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順番待ちの恋

転職が決まり、ひとまず定住する場所が決まったから、次は久々に彼氏でも作ろうかな、なんて思っていたけれど、まあそんな風にはいかない。

都合の良いタイミングで都合の良い男が転がっているわけもなく。
いつでも転がっている男は、誰かを都合良く使おうと思っている男だけ。



とは言えアプリは見てるけど、全然反応もお声がけもされないし、アプリ上に俺いるよね?ってなる。
透明人間になったのかよ。

ただ、実際リアルするのが億劫なのも事実。



とりあえず辞める会社の引き継ぎやら手続きやらがあり、次の仕事の勉強も入社前にある程度しておかないとと思うし、有休に入ったら長期でどこか行きたい所でもなんて思っていて、定住するから家も整えたいとか、色々やることがある。



退社がリリースされてから、社内の風がとても冷たく感じる。
着々と自分がいなくなった環境が整えられていく様を見て、自分とは何だったのだろうと思わなくもない。

直属の上司からは無視されている。
無視なのか、気遣いなのか微妙だけど、やっぱり無視だと思う。



新しい会社に入ったら慣れるまでは年単位だし、暫くは仕事に集中せねば、と思っていると、いつまで経っても恋愛に順番が回ってこないような気がする。

僕はどちらも両立出来る器用な人間ではない。
というか、仕事が上手くいかない言い訳として恋愛を使いたくない。

僕が一番嫌いなのは、彼氏といちゃいちゃしてたから翌日の仕事が寝不足です、みたいなやつ。
仕事は完璧でありたい。完璧を目指しても完璧に出来ないのに、自ら底穴を掘っていては出来ることも出来なくなる。



結局、僕を形作るものは恋愛ではなく仕事なのだなと思う。
仕事人間になりたくないのに、どうしてそうなるのかって思う。不思議。



自分を安定させるものは、恋愛ではなく仕事になっていて、そんな仕事も、じきに安定して慣れたら、また不安になって転職したくなるかもしれない。
そしたらまた転職に忙しくなって、恋愛が遠ざかる。恋愛が順番待ち過ぎる。



今楽しみにしていることは、早く積雪してスキーに行くこと。
結局これも一人で行くんだけど。

誰かと行っても楽しいけれど、予定を合わせるのが面倒で、誰かと言っても僕が欲しいのは自分に都合の良い誰かであって、結局自分だってそこら辺に転がっている男と同じなんだと思う。
エロ目でない分もっとタチが悪いかもしれない。



僕は、寒くなって積雪するまでの時期が一番苦手な時期だ。
雨なのか雪なのか中途半端で、暖房もつけるかつけないか迷うから。

とりあえず時間が出来たら、『私をスキーに連れてって』でも見たいなぁ。

あれを見ると、真冬が恋しくなる。
季節に恋出来るといいよなぁ。待っていればいつかは巡ってくるものだから。

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