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完全再現は、目指さなくてもいい。全社Zoom飲み「おむすびの会」運営の気付きと振り返り

GCストーリーでは創業以来、月に1回「おむすびの会」という名の全社飲み会を行なっています。3月末から原則在宅勤務となったので、4月はオンラインでの開催となりました。

いつものおむすびの会は、近所の公民館の和室をお借りし、おむすびを始め様々な惣菜、お酒を用意し語らう場です。部署や役職の垣根を超えた交流、相互理解のための大事なイベントです。

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GCストーリー独特の心理的安全性の保たれた場を体感するため、隔月で社外の方もゲストとしてお招きしていました。
今回は、社内のみ対象にオンライン化に踏み切りました。企画から関わった身として、運営の気づきを振り返ります。

【企画編】運営視点でみたリアルとオンラインの違い

おむすびの会は、「円座」「場感」など、リアルならではの要素が効果的に機能しているイベントです。ただリアルでのコンテンツやタイムラインをそのままオンラインにトレースすればいいわけではありません。今回は、「在宅」「リモート」それぞれの特徴を踏まえたイベントに練り直す必要がありました。

変更点は大きく3点。

①チェックインの導入
②各コンテンツ時間の短縮
③1グループあたりの人数調整

①チェックインの導入

仕事とプライベートの区切りが難しい在宅勤務。「仕事のことは一旦忘れて場に集中してほしい」と思い、オンラインでは「チェックイン」の時間を設けました。

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仕事のことでザワザワした気持ちを吐き出す時間をつくり、心置きなく会を楽しめるよう気持ちを整えてもらいます。

②各コンテンツ時間の短縮

イベントがオンラインになる想像をしたとき、「長いのでは?」と運営チームで協議になりました。
いつもなら歓談の時間を前後にとりますが、とくに後半の歓談時間は緩んだ雰囲気になります。一服に向かったりお手洗いに立ったりする社員も多いため、オンラインだと体感時間が長く感じる可能性がありました。後半をカットし、任意で2次会開催を参加者に委ねる形を取りました。

また、「決意表明」の時間も短縮しました。決意表明とは、社員が参加者全員の前で現在の心境を吐露したり、今後の目標を宣言したりするコンテンツ。相互理解のためのとても大事な時間です。この時間は飲食を禁止して、ひとりひとりの話に真剣に耳を傾けます。

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いつもは5~7人が1人7分間を目安に話しますが、オンラインでは1人5分に短縮しました。理由は、最後まで集中して話を聞いてもらうためです。オンラインでは画面に一点集中になるので、長時間の視聴は負担になると考えました。

③1グループあたりの人数調整

歓談時間のグループ分けの人数を少なくしたのもオンラインならではです。リアルだと1テーブルあたり6~8人で、自然と小グループに分かれ話していました。オンラインでは1グループあたり4名とし、全員がストレスなく話せる人数にしました。

【当日編】参加者視点でみたリアルとオンラインの違い

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実際の当日の様子を、参加者視点で振り返ってみます。オンラインとリアルで大きく違うと思ったのは次の3つでした。

①参加ハードルが下がる
②周りを気にせず話に集中できる
③真剣な場感の醸成は難しい

①参加ハードルが下がる

まず驚いたのは、参加する顔ぶれに変化があったことです。

業務終了後に行うため、家庭のある社員は参加しにくい面が多かったおむすびの会。
在宅でのオンライン開催は、そんな社員の参加が可能になりました。いつもと少し違う顔ぶれで相互交流が生まれ、とても楽しめました。


②周りを気にせず話に集中できる

いつもは広い和室に6テーブルほど並べ、会が進行します。
歓談の時間はわいわいガヤガヤとした雰囲気になり、つい隣のテーブルの会話が気になってしまうことも。
オンラインの歓談では、会話にちょうどいい人数で周囲を気にせず話ができました。お酒の量や料理の取り分けに気を使わず、気楽に楽しめたという声もありました。


③真剣な場感の醸成は難しい

しかし決意表明の場は、いつもの場感を再現するのは正直難しいなと思いました。
スピーカーからするとギャラリーが無言なのは話しにくく、かと言ってチャット機能で反応しすぎるとそちらに気を取られうまく話が進みません。途中でマイクのミュート解除をお願いする場面もありました。

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(背景をいつもの和室にして決意表明をする社員も)

リアルの場感は、一人ひとりの身体の向き、視線の交わし合い、頷きなどさまざまな要素で構成されていたのだと気づきました。
時間の短縮により集中力は保たれましたが、決意表明の場の作り方はまだ改善できそうだと感じます。

必要なのは、オンラインで「新しく作っていく」視点

会終了後のアンケートの満足度も高かったので、今後も小さな改善を重ねながらオンラインおむすびの会を続けていこうと思います。

運営チームの振り返りで印象的だった言葉があります。

「これまでのおむすびの会をオンラインで完全に再現するのは無理だと思う。オンラインはオンラインで、新しいおむすびの会を作っていけたら良いよね」

リアルのイベントをオンラインで完全再現しようとするのではなく、新しいイベント、文化として育てていく。そんな意識でこれからもいろいろなイベントに挑戦していきたいと思います。

今回得られた3つの学び
1,体感時間に注意する
2,少人数で濃い場を作る
3,リアルの経験に縛られない場感を作る

みなさんのオンラインイベント設計に少しでもお役に立てれば幸いです!


文・編集/櫻庭実咲      デザイン/清川伸子

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