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ゲームと音楽の関係性

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ゲーム音楽の鳴らし方には、どのような工夫が詰まっているのか?大好きなゲームの音楽にも、あなたの知らない「インタラクティブミュージック」が隠されているかも。ゲームと音楽の関係性に迫… もっと読む
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#音楽

ゲーム音楽を彩る「インタラクティブミュージック」の進化の歴史  参考資料集

ゲームメーカーズスクランブルというイベントで登壇した際の資料です。 記事と動画が公開されました。 スライド 講演者https://twitter.com/geekdrums 研究資料 Ludo Musica III(3/31まで!) 前置き インタラクティブミュージックの個人史 1980年頃「ゼビウス」「ディグダグ」の楽曲を手掛けた慶野由利子氏が語るナムコサウンド。トークイベント「The Art Of Video Game」をレポート 1990年代 200

ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドのサントラを買う人が知らないゼルダBGMの裏側

全世界70億人のゼルダファンの皆様、 そしてその9割を占めると言われる60億人超のゼルダ音楽ファンの皆様へ。 四月にはゼルダの伝説ブレスオブザワイルドのサントラが発売される。 突然だが……サントラというものが何かご存知だろうか? サントラ、正式名所オリジナルサウンドトラックとはゲームの中に出てくる音楽を音楽単体で抜き出して商品にした上で、なぜか知らんがゲーム本編と変わらん価格で売りつけるというえげつない商売のことだ。しかし、これを60億人が買いたがる。ありがとう任天堂。

「インタラクティブミュージック」という、ゲームと音楽の関係性。連載開始。

前回のnoteが、初のnoteだったんですが、予想以上に多くの反響をいただきました。皆様のゼルダ愛のおかげです。 「インタラクティブミュージック」という言葉を初めて知ったという方も多く、広まってくれて良かった!!と同時に、皆さんの「もっと知りたい」をひしひしと感じました。 「ゼルダ」が「ファイナルファンタジー」に与えた影響コメントの中に、「FF15でインタラクティブミュージックが使われていて初めて知ったけど、ゼルダはもっと凄いことしてたんだ」という方もいらっしゃいました。

ゲーム音楽をイロイロに彩る「アレンジの変化」 ー Splatoon, NieR, etc...

突然ですが、 Splatoonの音楽は最高にイカしてる!! Splatoonとかいうゲーム、ゲームとビジュアルと音楽と全てが神なんだけど、中でもとにかく音楽がいい。ゲーム音楽って普通「ゲーム体験と合わさって心に残る」というものだけど、Splatoonに関してはもう正直ゲームと切り離して1つの音楽作品と見ても大好き、なんだこのアウトローでキャッチーで攻めてるサウンドは。 「Splattack!」大好き。ABXYもピコピコが好き。「シオカラ節」は最高だろ。「マリタイム・メモ

「ファイアーエムブレム覚醒」 プレイヤーの感情とリンクする音楽

「ゲームと音楽の関係性」を紐解くこの連載。前回のnote↓ では、「ファイアーエムブレム覚醒」で使われているアレンジの変化についてちょっとだけ触れました。 それがこちら。 フィールドから戦闘に入るところで、「アレンジの変化」が使われています。 この変化がまぁ、 たまらない。わけですよ。 フィールドで指揮をしている時の、 心地よい風が吹き抜けるようなアンサンブルサウンド。 そこからいざ戦闘に入った時の、 勇ましい打楽器と低音が加わったフルオーケストラサウンド。

ゲーム音楽が「ループ」をやめる時

ゲーム音楽はループする。 それが常識であり、ゲーム音楽を特徴づけるものの1つであった。 それ以外の音楽は必ず「ループ」ではなく「終わり」がある。ゲーム音楽には終わりがない。なぜならゲームをプレイする時間はプレイヤーの自由に委ねられているから。プレイ中に勝手に音楽が終わってしまうと没入が途切れてしまい、良くないこととされてきた。 しかし、「ループする」ということは演出としていくつかの問題をはらんでいる。 まずは 「ループに対する飽き」 英語圏では「Repetitio

BGMManagerで意外と必要になる機能

◆ この記事はゲームサウンド制作 Advent Calendar 2018の15日目です @geekdrums と申します。音楽プログラマーを名乗っています。ゲーム会社でゲームエンジニア、サウンドプログラマーなどやってきました。 ところで、BGMManagerクラス、作ったことありますか? 地味だし、簡単そうに思えますよね。地味だし簡単そうだから誰も語ってないし、なんとかなると思われてそうですが、意外とめんどくさい、特にRPGなど、戦闘システムとイベントなどの演出がごち

ディズニーランドのインタラクティブミュージックがすごく凄い

動的な音楽演出「インタラクティブミュージック」オタクのgeekdrumsと申します。オタク視点から見たディズニーランドの音楽演出、とくにエレクトリカルパレードで感動したので語彙力が尽きるまで解説しようと思います。 こちらの記事が含まれる、インタラクティブミュージックの連載はこちら。 どの記事も単体でお読みいただけます。 ゲームでは「フィールドで音楽が鳴ってる」って当たり前すぎるんですが、現実世界でそのような体験ってなかなか無いですよね。自分がゲームのそういった演出の話をす

ゲームプレイを音楽として再解釈する

私はかねてより「音楽とゲームの融合」を目指してゲーム開発を行ってきました。先日公開した作品「Same Game, Different Music」では、古典的なパズルゲームである「さめがめ」をプレイするだけで、ブロックを消す順番とスコアに応じて毎回違った音楽が生成・展開されます。 もし興味を持っていただければ、是非こちらからDLして遊んでみてください。Win/Mac対応です。 ゲームプレイから音楽が生成される、Generative Musicと呼ばれるタイプの作品は、なか

ジャズはeSportsだ!~Splatoonで学ぶBLUE GIANT~

映画「BLUE GIANT」、(CG部分を除いて)傑作でした。 私はかねてよりのジャズ好きで、ジャズ好きを唸らせる魅力に詰まった漫画「BLUE GIANT」シリーズ作品のファンでもあり、それがついに映画化、しかも演奏を担当するのが上原ひろみ(ピアノ)、馬場智章(サックス)、石若駿(ドラム)とあらば、絶対に見逃すわけにはいかない、と初日に見に行って正解でした。 演奏中の2Dエフェクト表現を含めたMV的な演出が本当に素晴らしく、また、「映画音響の大音量で聴くジャズ」というのが