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ソシャゲプランナー経験したらソシャゲやらなくなった件

最近どう?スマホゲームやってる?

私はというと、いわゆる『ソシャゲ』と呼ばれるスマホのゲームはほとんど遊ばなくなってしまった。少し前までは、時間回復するスタミナを必死に消費し、配布されるガチャ用の石を貯め、時には課金し、血眼になってのめり込んだ時期があった。ちょっと待て、こう書くとめっちゃ異常だな。怖っ。

そんな私にも、ソシャゲを明確にやらなくなった原因が自分の中にある。

まず、圧倒的に金がもったいない。基本無料のゲームとはいえ、やはり男のオタクたるもの、素晴らしい性能のキャラクターや、自分の股間に直接攻撃を仕掛けてくる魅力的な女性キャラクターが実装されると、どうしても欲しくなってしまうものなのだ。男って、ほんとバカ。
結局のところ、多額の金をかけないと一生満足することのないゲーム性に心底疲れたというところが本音だ。ガチャ課金を気軽にできるほど財布は潤っていない。むしろ砂漠だ。

そしてもう一つが、私が過去にソシャゲのプランナーをしていた、という経験が大きく影響していると感じる。

ソシャゲのプランナーって何よ?っていう方のためにざっくりプランナーの仕事について説明させていただく。会社ごとにおそらく差異もあるだろうからほんとにざっくり。

プランナーの主な仕事は、その名の通り、企画案を出し、それを各部署と連携しながらゲームに落とし込んでいく仕事だ。

私の場合、ゲーム内イベントの企画、ガチャの企画や設定、キャラクターのパラメータ調整など、売上に直結する部分の仕上げを行っていた。

実際に企画したものに必要なバナー画像などをUIチームに依頼したり、プロデューサーからの無茶振りに徹夜で対応したりと、とにかく板挟みになることが多い立場ではないかと個人的に思う。

さて、ではなぜこの経験が私の『ソシャゲ離れ』の一因となったか。

それは結局、ソシャゲの制作現場を実際に見てしまったから、ということに尽きると思う。あれよ、アイドルの裏垢見ちゃって冷めるみたいなやつ。

ということで、プランナーをやっていたときの話をここから書いていこうと思う。

今日から君はガチャの設定を担当してもらう

元々私は、とあるスマホRPGゲームのデバッグチームにいた。数ヶ月経ったある日こんな声がかかったのだ。

「プランナーのチームに加わってほしい」

正直、藪からスティック(ルー語)の声掛けだった。デバッグチーム側では割と重宝されていた自覚があったので、すごく予想外だった。

完成されたゲームをチェックするのではなく、完成に至る最終段階を手掛ける、という業務には割と魅力を感じたので、私はすぐにOKの返事を出した。正直デバッグ飽きてたし。

最初はプランナーアシスタントという形で、すでにプランナー業務を行っている人の下に就き、仕事を教えてもらいながら、徐々に業務を引き継いでいくものだった。

そこで私に振られた担当が、『ガチャ』の設定だった。

ソシャゲのガチャといえば、スマホゲームにおける利益を生み出すための主軸であり、諸悪の根源でもある。お金がダイレクトに絡む部分なので、バグなんて絶対に出してはいけない。やらかし度合いによっては消費者庁とコラボすることになる。

そんなわけで若干の緊張感を持って開始したガチャ設定の業務だが、自分にとってはめちゃくちゃ簡単だった。どのキャラを何%の確率で排出するかを、エクセル内に特殊な数値を割り振ることで設定できる仕組みだったので、元々ちょっとした計算とかが好きな自分にとってなんの苦もなく業務にあたることができた。

というわけでここから私のプランナー業務がスタートした。

いつ帰ってるんすか??

実はデバッグチームにいた時点で少しばかり恐れていたことはあった。それは、ゲーム内イベントの更新日に近づくにつれて、残業時間がみるみる増えていくということ。Why??

理由はとても単純。イベントの設定とかが全然終わってないから。

例えばガチャ画面だけでも、内部データでの確率の設定以外に、バナーの設定だったり、キャラ表示の設定だったり、とにかく設定することはたくさんあった。イベントに合わせたガチャをやろうもんなら新しい訴求画像とかも必要だった。☆5確定○○ガチャ!!とか書いてるやつのことね。

内部データの設定はプランナーの仕事だが、バナー画像とかはUIチームのお仕事なので、依頼を出して、完成された画像のチェックをして、それを実際のゲーム内に落とし込んでいく設定を行う。パーツを専門家に作ってもらって、プランナーが組み立てるみたいなイメージ。

ガチャ画面だけでもこんななのに、RPGゲームにおけるバトルの設定はもっと大変。単純に敵のパラメータを設定して、そのバランスを見て、また調整して……。そんなことを担当していた人が、めちゃくちゃ凝り性のおっさんだったからなおのこと時間がかかっていた。正直この作業に正解はないので、担当者のこだわりに依存するところがとても大きい。

そんなこんなで、ガチャの完成ですら時間がかかっていたが、バトル調整班はとんでもない時間がかかっていた。まじで毎日会社に泊まり込んだり、そのへんのネカフェで寝泊まりしていたりしてた。正直こいつらマジかよってずっとドン引きしてた。

あまりにも残業しているもんだから、ふと気になって、「いつ帰ってるんすか?」って聞いてみたことがある。沈黙。そして苦笑い。それが答えだった。

伸びない売上、険悪なチーム内

そんなこんなで終電間際まで仕事することも度々ありつつ、業務を続けていたのだが、私がガチャ担当していたこのゲームはとても致命的な問題を抱えていた。

とにかく、売上が伸びない。

今になって考えてみれば自分でも原因はよくわかる。ガチャ以外に特に目立った課金要素が無く、ゲーム自体も機種によっては非常に動作が重く、キャラやシステムがいくら良くても流行らない典型のゲームだったと思う。

要するに、激重!!動かねぇ!!そのくせガチャゲー!!

売れるわけねぇわ。

しかしながら、作っている側の人間はどうにかして売上を作らなければならない。そういう圧力を絶妙にプロデューサーがかけてくる。正直このプロデューサーの行動、言動、その他社内での立ち振舞を録音録画して告発したら、一瞬で終わりになるレベルの言葉が飛び交っていた。

さて、この超絶パワハラプレッシャーにより、なにがなんでも売上を作り出さなければいけないという使命感(恐怖感)を覚えたスタッフ一同、なんとかアイディアをひねり出そうと会議に会議を重ねた。

新しいアイテム、新しいシステム、新しいガチャ、新しいイベント。

たまに売上が回復したかと思えばまたすぐに落ちた。チーム内のメンバーのほとんどがすでに気づいていたに違いない。もうこの船は沈むと。

ブチギレ、そしてサ終へ……

プロデューサーからの圧も感じつつなんとか過ごしていたある日。

私は隣で作業していた同僚とよく談笑していた。しかしそれが、先述したバトル調整の職人気質オッサンの逆鱗に触れたらしい。

「うるせぇ!静かにしろ!殺すぞ!!

正直ビビった。このハラスメントにうるさい現代日本において、Fワードばりのごりごり火の玉ストレートの発言を実際の肉声で耳にするとは思ってもいなかった。

その後朝礼の前に謝りに行ったのだが、「駄目だ、許さない。」と一蹴された。このオッサンまじかよ。そして朝礼中、このオッサンからまたも耳を疑う発言が飛び出した。

お前らやる気ないなら辞めちまえ!!

さて、ここでこのオッサンの立場を振り返ろう。このオッサンはただのバトル調整班として外部委託で雇われている個人経営会社の社長。俺はまた別の会社から常駐しているガチャ担当。プランナーとしてのチーム内の立場はまじで同じ。このオッサンに人事権は微塵もないし、このオッサンはガチャの設定なんかできない。すごいよね。

私はとにかく凹んだ。単純に同じ職場の人間に敵意を持たれてしまっては本当に仕事がやりづらくてしょうがないからだ。次の日から熱が出て何日か仕事を休んだ。クソ雑魚メンタルすぎると自分でも思う。

さて、そんなこんな揉め事もあってはチーム内の軋轢もみるみる大きくなっていった。ちなみにブチギレオッサンはみんなから嫌われていった。ブチギレて職人気取る割に、仕事は遅いし、無駄なとここだわるし、売上につながる施策は何一つ出さないし、結局仕事ぶりがシンプルにひどかったからだ。(ざまぁ。)

結局チーム内の全員が疲弊する中、チームワークもクソもない状態で、プロデューサーからあることが告げられた。

サービス終了。

終わりはとても呆気ないものだった。サービス終了の告知を出す頃にはなんの未練もなかった。ぶっちゃけやることが急に無くなって、社内ニート状態になっていたほどだ。マジで毎日youtube見て定時に帰ってた。

サービス終了するのは正直当然だったし、もっと早く終ると思ってすらいた。それはなぜか。

プランナーのチームスタッフ全員が、このゲームを仕事以外で遊んでいなかった。

めっちゃ怖い話だよね。遊ばせようとしてるけど、自分らは一切遊んでないっていうね。

結局ソシャゲは続かない

結局こんな経験をしてしまっては、なにかソシャゲをやっていても裏を想像してしまうようになるのだ。

ひとたび緊急メンテナンスなんかあれば、スタッフ寝ずにやってるんだろうなぁとか、サーバーエンジニアはブチギレてるんだろうなぁとか、いろんなことを考えてしまうようになってしまったのだ。

こんなことがちらついていてソシャゲができると思うかい。新キャラが出てくるたびに運営の意図とか売上の意図を勝手に考えてしまって集中できるかい。私は無理だったね!!!!

つまるところ、ソシャゲを楽しむには、裏の事情なんか考えずにやるのが一番ってことだね。(強引なまとめ)

正直ジャブジャブ課金できる金があったら続くのかもだけどそんな金ないし。大富豪いたらマジでこのnoteにサポートして助けてほしいレベルだよほんと。

サポートしてもらえたらメガネへし折れるくらい喜びます