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とある前向きな別れに

義務感で(会いに)来たのかもしれないなぁ

伝えると、彼女の顔が少し曇った

え、そうなの?

本当はそんなつもりもないのに

ついつい嘯いた

とっさに 照れ隠しで と誤魔化す

だが彼女の中の決め事は

覆るわけでもなく

それについて何もできない自分は

性格がそうだよね とか

一度決めたらむずかしいね とか

いわば彼女の結論を肯定する言葉を紡ぐ

彼女もまた、一番よく性格知ってるから…と言う

本当はそんなつもりもないのに

彼女から何らかのうしろめたさを引き出そうとしているのか

僕はずるい


前向きな別れなど存在してたまるか

そう思いながらも

僕は彼女の前で否定することはできなかったし

できないだろう


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