第九の編曲、そのさまざまな姿

 ウィーン・オペラ座の正面玄関を出て、建物の西側の通り、オーパーンガッセをのんびりと6、7分、歩いて南下する。左手にカフェ・ムゼウムを見ながら進むと、やがて「金色のキャベツ」のような円蓋を戴いた白亜の建物が目に入る。分離派会館(ゼツェッシオン)だ。

画像1

ここから先は

2,310字
この記事のみ ¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?