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Salesforceの導入から64ヶ月が経った導入担当CIO視点の話

前回書いたのが47ヶ月時点で、いやいやこの15ヶ月何してたんだという感じなのですが、実装してきたことがもりもり過ぎてヤバいのでアウトプットしておきます。文末に"2018年度の結果として何か言えるといいですね。"と寝ぼけたことを書いていましたが、2019年度に突入してしまいました。15ヶ月何をしていたのでしょうか…

データの集積が進みました

前回は人事評価情報や、採用希望者情報を入れましたと書いてあったのですが、そこが更に進みました。その際に気付いたことがあるのですが、データを蓄積していくと、同じ個人を表現するレコードが複数作られることがあります。Salesforceのデフォルトの機能で個人を特定するレコードといえば

ユーザー:Salesforceのライセンスが必要なアカウント
リード:マーケティング畑の人が使う営業担当に渡す前の個人郡
取引先担当者:商談が進みつつあるもの

の3つに代表されます。

ユーザーはライセンスが必要になるので無限に増やすことはできませんのでクライアント情報等はリード及び取引先担当者レコードに紐付けることになります。

前回までの私は、個人のデータをSalesforce内で一元管理する重要性に気付いていなかったこともあり、カスタムオブジェクトをバンバン追加し、名前だけ書いて、特に紐付けずにおいておくみたいな処理をしていました。

これによる弊害は、誰がいつ何をしたのかがわからん!これに尽きます。

リバネスにおいてはリバネスID構想というものを立ち上げ、Salesforce内の一人ひとりをユニークIDとして扱い、過去に何が起きたのかを全て集約する様にしています。(今も作業は続いていますが)

これによって、商談/過去のやり取りの記録/ケース/イベント参加履歴/名刺交換履歴/..... と言ったものが一つのレコードに全てぶら下がるようになりました。

また、これに伴い、あらゆるオブジェクトにプロセスビルダーで適切な処理が走るようにプロセスを組み、データの不整合が起きないように自動化のフローを組んでいます。めちゃくちゃ大変だった。

ちょうどSalesforceがSalesforce Customer 360でやろうとしていることです。

会員向けサービスをHeroku上で展開し始めた

前回の時点でcommunity cloudを使って、ユーザーにサービスにログインしてもらい、その中で情報の登録をしてもらう系を作ったと書いたのですが、これを進化させました。

https://id.lne.st/

community cloud自体はアカウント数課金なので、人数が増えていくと破綻します。(ただ、初期構築がめちゃくちゃ楽なので、簡易的に会員サービスを展開したいという人はこれ良いと思います。)

650ライセンスで契約をしたものの、アカウント数が常にパツパツで、処理が終わったイベントの参加者はライセンスを無効化する…みたいな処理を続けてなんとかやりくりしていました。ただ、それは本意ではありません。

そこで、会員サービスをHeroku上で展開。そうすることで、会員数が何人になっても問題ないサービスへと進化しています。

会員は自ら自分の情報を更新することが出来るようになり、リバネス上のデータが会員によって更新されていくという系が完成しています。

全てはEinsteinの為

なんでそんな面倒くさいことやってるの?と思われるかもしれませんが、全てはSalesforceのAIであるEinsteinを使い倒すためです。

Salescloud Einsteinはデフォルトで使うと商談の判定だったり、リードや取引先責任者についての判定だったりはしてくれますが、それだけに使っていたらもったいないですね。

その他のオブジェクトの解析にもEinsitenの恩恵を!ということで出てくる製品がEinstein Analyticsという訳です。

Einstein Analyticsを使って一ヶ月。良い点悪い点。Visualforce,Apexとの比較

ここにも書きましたが、Salesforceが提供するBIツールです。分析をEinsteinを使って判定してくれます。現状のAI活用度数については、ひとまずデータを投入することが出来るようになったレベルなので、これを活用して素晴らしい解析結果を得るという所までは至っていないのですが、その日に向けて粛々とモデルを作成しています。

ロボットペイメント/請求管理ロボを導入して経理担当者の負荷を激減させる施策

ビジネスをやっていて最も大事なことは何だと思いますか?売上の回収です。せっかく良いビジネスをやってもとりっぱぐれていたら会社が潰れてしまいます。創業期は手弁当でも良いですが、17年もやっていると、経理を担当するスタッフが何人かいて、それでもひぃひぃ言いながら処理をしています。

特に大変なのが、未入金の回収です。請求書を出す部分はSalesforceによって忘れるということはほぼなくなったのですが、入金されていないという状況をどうやって発見するのかについては、ほぼ人力という期間が長く続いていました。

流石にそれもなと思っていた矢先に見つけたのが請求管理ロボです。

Salesforceから請求発行のデータを流すと

・設定した日付に自動的に書面を郵送してくれるので、請求書を印刷して郵送し忘れるという事故から解放されます

・銀行のバーチャル口座という仕組みと連携することにより、請求書発行時に割り振られた銀行口座に入金があると、自動的に請求書の金額と消込をしてくれます。つまり、経理担当者は正常に消込がされていないものだけをチェックすれば良いということになり、負荷が激減!!

ということで、つい先日の4月末請求からこちらの利用がスタートしています。他にもメール送信に対応していたりと、リバネス的には便利すぎる案件ですので関心がありましたら連絡ください。

会社の電話番号のファーストコンタクトをコールセンターに変更した

詳細はこちらに書いた。取次不可だった電話についてはSalesforceを経由してSlackに通知するようになっている。

これまでブラックボックスになっていた、リバネスにかかってくる電話についての情報が可視化された。これによって、みんなが対応の結果を気にすることが出来るようになったのはプラスだろうと思う。

結構電話ってかかってきてるんだなぁ…というのが大きな感想。

Slack連携を進めています

これは、Qiitaに書いたのでそちら見てもらえば分かると思いますが、Salesforce側のトリガを使ってSlack側に通知を飛ばす処理をいくつか作っています。salesforceとの橋渡しとなるbotを育成中。Slackもインテグレーションのための仕組みをブラッシュアップしてきているので、Slack上で簡易的なインプット処理が可能になる日が既に来ています。あとは実装だけ(笑

将来的な展望について

さて、ここまで15ヶ月をざっくり振り返ったのですが、色々とやってきました。忘れてることも多い予感がしています。更に将来何をしていくのかについてですが、Heroku上に構築したリバネスIDの高機能化を進めていきます。

ざっと考えている機能でいうと

- イベント受付
- 名刺交換機能(QRコード読み込み)
- メッセンジャー
- オンラインメンタリングに特化した機能追加
- 超異分野学会の受付システム

みたいなものを実装することで、より密に連携したサービス展開が可能になる予定です。

最後に、Salesforce/Heroku/Slack周りで仕事してみたいという方がいましたら Twitter @geeorgey までご連絡ください。


noteにはこれまでの経験を綴っていこうかと思います。サポートによって思い出すモチベーションが上がるかもしれない。いや、上がるはずです。