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犬の命と人の命、どちらが重いか


『ノーリードは単なるマナーの問題。かわいい犬を殺すのは絶対悪』



放し飼いされていた犬(犬種はパピヨン)を蹴り殺した男が逮捕された、というニュースがある。案の定、かわいい犬を殺した残酷なクソオスをぶっ殺せと喚く輩がウジ虫の如く湧き出てきた。

日本において動物への殺傷行為は器物損壊になる。法律での保護対象は人に限られ、それ以外の動物は“物”として扱われるからだ。動物好きにしてみれば物扱いされるのは我慢ならない話だろうが、だったら法律の改正を求めるように動く以外に手は無い。法律の不備を問題視するのは当たり前のことだが、現時点(2020年)では器物損壊以上の罰則、ましてや人を殺めた殺人罪の適用などあり得ない話なのでどうしようもない。しかし、「人の命と動物の命、どう考えても動物の命の方が重い」と公言して憚らない異常者がいるのも事実なのだ。

「たかがノーリード(放し飼い)くらいでかわいいワンちゃんを蹴り殺す異常者は逮捕されて当然。動物殺しは人殺しになると言うからコイツはさっさと死刑にしろ」と息巻いているが、犬の放し飼いを軽視する辺りにこの手の異常者の限界が見て取れる。

犬、例えそれが愛玩用に改良された小型犬でも狼が先祖に当たる獰猛な肉食動物であることに変わりはない。人とは明らかに異なる鋭い牙はパピヨンであっても危険な凶器になる。噛み付かれたら無傷では済まず、不潔な口内に巣食った細菌に感染して危険な病気になるおそれも否定できない。蹴って追い払おうとするのは身を守るための当たり前のことであり、蹴られたから死んだとしてもそれは結果論である。噛み付こうと飛びかかった犬の方が悪い、何ならそのような危険な犬を放し飼いにした飼い主が悪い。

かわいい犬を無惨な方法で殺した男が悪いと決めつけるのは先入観にとらわれた危険な思い込みだ。実は飼い主がアイツに噛み付いてやれとけしかけたかもしれない。現に以前から犬の飼い方でトラブルを引き起こしていたことが明らかになっている。元より問題のある飼い主であり、このような事態が起こるのは必然だったと言えるだろう。


犬好きに悪い人はいない、などという根拠のない俗説がある。何をもって悪い人なのかは不明だが、少なくとも放し飼いを些細なことと軽視し、人の命を脅かすこともある危険な動物を使って周りを威嚇するような輩は良い人とは言えないだろう。

動物愛護家、愛犬家を強く自称する輩ほど放し飼いの危険性を無視し、ただひたすらに犬を蹴り殺した男を非難している。犬に噛み付かれて怪我をしようと死のうとどうでもいい、犬は常に正しいとのたまう異常者も少なくない。畜生道に堕ちた外道だから同じ畜生の犬を擁護したいのかと思えてくる。




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