする先はほとんどが企業向けなのですが、その他に協力してくれる研究者に向けての謝金等の個人向けの振込が発生しています。

個人への振込が発生すると以下のような手順が発生するのですが、見て分かる通り結構煩雑です。

改善前のフローはこちら

B-1:現場の担当者が経費を作って稟議申請をする
B-2:不備がなければ上長の承認を経て稟議が通ります
B-3:現場の担当者は、稟議が通ったら振込依頼書というExcelテンプレを対象者にメール送信して記入を促します
B-4:対象者から送り返してもらったデータを確認して経理に渡す
B-5:経理担当は銀行振込用のデータの作成の委託先に書類を転送してデータ作成してもらう
B-6:B-5で作ってもらったデータを使って振込処理をする

これをSalesforceを使って効率化しましょうという話。

最終的なフローはこちら

2までは同じ。

A-1:現場の担当者が経費を作って稟議申請します
A-2:不備がなければ上長の承認を経て稟議が通ります
A-3:(自動)通った内容がHerokuConnectで繋げたリバネスIDっていうWebアプリ側にデータが送信される
A-4:(自動)アプリが受け取った内容を元に、対象者に向けてメールを送信する。
A-5:対象者がメールのURLを開くと、金額の確認及び銀行口座を入力する画面が開くので、そこに入力して送信ボタンを押してもらう
A-6:(自動)Webアプリ側からHerokuConnectでSalesforce側にデータが返される
A-7:B-5の委託先がSalesforceの経費項目を確認して(権限を絞ったアカウントを提供してある)入金データを作成する
A-8:B-6同様に振込処理をする

ヘッダ画像_-_Google_スライド

劇的BeforeAfterした作業のバトン

Beforeの場合は

現場担当者→上長→現場担当者→振込対象者→現場担当者→経理担当→外部委託先→経理担当

という形でバトンが回っていきますが、

Afterになると

現場担当者→上長→振込対象者→外部委託先→経理担当

とシンプル化されたことが分かります。

Beforeの状態でなにが厳しかったのか

一人だったら大したことない作業なのですが、これが数十人となると話が違ってきます。すべてをメールベースでやり取りし、五月雨にやってくるデータをまとめて経理に渡すというのはとにかく時間がかかる作業になりがちです。しかも生産性0。そんなところに時間をかけていたら死んでしまいます。

Afterの処理の詳細について

上述したものは概念なので、では実際にどんな処理をしたのかについて書いておきます。実装の参考になるかもしれません。

経費データを作成し、稟議をあげるについては通常のSalesforceのオブジェクトと承認申請フローを使って実装しています。

稟議承認が通ったデータは、Apexトリガを使ってHerokuConnectを使って転送する設定がされたオブジェクトにデータをコピーしています。経費オブジェクトをHerokuConnectしてしまう方法のほうがかんたんではあるのですが、Heroku側に全経費データが必要な訳ではないので、オブジェクトを分けました。トリガを使わなくてもフローを使えばGUIでも処理できるはず。

Herokuで構築したWebアプリ側では、データの作成をバッチ処理でキャッチして、ユーザーにメールを送信しています。メールのリンクをクリックした先のUIを作成してそこで諸々の処理をしてもらっています。これについては外部の会員サイトではなくCommunityCloud(今はExperience Cloudっていうんだっけ?)のようにSalesforce上に会員サイトを作る仕組みがあるので、それを使えばプログラムを組まずにGUIで同様のサービスを提供することが可能だと思います。

Heroku側で対象者が記入してくれたデータはHerokuConnectを通してSalesCloud側に返ってきます。返ってきたデータの更新をプロセスビルダーでキャッチして、関係者向けにメールアラートを送信しています。

外部委託事業先は、権限を絞ったSalesforceのライセンスを提供してログインしてもらっているので、これはどこの組織でもやれることだと思います。もちろんパートナー向けにExperience Cloudを使った処理用のコミュニティを提供する形でも良いでしょう。

最後は銀行への手続きなので、手動でやっているという感じです。

スッキリしましためでたしめでたし。

noteにはこれまでの経験を綴っていこうかと思います。サポートによって思い出すモチベーションが上がるかもしれない。いや、上がるはずです。