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【不動産投資は投機ではありません】

1.土地基本法

土地基本法第一条には土地についての基本理念を定めた法であると記され、第二条で土地はその使用にあたっては「公共の福祉を優先させるもの」と定め、第三条で「その所在する地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に応じて」あるいは「その周辺地域の良好な環境の形成を図るとともに当該周辺地域への悪影響を防止する観点から」それぞれ「適正に利用し、又は管理されるもの」と定め、第四条で「土地は、投機の対象とされてはならない」と定めています。ところが土地は建物の敷地としてとして使われることで、大きな収益を生み出すことができるので、投資目的で所有されます。

2.投資と投機の違い

投機目的の土地所有は駄目ですが投資目的なら構いません。投資と投機は目的達成までの期間が違います。投資はその対象を長期間保有することで、株であれば配当金や株主優待などの、不動産であれば家賃収入などのインカムゲインで利益を得ることです。節税やインフレヘッジの目的で保有されることもあり、購入額より売却額が高額であれば、結果としてキャピタルゲインでも利益が得られます。
一方、投機はその対象の価格が上がるか下がるかを予想して、短期間での売買で値上がり利益を得ることで、その対象は株やFX、仮想通貨などが中心です。投資は長い期間をかけて少しずつお金を増やすものですが、投機は短い期間内の売り買いで大きな利益を得ようとするものです。

3.投機目的の土地所有は何故駄目なのか

土地は建物の敷地として使われてその価値を発揮します。建物を使う人がいて地域が発展します。地域が発展すれば住民はより豊かに暮らせます。ところが、投機目的で所有される土地は価格が上昇し、転売されるまで利用されませんから、経済成長を阻害します。周辺地域の発展も阻害します。さらに、不動産は売買だけで元本の10%近い手数料が必要なので、短期間に価格が大きく上昇しなければ投機の目的は果たせません。不動産は長期所有を前提として所有する資産なので、キャピタルゲインを目的とする投機ではなく、インカムゲインを目的とする投資向きの資産なのです。

4.投資資金の回収に要する期間

投資目的の不動産購入の資金回収は、インカムゲインだけだと何年かかるのでしょうか。
東京都心の新築マンションの価格は1㎡当たり200万円で、賃料は1㎡当たり4,000円、管理費修繕積立金は1㎡当たり400円、収益税率を10%とすると、51.4年を要します
中古マンションの価格は1㎡当たり120万円で、賃料、管理費修繕積立金、収益税率を同額とすると、30.9年を要します。旧耐震の中古マンションの価格は1㎡当たり80万円で、同条件で計算すると約20.6年を要します。

5.マンションの投資利回りは何パーセントか

キャピタルゲインもロスもないものとして、投資資金回収後に購入金額と同額で売却できたとすると、新築マンションの投資利回りは1.95%、中古マンションは3.24%、旧耐震の中古マンションは4.85%です。
RC(鉄筋コンクリート)造やSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造のマンションは120年以上使用できるので、築後50年の旧耐震のマンションを購入しても資金回収後にまだ50年も使えます。

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