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職場の後輩に泣かれたゲイ

3月から4月へ。



3月末間際の職場の雰囲気がどうも苦手です。
去る側の慌ただしさと高揚感、残る側の取り残された感。



僕だって、何度も、どちらの立場も経験してきたわけですが、目の前で誰かの人生が動く様を見ると、特段変わらない自分との落差にやられます。
変わる環境に、変わらない自分が引っ張り出されていく居心地の悪さというか、そういうもの。



普段飲酒の習慣はないのですが、送別の時期で、いくつか飲酒の機会が重なりました。



一人、職場の後輩が2年の初任期間を終え、異動で旅立っていきました。
日々接しているとふとした時にしか気付かないものですが、長いスパンで振り返ってみると、新卒だった2年前から随分成長した姿に変わったなと思いました。



柄にもなくそんな話をしていたら、後輩が泣き出してしまいました。逆に御礼を言われたり。
大方月並みな内容でしたが、普段意識していないことを言われたりしました。



普段は年次のこともあり、どうしても自分が見る側にいるという意識になりがちですが、やはり自分も見られる側であるのだと、当たり前のことを思い出しました。



あと、異動とか全然関係ない別の後輩も、酔ってめちゃくちゃ泣いてました。
僕のことを、半端ないんですとか、すげーなって思いますとか叫んでました。



酔って人を褒める言葉が出るなんて、心が綺麗過ぎて逆にすげーよ、と感心しました。
こいつは偶に酔った方がいいんじゃないか?



僕は淡白なのか思い入れがないのか一生懸命でないのか、送別で泣くとかありません。



僕は人当たりも厳しい方だと思うし、言うことも細かいし。
それは、温かい心というよりも、割と自分の自我だったりするのですが、感謝されると自分でも気付かない深い思いが彼らには届いていたのかもしれないと思ったのでした。



でもそれは、彼らが成長したいと願い、僕の言葉をそういう方向で受け止めて信じて進んでくれたからだと思うので、彼らの受け取り方の素晴らしさだと思うのです。



素直に受け取れるって本当に才能なんだと思います。
そして、素直に受け取れる言葉をかける、環境を作ることも必要なんだなと思います。



久々に職場の人と飲むと、その場にいない人も含めて褒め合いになりました。
以前だと愚痴や悪口ばかりだった気がします。



自分が年齢を重ねてそういう飲みの場を避けられる立場になったからなのか、周りの人にたまたま恵まれているだけなのか。そこは分かりませんが、何にせよ平穏な場であったのは良かったです。
世の中の人は、こうやって日々の不満や不安をお酒で洗い流しているのだなぁ、とようやく晩酌する人の気持ちがわかったような気がしました。




ただそれと同時に、ゲイ友以外との飲みでは、常にアンテナを張り続けている自分にも気付きました。



話題の方向性に気を張って、プラベートを聞かれるような話題になりそうだとすぐに話を変えたり。
まじで怠いな、と思いながら、自分が何を怖がっているのかは本当のところよく分かりません。



と、ここまで書いて暫く筆が止まってしまっていました。
2週間くらい、あれこれ考えていたら、ふと気づいたタイミングがありました。



それは、マッチングアプリでいいねを貰った時。



相手からアプローチされているんだから、こちらも押していけばいいものなのだと思うのですが、相手が自分の好みであればある程躊躇してしまうのが僕です。



それはたぶん、実際にリアルした時に、相手が抱いていたイメージと違った場合、あ、なんか違うわ、と思われてしまうのが怖いんだということ。



僕自身は何も変わっていないのに、相手の反応だけなのに、なんとなく落ち込んでしまう、なんとなく自分が否定された気分になる。



職場のアンテナも同じなのかと。
自分がどうありたいか、が、自分がどう思われたいか、に取って代わられているような気がします。



僕自身は特に環境が変わってはいませんが、それでも色々と人間関係の変わるこの季節。
自分が職場でどういう立場でいたらいいのか、探り探りな2週間でした。



だんだんアジャストして落ち着いていくんでしょうが、やっぱりこの雰囲気は苦手です。

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