2020年映画総括

はじめに

今年は新型コロナウイルスの影響で日本でも新作映画の公開が一時完全ストップ、またハリウッドで新作の公開が次々と延期になり、映画館が再開しても洋画の大作が少ない状況がありました。
映画というコンテンツもまたコロナ禍で多大なる影響を受けたひとつです。

しかしながら、同時に、良い作品も多く公開されました。個人的な印象としては青春映画に傑作が多かったなあと思いました。

ある意味自分自身が未だに青春を求めているということなのかもしれません…

そんな思いを馳せながら今年の年間ベスト10作ってみました!
ランキングはツイッターの方でも発表しましたが、以下の通りです。

1位 本気のしるし 劇場版
2位 ラストレター
3位 異端の鳥
4位 ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
5位 アルプススタンドのはしの方
6位 君が世界のはじまり
7位 佐々木、イン、マイマイン
8位 ブルータル・ジャスティス
9位 彼女は夢で踊る
10位 アンダードッグ 前編/後編

今年も迷いましたが、いい選出ができたのではないかなと思います。
以下短評です。若干ネタバレあるのでご注意ください。

10位 アンダードッグ 前編/後編

どれだけボロボロになって、周りから見捨てられてもリングにあがり続ける男。
周りの人々が今の生き方を精算していく中でそれでも現役にしがみつき、泥臭く、痛々しくもがく森山未来の熱演に心震える

9位 彼女は夢で踊る

ストリップ劇場が舞台だけど中身は青春映画!
自分の青春がつまった劇場を守りたいと思う気持ち、そしてそこにかつて愛した人のおもかげを重ね、過去を忘れられない支配人の姿が涙を誘う。
観終わってから改めてタイトルの意味に泣けます。

8位 ブルータル・ジャスティス

映画全体を通して静かに話が進むがときおり現れる理不尽なバイオレンスに緊張感が張りつめる。
この冷たく乾いた感じがたまらなく好き。

7位 佐々木、イン、マイマイン

佐々木という人物が愛おしくて、だからこそどこかで救われててほしいと感じずにはいられなくなる。
青春の1ページを呼び起こすような作品。
最後の盛り上がりは今年ベスト

6位 君が世界のはじまり

気が狂いそう

『人にやさしく』が流れた瞬間からベスト入りは確実だった。
思い通りにいかず、もがき苦しむ彼らに思わず頑張れって言いたくなる映画。
中田青渚という役者を知れたのも良かった。

5位 アルプススタンドのはしの方

会話劇の巧みさ、構成のうまさもさることながら、何かを諦めたことがある人にズシンと響く熱さがあるのがいい!
一生懸命頑張ることって素晴らしい!
とっても前向きになれる映画

4位 ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語

原作はずっと昔なのに登場人物に血が通っているのがすごい!
何か作品を作ったことがある人なら分かる感覚が繊細に描かれていて本当に胸がいっぱいになる。
個人的にはコロナの自粛明け最初に観た映画、かつ今年複数回観た唯一の映画なので思い入れが深くこの順位に

3位 異端の鳥

戦時中身寄りのなくなった少年の地獄めぐり映画
人間の残虐性、意地の悪さをこれでもかと見せつけてくるので気が滅入る
が、それと同時にとてつもなく雄大で美しい画づくりにうならされる
苛烈な環境は優しい子どもをも変えてしまう
ハードだけど間違いなく傑作

2位 ラストレター

高校時代の恋愛が忘れられない人々。過去にとらわれ、素晴らしかったあの日々をいつまでも引きずる様は、かっこいいものじゃないけれど、あまりに自分とリンクした。
終盤、その思いが見事に成就するとき自分の心も救われたような気がして落涙

1位 本気のしるし 劇場版

単純に面白すぎる。4時間近くの上映時間にもかかわらずまったくだれることなく、むしろ加速度的に面白くなっていく。
そういったエンタメ的面白さだけでなく、従来のファムファタールものから一線を画した展開や人の心を見透かすような強烈な瞬間があって映画としての強度も高い。
文句なしの1位!

ランクインした映画を見ても本当に青春映画、あるいは青春を思い起こすような映画が多いですよね。
やはり自分自身と重なる部分があるからこそ高評価になるのでしょうか。
しかしそんな青春映画偏重の中でも1位に選んだ『本気のしるし 劇場版』はものすごかったです。かなり長尺ですがぜひ皆さんにも見てほしい一作です。

おわりに

2020年も多くの映画に出会いましたが2021年もいい映画に出会いたいなあと思います。
今、世界では新型コロナの影響が深刻です。だからこそ映画界でもコロナの問題は避けて通れません。
街を歩く人がマスクをしていないだけでも違和感を覚える時代です。もはやコロナがあるものとして映画をつくるのがスタンダードになるかもしれません。
そういった中でも面白い映画、感動できる映画に出会えることを願っています。

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