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スタパ齋藤文章スタイル入門

ブログを書いていて文章力のなさを改めて痛感する。
文章力が欲しい、読み手の心に響くような文章力が。
誰のような文章力が欲しいか?と問われたならば64%の人が「スタパ齋藤のようなハイテンションな文章」と答えるそうな。(脳内街頭調査より)

特に、テンションMax期1998年前後のスタパ齊藤は、ぶっ飛んだ文章で読むドラッグとして最高だ。例えば、まだソニー時代のVAIOノートのレビューではこんな感じ!

この筐体のどこにハードディスクが入ってんだよふざけんじゃねえよ素人だと思ってバカにしてんだろおいコラ放課後体育館の裏に来い、みたいな感じで一瞬呆気にとられる内容だ。

スタパトロニクス 第3回:俺も買ったからキミも買え!!「VAIOノート PCG-505」 より

ノートPCのレビューで体育館裏に呼び出されるという異世界転生の感覚になるのはスタパ氏の文章だけだろう。

しかしながら、最近のスタパ氏は老齢の達人武術家のように最小限の力で製品レビューをなぎ倒しているかのように感じる。かつての狂人じみた勢いのある尖った文章がまた見たい。でも見られない。ならば、自分で書けるようになろうではないか。

「全盛期のスタパ齋藤っぽい文章を書く方法」と「amazon」で検索してもヒット0件。それどころか、購入履歴によりアダルトな商品を進めてくる始末。世の中のではスタパ齋藤風の文体はあまり研究されていないご様子である。

というわけで、スタパ齊藤氏の文章スタイルはどういう特徴があるかをまとめてみます。

すなわち「スタパ齋藤初心者によるスタパ齋藤初心者のためのスタパ齋藤文章スタイル入門」である!!

参考文献
以下の例文はスタパトロニクス(PC Watchに1997年連載開始)より抜粋。

定番修飾語

まずはよく使われる単語集。
これらの単語を猛烈な勢いで組み合わせまくだけでも、モーレツにイカしたスタパ的な文が無限に発行できる。

最上級
・最強に、最高で、サイコーに
・完全に、究極の、完璧な
・極度の、極端な

過度な表現
・猛烈に、痛快に、過激に、希に見る、無限に
・ヒッジョーに、比類なき

数字
・32回、64倍、128倍

すごい
・凄い、スゴい、すげぇ、凄まじい、すんげえ、凄まじい、凄まじ過ぎる
・イカシた、イカス!!

未来
・未来世界、近未来、フューチャー
・サイバー
・SFチック、人類の進化

〜的
・加速的、刹那的、物理的、パソコン的
・ 〜的 (〜は長めの文)

野郎
・物欲野郎、錯誤野郎、パソコン野郎、夜行性野郎、マウスが大好き野郎

カタカナ
・コレ、モノ、ナニ、モン
・ココ、トコロ

接続詞
・あ、が、
・でね、かつ
・ていうか

最強に冗長で重複した表現

スタパ語の超重要表現の「最強に強まった」。「最強」と「強まった」と同じことを重ねまくった表現こそスパタ文章スタイルの核でありコアなのだ。同義でなくても誇張表現を冗長させることが重要かつ大切。


・グレートかつナイス
・ブラボーでハラショー
・明るく愉快で楽勝なDoCoMoライフのエンジョイを開始したのであった
・なんだよコレすげえ便利だよ最高だよイカスよグレートだよ

文章の最後は「!!」を追加しまくりで!!
サイバーでハイテンションでスピーディな展開を見せる文章の最後には「!!」が欠かせない!!(Shift+1)×2!!必ず半角!!
とりあえず「!!」を付けよ!! 付けまくれ!! 短い文章に「!!」!!
ビックリビックリ!!

ちなみに疑問系かつハテナは「!?」である。


・凄い!! 凄すぎる!! これが現代の音源というものか!! 欲しい!! 欲しすぎる!! ていうか買った。

・コレがあれば携帯電話のメモリ内容をパソコン上で編集することができるらしい!! くわッ!! コレだ!! これしかない!! 即ゲット!! メールで注文!!

擬音のような叫び

「ズギャ!!」「なななななにーッ!?」「ズシャァアァアァ!!」「ぐはッ!!」「うぉおぉぉ〜ッ!!」「ん!!」「くぅ〜っ」
など辞書にない言葉を何の断りもなく叫ぼう。

中でも使用頻度を上げたいのが「くわッ!!」だ。よくある、怒りで目が攻撃色になって突進している時や、苦行の末に悟りを開いたりした時の効果音として便利である。

表現中にどこかへ飛ぶ

スタパ文の魅力のひとつは、冒頭書いたとおり文章中トリップ感である。比喩表現の最中に飛躍しすぎて、「そこに行けばどんな夢も叶うと言うよその国の名はガンダーラ」級の旅というか大冒険アドベンチャーが味わえる。
時には違う人格になったり、自問自答のうえ怒りつつ自己解決するなど、読む多重人格である。このサイコなサイケなテクニックはヒッジョーに難しいが是非ともマスターしまくりたい。


・ていうか俺のDNAは何億年も前からこのよーなコンピュータを欲しがっていたんだ!! と本気で思うほど、俺は会心にして痛快なる衝動買いをしていた。

・パワーザウルス程度の本体にPCカード一体型のケーブルをつなげてコンピュータに挿すだけで使えるとは何事か!! しかも胸ポケットに3枚は余裕で入るメディアサイズとは何事かッ!! ついでにカリカリカリっと小さくてかわいくてかつ精密そうなヘッドシーク音を出すとは何事かーッ!! みたいに逆切れしてしまうほど簡単かつ素敵で良い。

・俺にとってはMDに楽勝で文字が入力できれば核戦争だろうがメルトダウンだろうが何でも来いって感じなんだよアニキわかってくれよブラザー!!

まとめ

スタパ氏調文章のフィーチャーを挙げてみたがコレを覚えたトコロで、ジュラ紀にアンモナイトしていた頃から国語不勉強の真性理系野郎の俺には、焼け石に水野晴郎である。すなわち「シベリア超特急の6作目は未完」という情報くらい無駄ということである!! ん!! というか、コレら小手先のテクニックでは、コラムニストとして最強に強まったスタパ齋藤ご本人の文章の魅力には果てしなく遠く及ばないまくりであることを再認識せざるを得なかった。

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