見出し画像

怪談ビギナーの出場者目線で語る、怪談最恐戦2019〜東京予選会編その②

#怪談最恐戦 #竹書房 #怪談

どうもこんばんは。卯ちりです。

前回の、怪談最恐戦の東京予選会のレビュー記事に引き続き、
今回は東京の残りのブロックについて感想をつらつら書いてみました。
お待たせしております!

個人的な感覚で綴った、好き勝手な感想ではありますが
「私が感じた、そのお話と語りの魅力」の目線で、贔屓なくフラットに書いたつもりですので、
話の中身やパフォーマンスその他、褒めてる箇所が各人バラバラなのは
そういうことだと思って読み流してくれると幸いです。
甲乙つけがたく、どのお話も魅力的ですよね!ということで……。

※以下、すべて敬称略でD〜Hブロックまで、出演順に。

Dブロック

まさかの配信トラブル(生き人形ジンクス!?!?)

①ひと巫女
自分の身に起こった怪異を、めちゃくちゃ嬉しそうに話す(ように感じられた)、ひと巫女さん。
彼女の子供の頃の出来事かと思いますが、自身にとって忘れられない怪奇体験というのは
大人になってから回想すると、ノスタルジックな思い出話にもなりますよね。
件のCDは不気味だけど、ネガティブな怖さではなく
「自分だけの宝物」としての怪談を聞かせてくれる、そんな話もいいと思います。
時間があればお清めパフォーマンスもやってほしかった!笑

②大島てる
ま…ばす…っ…
オウムは知ってるよ〜〜〜〜小学生の頃だけど〜〜〜〜〜!!!!!
このチェーン、今やどこにでもあるお店なので、
事故物件の近所であることはさほど珍しくないかとは思うのですが、
斜めあたりに店を作る法則には、出店者側の無意識的の勘というか、思惑を感じます。
事故物件・曰く付き物件をきちんと外す、大企業イ○ングループの用意周到さの裏返しかもしれませんね??
てるさん、舞台袖から不意打ち入場だったし、いつの間にかお帰りになられてたので、
控え室や舞台裏ではお見かけできなかったような気がする。ざんねん。

③マリブル
「テールランプの間にトランク、その上にリアウィンドウがあって、リアウィンドウ越しに車が見えて…」
この部分、一聞では妙にわかりにくい(状況がイメージしにくい)んですけど、
話中2回畳み掛けられる事で、あぶり出されるように
なんの変哲のない白い紙コップから女の首のイメージがにゅっと浮かび上がるような、
気持ち悪ーい感覚に襲われました。マリブルさん流の巧みな怪談話法だと思う。
なんとも言えないわだかまり……
今回は違うお題でしたが、マリブルさんの人形師ならではの人形怪談、
人形好きの身としては興味津々なのでいろいろ聞いてみたい。

④悠遠かなた
もってる!!!!!かなたさん、モってる男だ!!!!!!
(にしても、生き人形の延焼火力デカすぎでしょ 高価なスネアドラム割るなボケ)
バンド練習時に遭遇した「生き人形」の延焼体験、
もはやかなたさんにとっての「原点」であり「運命」では…?
配信で確認したんですが、本当に、生き人形の話をした途端に止まりましたね。うわ
今回の予選、本番中に絶対何かしらの「怪異」がリアルタイムで起きるぞ…!と楽しみにしていたんですが、
会場じゃなくて配信の方だったかー!!という悔しさもあり。でもこれは「勝ちを取れる」話ですね。伝説に遭遇しちゃってる。
最恐戦に愛されてる男…今回の勝利は必然…

Eブロック

ナマで聴いた方も、配信で聴きなおすとまた面白いんですよここのブロック

①伊山亮吉
出るたびにイジられまくる伊山さんですが、持ってくる怪談の質の高さはさすが…! #ゲロメガネ
この話、何十年もボール転がしている子供の霊の持続性と凶度の高さ(見た人が死んだ)以上に、
古い会社特有の「息苦しさ」を感じる怖い話でした。
事件を知るのは当時から勤務していた上司のみ、という大昔のことなのに、
今まで誰も深く怪異を追求・調査せず、「とりあえずヤバいから廊下に出ないで」のお達しだけで
穏便に、何もなかったかのように済ませて、何も対処していない。
その会社の保守的な体質が透けて見えるというか、社風キツそうだな…という感触も含めて、怖い話。
ところで私、伊山さんがゲロメガネって呼ばれる由縁を実は知らないので、誰か教えてください。

②木場知徳
ザ・コールセンター怪談。私も電話の仕事を経験したことがあるので、身につまされる怪談。
「うわ…こういうの、本当にあるんだ…」という嫌な報告でした。発信業務、怖い。
音源を確認しなければ「娘さんが勧誘を断る方便で父親を死んだことにした」とも解釈できるのですが、
何にも聞こえなかった音源…ガチじゃねえか……
木場さん、黒のスーツも似合うし声も心地よい低めトーンで、とてもスマートな印象。
こういう印象の芸人さんが語る社会人怪談、(他の業界の話とかも聞いてみたい)
聞きやすいだけにめちゃくちゃリアルだな。。。

③五島麻依子
半分は思い出話、もう半分はガチ怪異という、軽妙な、うま〜いさじ加減であっという間のエピソード。
アホな小学生のピンポンダッシュからの深夜のパニックまで、すごくリアルな話で、
これ地元では後の世代まで語り継がれる伝説になってそう。大事件です!!
鼻血も偶然ではあるけれど、霊障の一部だと思う。笑
あと小学生の五島さんはきっと頼れるリーダーポジだったんだろな。
でも実際のノックの怪異よりも小学生のピンポンダッシュの方が普通に考えて迷惑だな…

④夜馬裕
「心温まるお話を聞かせていただきました。家族っていいですね!」
良くね〜〜〜〜〜〜〜よ!!!!!
って思わず舞台袖で聞きながらツッコミを入れました。
5分間のショートショートを存分に堪能した感覚です。奇譚の小宇宙。
個人的には、今回一番お気に入りのお話なのですが、
夜馬裕さんの「本番に強いパワー」も感じました。(語り出した瞬間にスイッチ入ったのが見えた)
本番バリ強怪談野郎の称号、今回は夜馬裕さんと後述の鏡太郎さんにあげたい。
あと、伊山さんと夜馬裕さん、同じブロックに振り分けられた時に一緒に飲んでたというエピソードが
地味に面白いなって思います。なんかこう、お二人の本番の佇まいが対照的で。笑

Fブロック

テイストがバラバラのアニキが4人…

①チビル松村
ひとくちにイケメンと言っても、クリエイター受けするイケメンでは!?
無表情で淡々と語りつつも、静かな吸引力があり、怪談らしかぬ魅力があるんだよなあ〜。
斜めにかぶいていくアングルがとても良い。
ドッペルゲンガーとタイムループものの話だけれど、ループの渦に引き込まれて出口を見失うような、
一筋縄ではいかない構築されたお話。
時間の感覚だけでなく、方向感覚も失わせるようなやばさもあり、とにかくデザインセンスがいい!
…っていう、うまく言えないんだけど、そのヒネてる感じ、おしゃれだな…

②思ひで
「お子さんに話を語りたい」…純真な動機に感激(自分の不純な動機と比較しながら)
予選会、ご家族が会場で観ていらしたそうで何よりです!
このお話、古民家が実際にあるのかないのか、どちらが真実なのかが結局はわからずじまいでしたが、
たぶん、古民家は「ある」んでしょうね。最後の最後に「えっ!?」となってしまった。
古民家がもう「ない」のであれば怪異に説明がつくものの、あるのに消えたりするの、ちょっと反則だと思うな
なんかこのエピソード、狐狸の化かしみたいなお話だと思う。
今の時代、狸や狐にまつわる怪異なんて絶滅しているけど、古の怪異に近い不可思議さがありますね。

③鏡太郎
と、解き放たれてる〜〜〜〜〜!!!!!
リハで声が震えていたのはブラフだったんですか!? 教えて下さい鏡太郎さん!!!!!
今回、出場者で最もフルスロットルでハイパフォーマンスを叩き出していた感があり、圧巻。
配信音声では、ハイトーンかつ人懐っこい印象を受けたのですが、
実際に怪談を聞いてみると、表情豊かで声は声優さんばりに垢抜けていて、魅惑の鏡太郎ボイス。
エピソード自体は音響にまつわるやや地味な怪談だと思いますが、
腹話術レベルのパフォーマンスで臨場感と再現性が高く、音を楽しめる怪談に仕上がっていて、
決勝進出も納得。

④わた・るぅー
わた・るぅーさん、怪談本編よりも竹書房がらみの自虐ネタが「「「本気」」」」だったんじゃないか!?
と思うくらいに、最初の出落ちみたいなフリが印象に残ってしまった。笑
怪談だけでなく都市伝説系の適性も感じます。
多分、その「赤い女」が出る店舗を聞けばわた・るぅーさんはガチで教えてくれたんじゃないかな……。
あとプロフ写真(心霊写真?)の心霊ポイントがわからなかったから解説してほしい。
(うっかりpixivのリンクを貼ろうとしてしまったがしかし、自粛しときますね…)

Gブロック

緊張…してたの…???

①本田あやの
個人的に、この話のオチがめちゃくちゃ好きだな!さやかちゃんんんん!!!
昨年のマシンガントークの話も聞きながら笑ったんですけど、
今年の高校時代エピソードも高校生!!!!って感じで、楽しいんですよね。
あやのさんのエピソード、怪談ではあるんだけど、本人の陽気さもあり、
体験した当事者たちに幸あらんことを願ってしまう。
首切り葡萄ってなんだったんだろう。葡萄じゃない気が。首切り不動?
太った貞子スタイルも可愛い…。フェアリー感。

②りっきぃ
着物とヘアスタイルがめっちゃくちゃおしゃれ。プロフ写真、最初はイラスト使用でしたが
ご本人のお姿の方がフォトジェニックじゃん……。
じいちゃんじゃない人も混じっている、というこの話、
いやそもそも、連れてきた幽霊って本当に「じいちゃん」なのか…?
赤の他人の、複数の霊がついてきたのでは???
という気がしなくもない話ですよね。でも顔はじーっと見ないでほしい。

③匠平
こなした場数の多さだけでなく、話の端々に恐怖地雷を仕込んできてるのが、とにかく凄い。
テレビがつくのと知らん着物の女は反則でしょ!?!?
匠平さんの語りは確実にトドメを刺してくれるので、安心して(?)最初から最後まで楽しめます。
ジェットコースター型ですね。飽きない怖さのエンタメ。
でもって今月のOKOWAチケット取りました!楽しみにしてます。
ところで、笑い声の後に一瞬スポットが消えたの、何????
あれは、わざとですか…?調光ミスですか…?それとも…?

④一条ま〜太郎
「耳に絡みつく重低音」と仰るけれど、ま〜太郎さんのお声はドライ&スモーキー。
怪談語りの傾向としては、低音かつ声質は艶っぽく湿り気を含んだ魅力を持つ方が多い印象を受けますが、
低音でもごわついた響きが持ち味で、表情を排した語りに薄暗さと陰気さがジトッとにじみ出てくるのが良い。
エレベーターでの肩たたきと声と目、怪異はそれだけでも、訪れた団地の気持ち悪さーー風合い、雰囲気、
それがヒシヒシ伝わる語りなんですよね。
くらーい映像で再生されるような、言語化しにくい「いやな感じ」を醸し出しているので、
深夜に聞くといい感じに引っ張られますね。(何に?)

Hブロック

VS芸人ブロック

①よろづき
職業柄、病院怪談が得意ジャンル(?)なよろづきさん、病院の話と思いきや今回は訪問看護先のお家だ!
語り手の職業に直結した怪談って、良い仕入れルートが保障されているようなもので、
取材や伝聞にノイズがないというか、怪談に「鮮度」があっていいですよね。
この開かずの間の話、何一つ解決も完結もできていない、謎だらけのお話なのに、
実話怪談の気味悪さと不可解さが存分に満ちていて、よろづきさんの気合いと入魂を感じます。
確か昨年の最恐戦きっかけで、怪談師として本格的に活動されたんですよね?
よろづきさん、すでにバリバリの実力者の風格があり、ぼ、ぼくも頑張ろう…

②五十嵐文香
出場者一の滑舌?というか、くっきりはっきり系解説ボイスだったので、
音が聞こえにくい舞台袖でもバッチリ話が聞けたゾ!笑
五十嵐さん、出身は福岡だそうなので、九州近辺の話のストックが多いのかしら。
この話、長州征伐の戦死者無縁仏という歴史ある怪談なので、
山口県のご当地怪談として広まってもおかしくない話だと思う。
山口に行けば、これに近い話や同じ無縁仏の墓石がらみで何パターンかの怪談を収集できる気がする……。
それにしても、山に入ればその辺に無縁仏が転がってる状態になりうるの、すげーな。

③伊藤太一
このお話、心霊スポットの幽霊がくっついて来た系のエピソードではあるんですが、
個人的に一番恐いなって思ったのは、自転車の下りですね。
揺れてたブランコ→自転車の荷台にドン!と重み
そこ!!!!!嫌!!!!!!
もちろん、90度に首かしげる系幽霊女もやめてくれなんですが、
幽霊を見たことがない人間にとっては、「視えない怪異」の方が危険なんですよね。
重量を表現するタイプの霊、ただ居るだけ、見えるだけ、触れるだけの幽霊より、絶対邪悪でしょ。
それにしても、自転車に乗ったやつと首かしげの付いてきた幽霊、同じ存在なんですかね?
別の霊では?という気がしなくもなく…いや深く考えるのはやめよう

④シークエンスはやとも
「ひな壇芸人が語る恐い話」としての完成度の高さに圧巻。
確かネット投票では2位だったけど、1コンテンツで見た時のハイレベルさが決め手だったのかしらと思う。
はやともさん、「(予選に勝ったけど)とっておきの話をもうしちゃったので…」と仰ってましたが、
確かにこれはTVオンエアで語られても申し分なく面白い傑作話だと思う。
お父さんとはやともさん、共に霊感の強さで通じ合っているけれど、「やはり父は強し!」的な
父子ほのぼのエピソードに仕上がっていて(ほのぼの…?)怪談なのに後味が良い。笑
あと、はやともさんはお父さん似で親子生き写しそっくり系なイメージ。
「父親譲りの霊感」これ、とっても少年漫画。ロマン!

以上!!!!!!

次は配信で鑑賞&投票した大阪予選の感想を書く予定です〜。
しばしお待ちくださいね。