短編小説『ありがちなアメリカン・ジョーク?』
と見せ掛けて、何か話がヤバい方向に……果たして真実は?
※作中の残酷描写は「何かマズい事が起きたという匂わせ程度」「本当に起きたか判らない」ものですが、苦手な方は御注意下さい。
「なろう」「カクヨム」「アルファポリス」「Novel Days」「ノベリズム」「GALLERIA」「ノベルアップ+」「note」に同じモノを投稿しています。
「これ、何の肉だ? 豚とも牛とも羊とも何か違う気がするんだが……」
「ああ、知ってるだろ、ここの州法では、車の事故で野生動物を死なせちまった時は死体を持って帰って食肉にしてもいいんだよ」
「おいおい、何の肉かは判んないけど、すごく柔らかいし、味もジビエより家畜の肉に近いぞ。野生動物には思えないな」
「ああ、まだ子供だったんだよ。かわいそうな事をした」
「で、オチはお馴染のアレか?『ところで、その小動物が使ってた自転車は要るか?』ってんだろ?」
「自転車じゃなかった。スケボーだった」
「じゃあ、ウチの娘が使ってるのの予備にもらっとくわ」
「あのさ、お前が言った冗談について、前々から不思議に思ってたんだが……」
「何だ?」
「自転車に乗ってる小動物を車の事故で死なせたら、自転車の方も無事で済まないのが普通だろ。小動物を轢いた時にスケボーも壊れちまったよ」
「ああ、そりゃ残念だ」
「ああ、それと、偶然だと思うが、お前が娘の誕生日プレゼントに買ってたヤツと同じのだったよ。メーカーも外見も」
「何がだ?」
「スケボーが」
「冗談だろ?」
「あれ? 俺、今の話が冗談だって言ったっけ?」
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