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第2波、破壊力のシミュレーション

不景気の第2波がやってきている。
コロナウイルスに起因している「経済問題。」
それがどのくらいの破壊力なのか?

イメージできているでしょうか?

最近またしても生々しい現実の情報が多くなってきて、背筋が伸びる気がしていますので、社内のメンバーにも読んでもらう為に書きました。

弊社も含めてBtoBの会社は、第2波で大きく影響を受けるはずです。
そしてそれは、従業員の皆さんの日常にも影響が及んでくると思います。

どうやって経営者が追い込まれていくのか?
どういう意思決定をせざるを得なくなるのか?

イメージできるようにシンプルに状況を整理してみました。イメージと言っても2つの事例は共に目の前で起きている友人のことを多少脚色しているだけです。

第1波の理解

飲食や旅行、インバウンドなど、分かりやすく売上が下がっている会社の影響が第一波です。

なるべく理解が簡単なように、売上3億の会社で考えてみます。
(売上30億なら10倍でこれが起きます。)
(イメージのしやすさを優先して多少、細かな数字が多少現実に即してません。)

飲食店型(20人の従業員とバイト20人)
売上 3億円=因数分解すると2500万×12か月
固定経費(人件費など必ず出ていく経費、家賃も含む)
1人50万程度なので20人×50万=1000万
バイト7万×20人=140万
月で考えると
売上 2500万
粗利率 50%で 1250万
固定費 1000万+140万
営業利益 110万

となります。
1年間の利益で110万×12か月=1320万

会社の貯金はこの利益から貯めていく事になります。
仮に1320万の利益をあげたとすると。法人税で4割程度とられるのが普通の感覚。

純利益は750万程度です。これが会社の貯金になります。
1年間で750万の貯金ができるという事ですね。

そして5年間それができれば3250万の貯金です。

あなたが、そんな会社の5年目の社長だとします。

コロナがはじまって、売上が80%ダウンしたとします。
(申し訳ないけど20名のバイトの皆さんには仕事を全て止めさせてもらいます。)
2500万/月の売上80%ダウン→500万
売上 500万
粗利率 50%で 250万
固定費 1000万   バイト代削除(+140万)
営業利益 ―750万円

となります。

お気づきでしょうか?1年間で貯められる貯金額と同じ金額が1か月でなくなります。
5年間貯めてきた貯金は5か月もちません。

しかも、これが何か月かかるか分からない。収束の後も元に戻る保証もない。

銀行が貸してくれるといいますが、例えば3000万借りて、それは返せるのか?
事業が元に戻らなければ、単純に社長個人に連帯責任で借金が残るだけになります。

3000万というのは、5年間の利益と同等です。
しかも5か月この状況が続くだけで、そのお金は溶けてしまいます。

なので、友人はこういう選択をしました。

とりあえず、目先のキャッシュがないから、あまりシミュレーションせずに連帯保証のはんこを押した社長も多いと思います。


第2波がやってくる。


上記の飲食のように、多くの1次的な被害を受けたサービス業は、緊急緊縮財政の布陣を引き始めます。(当たり前ですよね。)

そこから流れていたあらゆるお金が止まり始めます。

例えば、人材派遣、広告関連、仕入れの材料なんかがどんどん止まっていきます。
(最近、友人の話を聞いていて明らかに第2波が来ています。
飲食などと比べて分かりにくいので表に出ていませんが、80%90%レベルで売り上げの落ち始めている会社が出てきています。)

試しに広告代理店型で考えてみましょう。
広告代理店(10人の従業員)
売上 3億円=因数分解すると2500万×12か月
固定経費(人件費など必ず出ていく経費、家賃も含む)
1人60万程度なので10人×60万=600万
月で考えると
売上 2500万
粗利率 27%で 675万
固定費 600万
営業利益 75万

こちらは1年間で貯金できる額は500万程度です。

控えめに売上を70%減だと仮定します。
月で考えると
売上 750万
粗利率 27%で 202万
固定費 600万
営業利益 -400万

つまり

●売上が7割減ると、1年間で稼いだ利益が1~2か月で吹き飛ぶ。

●しかも、いつまで続くか分からない。

●銀行で借りるのはいいが、借りたお金は返さないといけない。

●社長の連帯保証

会社にとってはこの先数年の収益が消える
(借金返済のために続ける覚悟)

さて、どうするか?

こういう問いを多くの経営者が突き付けられています。

この時に、流行りの「内部留保を溜めずに積極的に投資」と選択してきた会社は、貯金がありません。

急に崖の先っぽに立たされます。

取引先や、従業員に弱音を見せると信用不安が広がるので見せられません。

ですから、意思決定はある日突然。

会社がなくなるなんて想像もしていなかった会社が、ある日突然なくなる。そんなことが起きると思います。

与信にも気を付けないといけません。
悪い社長は倒産準備で急に発注を増やしたりします。


内部留保がある会社であっても

Withコロナ、アフターコロナの事業の種を見出さない限り、尋常ではないスピードでキャッシュが減るだけです。

なるべく経費を抑えて、冬眠するような動きをとるのが定石です。

倒産や清算の連鎖。冬眠によるキャッシュの循環がストップする事。その事で経済は悪化の循環を強めていきます。

もちろん、上記には雇用調整助成金や、政府のさまざまな対策によって延命措置はなされます。

しかし、事業の土台の構造が変わるわけではありません。

経営者としては、収支が合わない現実と先行きが見えない中で連帯保証してお金をただ借りるという。

実は規模の大きな会社ほど大変です。

数百人の会社は業態を一気に変えることは困難です。ビフォアコロナのモデルがアフターコロナで通用するのか?そんな不安の中

例えば先程のシミュレーションを10倍すると
5ヶ月生き延びる資金の為に3億の連帯保証にはんこを押すかどうかが突きつけられています。

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