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2018年、深化できたのか?「石膏像ドットコム」

まだnoteの使い勝手がいまひとつしっくりこなくて、よちよち歩きなんですけど、来年はぜひともnoteでの発信を増やしたいと思っているので、今年のまとめもこちらに書いてみます。

進化ではなくて、深化。進化も大切なんだけど、なんたって石膏像はコピーするだけの仕事だからね。そんなに立派なものにはならない。手元にあるリソースをどれくらい研ぎ澄まして活用していけるかが大切。

総じてよくがんばった一年でした。やるべき事をごまかさずにコツコツ積み上げて、勝負するべきタイミングではちゃんと動けたように思います。客観的に見ればそんな感じ。良い場面がたくさんありました。でも成果としては不十分。様々な形で皆さんから嬉しい評価をいただいたり、想像も出来なかった人々との新しい交流が生まれた反面、肝心の売上は目標をやや下回る結果になりました。ネットの販売チャンネルは概ね好調でしたが、想定よりも伸びが鈍く、旧来の取引チャンネルである教材卸業者、画材販売店との取引は縮小のスピードが速すぎました。

まあ売上に関しては、とにかくネット側を大きくしてゆくしか道は無いわけで、来年はさらに攻めていかなければなりません。やれる事はなんでもやらないと!

ここでは2018年の嬉しかった出来事をいくつか辿ってみます。

1月 小沢剛「不完全ーパラレルな美術史」@千葉市美術館

東京藝術大学の現役教授であり、世界的な現代美術家の小沢剛さんの展示に少しだけ協力させていただきました。といっても、僕自身は何もしていなくて、この企画をキュレーションされた学芸員の方との情報交換くらいです。石膏像を大きくクローズアップした展示で、かねてから親しくしている美術教育研究者の荒木慎也氏(「石膏デッサンの100年」アートダイバー刊の著者)が展示に深く関わったため、僕にとっても特別な展覧会になりました。

オープニングにも参加させていただきましたし、荒木氏を含めたトークイベントの日にも足を運びました。特にトークイベントの日は、壇上に小沢剛さん、金井直さん(信州大学教授)、荒木慎也さん、そして会場には田中咲子さん(新潟大学教育学部准教授)、小田原のどかさん(彫刻家、トポフィル)、細川英一さん(アートダイバー)、鴻池綱孝さん(EXPO、ギャラリーマルヒ)・・・という面子で、石膏像研究のオールスター大集合!みたいな状況で、僕はもうちょっと涙が出そうなくらい嬉しい一日でした。


この展示に関連して読売新聞に取材していただいたり。

さらに英字新聞の「The Japan News」に転載されたり!
全国紙に掲載していただけたなんて、本当に感謝感激でした。



3月 現代美術家の上路市剛さんの作品に製作協力@アートフェア東京

上路さんはまだ20代にもかかわらず、アジア圏での大規模アートフェアへも頻繁に出展されている新進気鋭のスーパーリアリズム彫刻家です。古典的な有名彫刻を参照した作品が特徴で、石膏像を題材にした作品も多数発表されています。5年前くらいにネットで存在を知って、いつか展示を拝見したいと願っていたアーティストでした。それがTwitterでの交流から発展して、3月のアートフェア東京での出展作品の石膏部分の製作をお手伝いさせていただくことになりました。

初めてアートフェア東京にも出向いて、熱気あふれる会場で上路さんのブースを拝見してきました。ちなみにこの作品(樹脂バージョンと、石膏バージョンの2体)、すぐに成約になったそうです(すご~~い)。



12月 渡辺おさむ「石膏スイーツ」@新美ギャラリー

時期が前後しますけど、現代美術界の「クリーム王子」「スイーツ王子」の渡辺おさむさんの展示にも、少しだけ協力させていただきました。マスコミ等ですでに有名な作家さんですね。スイーツ化された石膏像作品たちは、想像以上に繊細で、石膏像の造形を知り尽くした作家さんならではの表現でした。会場では、嬉しいことに拙著「石膏像図鑑」も大きくご紹介いただきました。



9月 カラーミーショップ大賞2018「ベスト店長賞」受賞!

今年はこれに尽きるなぁ。本当にすごく、すごく嬉しかった。2010年にお店を始めた時に、こんな形でペパボの皆さんと笑顔を交し合う日が来るなんて想像も出来なかったです。4万5千のネットショップの中の「ベストな店長」ですよ!? ホントに僕でいいの?(笑) この授賞式に参加できたことだけで、今年はもう最高の年になりました。

伏線というか、2017年の夏に「よむよむカラーミー」に取材していただいたので、長年お世話になってきたカラーミーショップというシステムをより身近に感じるようにはなっていたんです。でもカラーミーショップ大賞は膨大なショップの中から、僅かに40のショップが受賞する狭き門だから、自分には縁が無いものと思い込んでました。電話でご連絡いただいたとき、あんまりビックリしてキャーキャー騒いじゃった(オッサンなのに・・)。

5月か6月くらいに、ネットで流れてきた「山の上のパン屋に人が集まるわけ」を読んで猛烈に感化されてたんで、カラーミーショップ大賞で受賞ですって聞いたときに「おーー!平田さんに会えるかもヾ(≧▽≦)ノ」って。わざわざさんの状況何も知らないのに、今年は大賞でしょ?って決めつけてました(笑)

授賞式までひと月くらい余裕があったので、よし俺も「山パン」(平田さん公認の省略)みたいな文章をいっちょ書いてみるべ。ひょっとしたらバズるかもよ?いや、バズらないよなぁ~~なんて(笑) 僕は、素晴らしいと思ったことからは、出来るだけ素直に学びたいと常々心掛けています。学ぶというか見習う。もっと言うと真似する。音楽でも美術でも、「雷で打たれたよう」に生まれてくるオリジナリティーって全然信じてません。良い人の真似をするところがスタートライン。ということで、平田さんに憧れるならまずはちょっと真似してみようと思って書いた文章がこちら。「石膏像ドットコム スタートアップ物語」
https://note.mu/gee/n/n512d41fd2985

賞ををいただけるなら、そこに至るまでのストーリーを描いてみようと。じつは以前から、この10年の歩みは文章にせねばと思っていたんです。じっくり書いてフワフワ膨らませれば、書店の店頭に平積みされるようなビジネス指南書の仲間入りができるかも・・なんてとらぬ狸のナントヤラ。。

でもこれ結構がんばって書きました。2週間くらいかけたかな。授賞式の前に絶対アップしなきゃと思って。案の定、アップしてもファボが2件くらいのほぼスルーな感じでしたけど(笑)

ところがですね、ここからが凄い!授賞式の当日、GMOペパボの社員さんが、会場でとても心のこもった暖かいもてなしをして下さって、言葉を交わす人がみなさん「石膏屋さんのnoteを読みました!」って。も~~、泣くしかないでしょ、こういうの。なんでフォローがほとんど居ないnoteの記事を、社員さんがみんな読んでるのよ?(感謝感激でした)

カラーミーショップ大賞については語りたいことが山ほどあるんだけど、一番大切なのは、あの授賞式に参加できたこと。賞の種類はあまり大事なことではなくて、あの場に参加できたことが重要だと感じました。当日集まった40のショップの代表者は、みなさんそれぞれに強烈なポリシーを持って日々活動されている方々で、それは単なるネットショップ経営者の集まりではなくて、新しい小売業、新しいビジネススタイル、新しいライフスタイルを創出しようとするイノベーターが一同に会した場だったように思いました。勇気を振り絞ってご挨拶させていただいた「わざわざ」の平田さん、残念ながらお話する機会が無かった「うなぎの寝床」の白水さん、壇上でお隣だった「LAVI SHOP」のハヤカワ五味さん・・・。とにかく皆さん、ネットショップでモノを売るという単純な枠組みで捉えきれるような存在ではないです。もっと大きなところを見据えて行動してらっしゃる凄い人達ばかり。上手く言えないけど、未来の生活をデザインするような感じかな。来るべき近い将来の新しい働き方、消費の形、人々の暮らし、繋がり方・・・。授賞式の会場の空気から感じたのはそんなことです。

そして同じことを、心のこもったもてなしをしてくれたペパボの皆さんにも感じました。正直言って衝撃でした。最先端の会社ってこうなんだと。パッと見てすぐ思ったのは「風通しが良すぎだろ!(笑)」。でもこれ組織には一番難しいことなんだよね。ひとりひとりの情熱と誠実さがちゃんと表に出てこれる組織というのは最高です。

この授賞からはずいぶん大きな影響を受けたように思います。まずネット販売のあり方を少し修正しました。Amazonのマーケットプレイスでの売上が伸びるにつれて、カラーミーショップ側への対応が手薄になっていたのを反省。他の受賞ショップさんのデザインの美しさに打ちのめされたので、少しでも改善をと思って、まずはAmazonPayを導入。それからトップのヴィジュアルを改善したり、セールを開催してみたり、あれこれ動き始めました。

それからSNSについても考え方を改めました。特にTwitterは、従来は個人的な立ち位置だったものを、石膏像ドットコムとしての動きが前に出るようにしました。それから、このnoteの活用の必要性を感じるようになりました。Facebookのように閉じた場所ではなく、ブログのように乱雑な画面でもない。そしてまだ全然理解不足ではあるんだけど、noteの持っている「場」のムードに惹かれています。このnoteの活用は2019年の僕のテーマの一つです。

受賞を受けて取材していただいた「日本ネット経済新聞」の記事


とまあ、やはり賞をいただいたことが今年のハイライトでした。2017年がタモリ倶楽部でしたから、同じくらいの衝撃が2018年に待っているとは完全な想定外でした。2019年はどうだろう?またなにか楽しいことがあるかな。そのためには、日々プッシュしていかなきゃね。

読んでくれてありがとうございました。
良いお年をお迎えください。

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