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Salesforce(に限らずツール全般)の定着におけるリバネスの戦略について

リバネスのGeorgeです。

以前からそうですが、主にSalesforceについて御社の使い方について教えてほしいというニーズがままあり、事例紹介したりしています。そろそろSalesforceの名刺でも持ったほうが良いのではないでしょうか👀。

冗談はおいておいて、ここでも触れたのですが、最近聞かれるテーマの一つに、ツールの定着化というものがあります。

基幹になっているツール

リバネスで主に利用しているツールは以下の3つです。

G Suite(Google系サービス)
Slack(社内コミュニケーション)
Salesforce

定着という概念が無い

そもそも使わないと仕事にならないという状況になっています。これがリバネスの唯一の戦略です。

G Suite

こちらについては、メールやカレンダーといったものになるので、使わないと仕事にならないというのはイメージが付きやすいのではないでしょうか。外部にメールが送れませんし、スケジュールが登録できません。共有ファイルのストレージはGoogleDriveですから使わないと知見にアクセスできません。必須になっています。

Slack

社内の連絡はSlackで行います。メールによるやり取りは禁止されていますし、社内連絡をメールで受け取っても対応する必要はないという指針にしています。使わないと社内の情報にキャッチアップできません。Twitterで社内にチャット文化が根付かない・ログインすらしない・メモリ不足でそもそもアプリが開けない…みたいなものを見かけましたが、それが起こらないようにマシンの更新も行っています。

上述の2つは、定着もなにも、無いと仕事にならないんだよということが理解頂けたかと思います。では、Salesforceはなぜ定着化に困るのでしょうか。

Salesforceが定着化しない理由

定着化されないという組織については、全員が使ってくれないというような表現を聞く事が多いように思います。そこで最初の支援策として現れるのが、ログイン率を見ましょう!みたいなものだったりするのですが、それって本質ではないですよね。ログイン率が見られているからログインだけはしておこうとなると、単純に仕事を増やしているだけになってしまいます。組織を加速することにはなりません。

使ってくれないではなく、先の2つのツール同様に、使わないと仕事にならないという状況を作る必要があります。それは導入を決めた企画者の責任でもあるといえるでしょう。では、Salesforceを使わないと仕事にならないというのはどういう状況でしょうか。リバネスを例にして紹介します。

蓄積・開示・分析・統合

リバネススタッフのレスポンシビリティーとしてこの4つが規定されています。リバネスでは報連相を必須としてはおらず、情報を蓄積する事のみを求めています。蓄積先はそう、Salesforceですね。

例えば営業報告。商談に紐付けられたEventオブジェクトに営業報告を書く形になっています。Googleカレンダーに入れた予定が自動的にSalesforceのEventに同期するようになっており、いちいち新規データを作る必要はありません。営業が終わると、画面には営業報告を書きませんか?という欄が現れてリンククリックすると入力ページに遷移するようになっています。営業報告を書くとSlackの営業報告チャンネルに通知が流れるので、それを見て動きを把握することができるようになっています。

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ここまでだと、恐らく定着化に困ります。

リバネスでは、上記の画像のように受注というステータスの営業報告を商談に紐付けないと、商談のフェーズが契約完了フェーズに上げられません。仕組み的に必要なのです。

そして、ここまでだと、現場の反感を買うだけです。なぜなら面倒くさくなっているだけだから。

先程も紹介しましたが、リバネスでは蓄積を奨励しています。つまりこれを査定に使っているのです。自分の評価軸の一つになっているんですね。そしてそれは自分でコントロールできる結果です。書かないことにメリットは有りません。

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こんな感じで全体の中で自分の位置がどうなってるの?みたいなことがあります。例えば、めちゃくちゃ売上があがりましたみたいな人がいたとしても、こういった蓄積を行っていない場合は、給与等級を上げるテーブルに乗りません。リバネスは数字を作るのがミッションではなく、世界を変える為のエンジンになるのがミッションです。情報の蓄積なくして動いた結果は再現性が取れず、一時的なものになる可能性が高い。持続的に組織を動かしていくには、基本的なお作法を共通のものにするというのは非常に重要な点だと思います。

情報の開示について

せっかく蓄積した情報も、上司が見てくれない…みたいなボヤキをよく見かけます。誰も見てくれない報告書程やる気を削ぐものは有りません。リバネスでは、蓄積された情報はSlackに自動的に開示されるようなプログラムが書かれており、それによって連鎖的な反応を生むように設計してあります。

本当はSlackのコメントやスタンプのデータをSalesforce側に反映したいのですが、そこまではやってません。(いずれやると思いますが)

情報開示のプロセスはできる限り人間の時間を使わないようにしています。

商談にまつわる処理について

営業報告がないとフェーズがあげられないと書きましたが他にも色々と工夫してあります。

商談が無いと見積もりが作れません

これは普通なのかなという気がしますが、社印を押した見積書を作成するには商談の情報が必須です。適切に情報を埋めて、プロジェクトメンバーをアサインし、見積作成フェーズに上げる必要があります。プロジェクトメンバーはチームスピリットのTco社内リソースというものを流用してます。アサイン時間を入れることで、商談に関連する人件費を出しています。リバネスでは予定時間の入力までしか管理してませんが、本当は実際に掛かった時間を入れることで予実管理までやるのでしょう。

取引先責任者を商談に登録しないと商談が進められません(ちょっとした連携)

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こちら、商談の標準機能です。請求管理ロボというアプリを導入しており、それに必要だったので使っているのですが、意外と便利でした。リバネスではPardotも利用していますが、こちらの商談機能と連動するにはこの紐付けが必須なんですよね。これが紐付いていると、Pardot側でもファネルの確認ができます。

名刺のスキャンをしないと査定面談でアピールできません

実はリバネスも、スキャンするしない問題がしばらく有りました。いや、数年放置していました。しかしこれも、やってないとアピールできないという仕組みに変えることで解決しました。

名刺をPhoneAppliでスキャンすると、PhoneAppliのオペレーターが文字起こしをしてデータ同期をしてくれます。このデータは名刺交換した人のデータとして蓄積されます。リバネスでは名刺交換した人数は評価していません。その中から、しっかりコミュニケーションが取れる人が何人いたのか?を別途面談前に表現させています。

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この人が半期で名刺交換した枚数は246枚で、リバネス全体の平均が254枚になっています(といっても代表3名が莫大な数スキャンしているので、この人はたまたま平均値に近い枚数の人と出会っていただけですね。中央値よりはかなり高い位置にいると思います)

リバネスでは、教育・人材・研究・創業という4領域で仕事をしており、対象者がどの分野で仲良くなったのかについて表現をします。その人がやっている仕事のバランスも見えますし、これをやることで、リバネス内の何人が仲良しなのかを見ることができるようになっています。「個のネットワーク組織」を標榜するリバネスのネットワーク表現の一つです。

というわけで、スキャンしないとそもそもデータが作れないということになるので、スキャンしないメリットが有りません。スキャンすれば自動的にリードやコンタクトレコードが生成されるので、その後の商談化も楽です。レコードができるとPardotと連携するので、告知メールなんかをしたいときに必須になります。

シンプルな名刺スキャンというアクションなのですが、かなり広範な領域に連動する起点となりました。今まで名刺スキャンという単機能で提供していた情報の蓄積方法が高度に連携された形で完成されたのは今年の僕の夏休みの間です(ぇ

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ということで、例のごとく長くなってしまった且つ、本当は他にもあるのですがいい加減皆さん飽きた頃だと思うのでこの辺で〆ます。

具体的なデータ構成どうなってるの?みたいな問い合わせが来ているのでその前段としてこのnoteを書き始めたのですが、それを書く前に僕が飽きたという事で、続編にご期待ください。コメントやらいいねやらしてくれると書き始めるモチベーションになるかもしれません。

noteにはこれまでの経験を綴っていこうかと思います。サポートによって思い出すモチベーションが上がるかもしれない。いや、上がるはずです。